ステイティア王
僕、ツブキはサランド達との話をギルドマスター室で終えた後、その日はミサキを家の近くまで護衛し、僕は自分の家に戻ってすぐに休んだ。
そして次の日、僕の家のドアが勢いよく叩かれた。
「ツブキ・ドゥン!ツブキ・ドゥンはいるか?」
誰だよ、こんな朝から。
僕は眠い目をこすりながらドアを開ける。
すると、そこには白い鎧を身に着けた白髪の男が立っていた。
「私は騎士団のホーリィ・ロンラだ。王がお前をお呼びだ」
「王が……僕を?」
いきなり王に呼ばれるなんて、一体何の用だ?
疑問に思いながらも、僕はとりあえず身だしなみを整え、ホーリィについていくことにした。
王都ステイティアの中央にある城、ステイティア城。
そこにステイティア王がいるらしい。
僕が城に入るのは初めてだ。
そもそも中央の王都ステイティアに来ること自体、これが初めてだった。
数時間かけてステイティア城に到着すると、そこにはホーリィと同じような騎士達が何人もいた。
そして、その騎士達はそれぞれ一人ずつ人を連れている。
「あのー。なんの集まりか聞いてないんですが……」
「それは王の口から聞くべきだと言いたいところだが、簡潔に説明しておこう」
ホーリィはそう言うと、僕の顔を見る。
「南ステイティアの勇者、ディアモを知っているな?」
そりゃー知ってますとも。
僕、そいつのパーティーから追放されましたし。
「やつは勇者としての称号を剥奪された。最近、やつが死んだという噂も聞いているだろう」
「はい」
「だが、これは奴が死ぬより前に決まっていたことだ。詳しいことは王から聞くのだな」
ホーリィはそれだけ言うと、城の中へと入っていった。
僕もその後を追い、王のいる場所へと案内される。
入り口で見かけた他の騎士達も、同じようにそれぞれの連れてきた人を王の間へ案内していた。
「ステイティア王。ホーリィ、その他ホーリー騎士団数名、候補者を連れて参りました」
ホーリィがそう言うと、王の間へと続く大きな扉が開かれた。
ホーリィや他の騎士達が中へ入っていき、僕達もその後についていく。
王の間に入ると、そこには長い銀髪と顎髭を生やした、普通体型の老人が威風堂々と王座に座っていた。
あれがステイティア王だよね?
「よく連れてきてくれた。我がホーリー騎士団よ。下がってよいぞ」
「はっ!ありがとうございます!」
ホーリィや他の騎士達はステイティア王に一礼すると、王の間から出ていった。
そして、この場には僕を含めた数人だけが残された。
「よくぞ集まってくれた。余が選別した勇者候補達よ」
勇者候補達?
え?僕、候補に選ばれたの?なんで?
僕が困惑していると、ステイティア王は話を続ける。
「貴様らは、余が他の信頼する者達や情報を駆使し、選抜した候補者達だ」
王は僕達を見渡す。
「君たちには、この城にある訓練場で戦ってもらう。そして、その勝者を勇者とする」
えー。
勝者が勇者って、それで決めていいのか?
僕がそんな疑問を抱いていると、ステイティア王はさらに続けた。
「余は前の勇者であるディアモの強さを確認せず、噂だけで勇者認定を出した」
ディアモの名前が出た瞬間、僕は少しだけ表情を曇らせる。
「だからこそ、今回はそれを避けねばならぬ」
ステイティア王は真剣な表情で僕達を見る。
「特別ゲストも用意した。まずは各々、自己紹介を頼む」
ステイティア王は、僕を含めた五人にそう告げた。




