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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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アマイ・フォン

 僕は、ギルドマスター室から出た後,冒険者ギルドの一階へ降り、受付へ向かう。

 ミサキとナグモが依頼を受けているのなら、受付の人に聞けば分かるはずだ。


「すいませーん」

「はーい。なんでしょうか?」


 声をかけると、金髪で肌が黒く焼けた、ギャルっぽい見た目の受付嬢が僕に声をかけてきた。

 なかなか個性的な受付嬢だな。


「ミサキとナグモは、何か依頼を受けていますか?」

「ほかの冒険者様の情報をお伝えするのはよくないことですので、どの依頼に向かっているのかなどはお伝えできません」


 ギャルっぽい見た目なのに、口調はかなり丁寧だ。


「じゃあ、依頼を受けているか、受けていないかだけ教えてもらえますか?」

「それなら大丈夫ですよ。お二人は依頼を受けていません」

「分かりました。ありがとうございます」

 僕は受付嬢に礼を言うと、ミサキとナグモを探すことにした。




 ――私はアマイ・フォン。


 冒険者ギルドの受付嬢をする傍ら、ギルドマスターが所属している組、タケイサ組の手伝いもしている。

 一応、ギルドマスターからは組員として扱われているけれど、私としては本職は情報屋と思ってる。

 そして、情報を集めるのに都合のいい受付嬢でもあると思っている。

 今日は受付嬢としては非番。タケイサ組のために情報を集めているところだ。

 私が集めた情報が、サランドさんの役に立てばいいんだけど……。

 私は買い物をするふりをしながら、街の中を歩き回っていた。

 そのとき、黒いローブを着た怪しい男が近づいてきた。


「見つけたぞ。お前がタケイサ組に、我々の情報を流しているんだな」


 男は私とすれ違いざまに、そう言った。

 私は男から距離を取ると、そのまま逃げるように人通りの少ない場所へ向かった。すると、男は私を追いかけてきた。


「あなたはサング組の人かしら?」


 私は振り返り、男に問いかける。


「私はあなたたちでいうところの、カタギというやつですよ」

「そうか。我は確かにサング組の男だ」


 男はそう言うと、黒いローブを脱いだ。

 現れたのは、髭が濃く、黒い長髪をした普通体型の男だった。


「我はブンドル。ブンドル・ランガ。今から貴様を始末する男の名だ」

「生憎ですけど、私は死ぬつもりはありません。まだ受付嬢の仕事を続けたいですから」


 私は護身用の武器である、剣よりも短い忍者刀を抜いた。


「ほう。我に歯向かうか。よかろう! ならば、ことごとく死ぬがいい!」


 ブンドルは私に向かって殴りかかってきた。私は忍者刀で攻撃を受け止めようとする。


「うっ!」


 ブンドルの拳を受け止めた瞬間、凄まじい衝撃が腕に伝わってきた。

 私は攻撃を受け止めきれず、そのまま後方へ弾き飛ばされる。


「我の異能は、一瞬にして力を放つ異能だ」


 ブンドルは拳を握り直しながら、私を見下ろす。


「我が普通体型だからといって、なめてかかると死ぬぞ、貴様」

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