ホルンの町へⅢ
九話目です。なかなかホルンにつきません。
深夜、ある集団が動きだし始めた…
早朝、と言ってもまだ明るくなる前だが、シュウトは目を覚ました。疲れは全くない。よく眠れたみたいだ。しかし、気持ちいいからもっと寝よう。そう思って目を閉じようとする。すると、目の前にあれが出てきた。
《村を救え!1》
村が魔物の集団に襲われている!村を守ろう!
と、書かれていた。寝ぼけているのか?と思い、起き上がって、ちゃんと確認してみる。するとどうやら本物みたいだ。すると、外から悲鳴が聞こえてきたので、急いで飛び出した。すぐにゴブリンに襲われている村人を見つけ、ゴブリンに斬りかかった。
「スラッシュ!」
村人に攻撃しようとしていたのを、スキルで中断させる。さらに、
「クイックステップ!」
二倍の速度で剣を振った。
振り返るゴブリンに追撃を加える。
そして、後ろからメイサの声が聞こえてきた。
「フレイム・シュート!」
ゴブリンに直撃し、ゴブリンに隙ができる。その隙をつき、攻撃を仕掛ける。さらに、
「フレイム・シュート!」
ルークの声も聞こえてきた。
ルークのフレイム・シュートがゴブリンに当たると、ゴブリンは吹き飛んだ。スキルのレベルはメイサと一つしか変わらないが、威力が全然違う。レベル差すごいな。
ゴブリンはそのままカードになった。それを拾い、あたりにゴブリンがいないか確認する。どうやらいないみたいだ。と、そこにリベリアさんもやってきた。
「手短にいまの状況を説明する。いま、この村はゴブリンの集団に襲われている。いまから二手に分かれて行動をしてもらう。一つは、ゴブリンを殲滅するチーム。シュウトとルークで行ってもらう。
私とメイサのチームは村の火事の消化と村人の救出だ。メイサは水魔法が使えるからな。何かあった場合は空に魔法を撃て」
「了解です。ルーク急ごう。メイサも気を付けて」
「分かりました。お任せください」
「シュウトさん、頑張ってください」
「了解!」
ふたりで悲鳴の聞こえた方向に向かって走る。
そこにはゴブリンが三体いた。後先考えず、ゴブリンの群れに突っ込む。一番端にいたゴブリンに斬りかかった。後ろからルークの魔法が飛んできて、ゴブリンを吹き飛ばしたがまだ死んでいない。とどめを刺そうと追いかけたが、別のゴブリンが目の前に来て、剣を振る。
「クイックステップ!!」
剣とゴブリン両方をかわし、死にかけのゴブリンにとどめを刺した。残り二体。とどめを刺したあとすぐに振り返ると、ゴブリンが迫ってきた。
「フレイム・シールド!」
ゴブリンと俺の間にルークが入ってきた。ゴブリンの攻撃をフレイム・シールドで防ぎ、
「フレイム・ソード!」
ルークがさらに魔法を発動させる。ルークの手に炎の剣が現れ、そしてその剣を振って盾に防がれている剣ごとゴブリンの腕を斬る。剣と腕を失ったゴブリンは震えながら数歩下がった。ルークは、
「フレイム・シュート!」
ゴブリンにとどめを刺した。これで残り一体。しかしその一体は、襲いかかってくることなく、逃げて行った。俺が追いかけようとすると、
「シュウトさんダメです!あの状態なら村人を襲うことはありませんから次に行きましょう!」
ルークの言葉で俺は止まった。
「そうだな。ごめん、ちょっと熱くなっていた。次に行こう」
俺たちはゴブリンを探しに村を駆け抜けた。
そして、俺たちはさらに四体を倒したら、朝日が昇ってきて、明るくなった。
同時に、ミッションクリアの文字が。
《ミッションクリア!》
20TPを獲得!
ミッションクリアと同じときに空に魔法が打ち上げられた。その場所に向かって行った。
その場所には二人がいた。二人に現状を報告した。
「こっちはゴブリンを六体倒しました。そっちはどうでした?」
「村の火事はすべて消した。村人も一人も死なせずに済んだ。しかしけが人がいるから、ルーク治しに行ってくれ」
「了解です。では」
そういってルークは村人のところに向かって行った。
「そういえば、俺たちがゴブリンの群れと闘っていると、一体逃げ出したんですよ」
リベリアさんに相談をすると、
「私たちのところも二体ほど逃げ出したんだ。ところでそいつはどっちの方角に行ったか分かるか?」
「確か、くる道と直角くらいの位置だから向こうのほうですかね?」
「やっぱりか…」
俺の答えを聞くと、唸って考え事を始めた。
「どうしたんですか?リベリアさん」
「いや。もしかしたらこの襲撃事件はまだ終わっていない」
「え!?それってまたゴブリンが襲ってくることですか!?」
「確証はないがこのままこの村を離れたら、私たちがホルンの町に着くころには壊滅しているだろう」
「く、詳しく教えてください!」
「さっきシュウトは向こうに逃げたといっただろう?私たちの相手のゴブリンも同じ方向に逃げて行った。つまり、向こうのほうにまだ集団がいる。確実に。そしてゴブリンをまとめているやつもおそらくそこにいるだろう」
その話を聞いたら目の前にまたミッションが現れた。
魔法説明。
炎魔法Lv1フレイム・シュート…炎の塊を作り出し、相手に当てる。
炎魔法Lv2フレイム・シールド…炎の盾を作り出し、攻撃を防ぐ。物理攻撃も通らない。
炎魔法Lv3フレイム・ソード…炎の剣を作り出し、攻撃する。普通の剣みたいにつかんで動かすことができる。発動者のみ剣を扱える。それ以外の人は触るとただ熱いだけ。