ササギ
「何がダメな判断なんだ?」
ガーは背中に担いでいた両手斧を一本引き抜くと、両手で握りしめ、ササギに斬りかかった。
「一撃で終わらせよう」
「のんのんのん。私が一撃で死ぬわけないだろう。それに――」
ササギが指をパチンと鳴らした瞬間、ガーの両手から力が抜けた。
両手斧が地面に落ちる。
「う、ぐぅ……!腕が、急に……!」
「隙だらけ」
ササギはガーの顔面を蹴り飛ばそうとする。しかし、ガーはとっさに身をひねり、その攻撃を回避した。
「っ!ぐっ!」
「私の攻撃を受けた時点で、あなたは詰みなんですよ。私の異能は、触れた部位に激痛を与え続ける異能。私が解除しない限り、あなたの腕には激痛が走り続けます」
ササギが余裕の笑みを浮かべる一方、ガーは苦痛に顔を歪めながらも、なんとか立ち続けていた。
「だから、のんのんのんと言ったんですよ。私の攻撃を受ければ、その部位は激痛によって使い物にならなくなる。つまり、あなたはもう戦えないということです」
「腕が……使えない、なら……な」
ガーは痛む腕を押さえながら、ササギに向かって踏み込んだ。
「なっ!?」
次の瞬間、ガーの蹴りがササギの片腕を直撃する。
「なっ!足で、この私の腕を……!」
「これで……お前も片腕は使えなくなった。これで、お互いに腕はほぼ死んだな」
「の、のんのんのん!私には、まだもう片方の腕が――」
ササギが言い終える前に、ガーはもう一度足を振り抜いた。
ミシッ!と嫌な音が響く。
「がぁっ!」
ガーの蹴りが直撃し、ササギのもう片方の腕も折れる。
ササギは激痛に耐えきれず、その場に転がった。
「う、腕がぁ! 私の腕がぁ!」
「ん……?」
ササギが地面を転がりながら苦しんでいると、ガーは自分の腕に違和感を覚えた。
「激痛が消えた……?あいつが異能を解除したのか?」
「くっ……!はぁ、はぁ……!」
「痛みのあまりに異能を解除したか。まあ、これでもうお前が不利なのは変わらないな」
ガーは地面に落ちた両手斧を拾い上げると、ササギに近づいた。
そして――。
ササギの頭部を両手斧で叩き潰した。
「はぁ、はぁ……。なかなか強い異能使いだった。だが、俺はこの程度で……」
「そうだな。お前はこの程度でやられるような男じゃない。そんなことは理解している」
「っ!?」
背後から聞こえた声に反応し、ガーは振り向いた。
その瞬間――。
「がっ……!?」
腹部に凄まじい衝撃が走った。
ガーは振り向きざまに謎の男の拳を受け、そのまま壁に叩きつけられた。
「今のお前なら簡単にやれる。弱った奴をいたぶるのは、なんて楽しいんだ! ああ、最高だ!」
「お前……誰、だ……」
ガーは壁にもたれながら、なんとか意識を保ち、目の前の男を睨みつけた。
「おや? まだ意識を保っているのかい? それはよくないな。私の攻撃を受ければ、弱った奴なんて一撃で眠るはずなんだが」
「あいにく……そんな簡単に……寝てちゃ、いけないんでな……」




