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恒河沙  作者: 佐瑠未亜綺
第1部 死者が語る戦争
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願わくば

何事もなく一年が終えた

だけどこの一年はものすごく濃密な一年でありあと五年あるかどうかの人生において一番心が動いただろう。


なぜこんな事を考えているかというと絶賛癌を患っていてまさかのすてーじ4で余命は最低2年らしい。


魔力過剰症の本当の脅威は『病気を患わせる』か『深刻化するか』ということが俺のおかげで発見された。


なんか複雑な気分だがなんか誇らしく思える。


でも今寝たきりというか意識がない状態だけど意識がある。自分でなに言ってるかわからん。おおよそ幽体離脱の生き霊なんだろうな。


そういえば何でこんなことになったか言ってないし語らないとという意志を感じる。


簡潔に言うと冬休み明けて学校行って廊下で倒れて病院直行、診断により白血病だった。


そして隣の部屋で優子さんが伊勢(姉)先生と話している。

病気は放っておけば一年もない、薬代がめっちゃいるが低確率で死ぬ、完治するが寿命が2年もないのどれかであり選択権は優子さんだ。

色々詳しい説明を受けているがよくわかっていない。この人本当に200年も生きてるのかと疑っている。


そうしていると夢子が病室に入ってきて目が合った。「来てくれてありがとう」ともしかしたら聞こえてると思って言うと


「ちょっと薄いしなんで体が二つも...」


と驚いて理解できてなかった。こうやって見ると二人が親子だと確信できる顔をしている。


「なんか幽体離脱できた」


「なっなるほ...ど?」


まだ理解が追いついてないらしい。多分俺もそっちなら多分なる


「隣の部屋で優子さんがいるからそっちに行ったほうがいいよ」


「わかりました...」


とぎこちなく答えて部屋を出ていった。

敬語を外してくれると嬉しいんだよな〜と思っているが外してくれる気配がない。誰にでもそうだし俺が言ったわけでもないから一生敬語だろうと思ったが一生なんてあと五年もなかったわと一人で考えて乾いた笑いをする。


人生の終わりが近づくと涙が出そうになるし諦めるようになる。


もっとみんなに何かしてあげたかったし、してほしかったけど何も出来ないのがとても悲しいのに涙も出ない


願わくば夢子と同じ寿命があったらと嘆くがそんな事に意味なんてない

死ぬことは怖くない。みんなを泣かすことが怖いし最後に代償を払ってでも何かしたかったな

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