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教頭先生の長い話

俺たち3人は今日の自習時間に教頭に話を聞きに行った。

職員室はほぼ貸切状態。

教頭以外、それぞれの受け持ちクラスのカリキュラムで出払っていた。

俺たちが尋ねると、厳格と言われていた教頭が柔らかい表情で迎え入れてくれた。

職員室の角の方、談話用のソファに通された。

教頭自らがお茶を出し、もてなされる。

教頭「話をしに来てくれたのね。」

大地「はい。ニュースのことで。」

鈴木「妊娠促進委員会の会見と、山田誠一局長の退任会見。どちらも、俺たちが1ヶ月前に自習室で話していた内容とかなり似ていました。それに、男子生徒からの着想だと明言されていました。教頭先生、何かご存知ですか?」

教頭はお茶を一口飲み、返答する。

教頭「まずは一つ、ごめんなさい。あなた達の考えを勝手ながら嘆願書として厚労省、妊促会、教育委員会の3カ所に送ったわ。」

鈴木「教育委員会にも‥」

教頭「ええ。あなた達の考えは立派だった。私も一度は考えたことがある内容。でもそれを学徒である子供達に言われてしまった。大人として動かざる得なかった。私の立場と男子生徒であるという希少価値を合わせれば意見が届く可能性があったから。」

教頭「あなた達を利用した。本当にごめんなさい。」

教頭は深々と頭を下げた。

大地は焦って側に寄り、

大地「謝ることじゃねぇっすよ!むしろありがたいくらいで。」

教頭は頭を上げて鈴木に問う。

教頭「でも、鈴木くんはそれで良かったの?あなたは自分で動きたかったと思ってはいない?」

鈴木は少し表情を緩ませて答える。

鈴木「確かに自分で会社を立ち上げることを考えて、他にはないような託児所案を考えてました。今回の件で見直されたら、俺の考えてた福利構造なんて簡単に越えられてしまうでしょう。でも、それが実現するとして、何年かかるかわからない。世間が変わるなら早い方がいい。」

鈴木はそう答えてお茶を飲み干す。

教頭は佐藤に視線をやる。

佐藤は少しキョドりながら、

佐藤「僕は何も案出せてないですから。2人の話について行くのが精一杯なので。」

教頭は安心したようにお茶を煽る。

教頭「あなた達は立派ね。私があなた達ぐらいの頃はそんな考え出なかったわ。孤児でありながら、孤児であることを当たり前に感じて、どうして自分が孤児になったかなんて考えてなかった。お母さんは私がいらなかったんだーって、思っててもそれくらい。」

教頭「でもあなた達は孤児でもない。そして希少な護られる男子達。そんな子達が私たち女性のことを真剣に考えてくれた。それが嬉しかった。」

教頭の話に少し誇らしくなりながらも、真面目な顔で耳を傾けた。

教頭「ありがとう。あなた達は世間にとってだけじゃない。私にとっての大きな希望よ。」

少し潤んだ瞳の教頭は急かすように話を切り上げる。

教頭「さぁ。自習室に戻りなさい。」

俺たちは職員室の入り口に向かう。

教頭「何かあったら頼りなさい。大人が力になれることなら手伝うわ。」

俺たちはお辞儀をして職員室を後にした。

教頭先生、ありがとうございました。

大人の会話って話長いですよね。

書きながらこの教頭は話を挟ませてくれないだろうな。と思いながら入力する指が止まりませんでした。

子供に優しい口調でわかりやすく話す教頭。

硬い口調で対抗する鈴木。

下手な敬語の大地、萎縮してる佐藤。

やっぱ主人公鈴木説濃厚ですね。


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