目次 次へ 1/10 12月1日 同窓会があった それは、一人の女の失われていた記憶だった………… 十二月一日。それは冬の寒い日のことだった。 「時計にして表せば、ちょうど零時一分だね」 久々の同窓会があって、同級生だった物知りな彼はそう言った。 一体何をもって「ちょうど」なのかさっぱりだったし、時計にして表す意味がそもそもわからない。 たぶん意味なんて無かったんだろう。 私が好きだった混野ろり雄〈こんのろりお〉という男は、昔から、そんな少し他人と感覚が違う、おかしな男だった。