第4話 ツンデレ!
「…ハッ!あれ…ここは…?」
ポポが目を覚ましたのは、さっきの夢と同じ部屋だった。
同じとは言っても、こちらは劣化して所々にヒビが入っている。
「目が覚めましたわね。おはようございます、ポポさん。」
隣を見るとダリアが座っている。
「ふふ、心配したのですわよ?体調は如何ですの?」
「あ…もう大丈夫なのです、心配かけてごめんなさいなのです…」
ダリアはポポの頬に手を添えて、諭すように言った。
「これからはちゃんとご自分の体も大切にしてくださいまし?」
「はい…」
大人の余裕だ!すご〜!と思っていると、ダリアが視線を扉に寄りかかっている人チュリに向けた。
「さてと、わたくしはこれでよろしいのですが…」
「?」
チュリはいつもあまり笑わないのに、今は満面の笑みである。にっこにっこだ。だが、額には青筋が浮かんでいる。
「おう起きたか新人…ちょいとそこに正座しろや?」
「はっはひぃ!」
声もいつもよりワントーン低いし、これは激おこモードだ。
「あっあの…チュリちゃん、怒ってますか…?」
「あ゙?」
「ごめんなさいっ!」
内心、1文字でこんなに威圧できるチュリちゃんってすごいなーと思いながらポポは全力で謝り倒した。
「ったく、どれだけ心配したと思って…」
「ほへ?チュリちゃん、心配してくれてたのですか?」
その場の空気が2、3秒凍る。また動き出したかと思えばチュリの頬はぶわぁっと赤く染まっていく。
「な…!ち、ちげえし!別に心配とか…そんな…
とにかく心配なんかしてねえ!」
すると、どこからかレニアが現れて清々しい笑顔で暴露した。
「あれ〜?でもポポちゃんのこと一番心配して〜、定期的に魔力量を確認したり〜、お熱測ったり〜、護衛一人じゃ心配だからってず〜っとあの部屋の門番してたのはチュリちゃんだったけどなぁ〜?」
もともと赤かったチュリの頬がさらに真っ赤になっている。
「な…!ちげえし、うるせえこのチビ!」
「はあああああ!?誰がチビじゃ!?」
「お前じゃ!」
チュリとレニアがいつもの言い合いを始めた。
ダリアは「あらあら」と微笑みながら見守っている。
「あの、ダリアちゃん、あれって放っておいて良いのですか?」
「ええ、問題ありませんわ。いつもの事ですもの。」
仲が良いんだな〜、と思いながら見守っていると、他のメンバーが帰ってきた。
「只今戻りました〜!ポポさんが起きたって本当ですか?」
フェルネが勢いよく扉を開ける。蝶番が悲鳴を上げるが気にしない。
「あ、皆さん!心配かけてごめんなさいなのです…」
ポポが頭を下げると、上からフェルネの元気な声が降ってくる。
「良いんですよ〜!これからは倒れる前に「倒れる」って言ってくださいね!」
「いや言えねぇだろ!」
たとえ喧嘩中でもチュリのツッコミは健在らしい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「それにしても、なぜフェルネちゃん達はあたしが起きたことが分かったのですか?」
ポポの疑問にフェルネが「あ、それですか?」と答える。
「ダリアさんが能力で教えてくれたんですよ〜!」
「ダリアちゃんの能力なのですか…?」
ダリアは微笑んで頷く。
「ええ、わたくしの能力は「離言」といいまして、簡単に言えば一方通行のテレパシーですわね。伝えることは出来ますが、聞くことは出来ないので。」
普段ろくでもない情報しか聴けないポポは、内心「いいなぁ…」と思うのであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
数分後、チュリとレニアの言い合いも終わった頃。
「あたし、不思議な夢を見たのです!」
「夢?」
ポチュラの疑問にポポが答える。
「はい、実はかくかくしかじか…」
全員が驚く。無理もない、ここの過去の様子を夢で見たなんてこと、簡単に信じられるはずがない。
「ま、ここでの情報は貴重だ。お前らしっかり覚えとけよ?」
チュリの呼びかけに全員が頷いた。
そこでフェルネが口を開く。
「さて、探索班の報告をしましょう!」
いやぁ〜、やっぱツンデレっていいですねぇ。
次回、探索開始!
フェルネ達が調べたこととは!




