↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

逃走

冬が終わりを告げ、桜の蕾が芽吹き出した頃ーー

鈴にこの上ない朗報が舞い込んできた。


今年は建国祭が開催される。

建国祭とは10年に一度盛大に行われる、お祭りのことだ。


建国祭のような大層なお祭りを開催しても、下級女官には関係ない。

祭を楽しんでおいで、と追い出される。


だがそれが、鈴にとっては千載一遇のチャンスだった。


建国祭の日は、普段固く閉ざされている都の門が全て解放されて、様々な国の人がやってくる。


上手に民に紛れ込んで都を抜け出せたら鈴の勝ちだ。

都で攫われた以上、どこの村の娘かもわからないだろう。


家へ帰れるという淡い期待を寄せながら鈴はこっそり準備を始めた。



ついに、建国祭当日を迎えた。


いつも通りに日の出前に起き、都を掃除する。


ただ一つだけ違うところは、ほんの少しだけ鈴の機嫌がよかった。


掃除が終われば、女官長にお小遣いをもらい、祭りが終わるまでは自由時間だ。見張もない。


少しだけ祭りを楽しんだ後、準備通りに服を着替えて、異国の人に紛れて都を去る。


計画通りなはず。


やっと都から出れる。喜びを噛み締めながら門から外へ踏み出そうとしたそのときだった。


「お前、女官だろう。」


ーーえ?

鈴は固まった。

心臓の鼓動がやけに早い。


ここで認めてしまえば処刑だろう。

そんなことしたら今までの計画が台無しだ。


「に、女官?そんなわけないじゃないですか。」


焦りがバレないように必死に繕った顔で武人に伝えたが、武人は何一つ表情を変えない。


どうやらこんな命乞いは、はじめから無駄だったようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。