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『龍霊雨器 創作裏話+SS集 ― 語られなかった物語と、その裏側 ―』  作者: 麻倉ロゼ
キャラクター編

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1/9

「玄曜という男」①

「龍霊雨器」本編では語りきれなかった設定や裏話に加えて、

各回の最後には、ここでしか読めない限定SSもあります。


*本編のネタバレ満載の内容になりますので

未読の方はお気をつけください。

龍霊雨器りゅうれいうき』の設定を語るなら、まずこの男を

外すわけにはいかない。

 

——そう、玄曜げんようである。

 

そんな訳で、第一回は玄曜の設定紹介です٩( 'ω' )و


《玄曜》

18歳。身長174cm。

後宮内で文官として働いている青年。

文官としては最高位の地位にいる。


煌めく天青色の瞳。

くせっ毛な黒髪だが、光に当たると紫水晶のように輝く。

毛先に向かうほど紫色が濃い。


髪の長さは肩につくぐらい。

いつも朱色の紐の髪飾りでひとまとめに縛っている。


外面(文官モード)では爽やかな青年。

人当たりもよく、仕事もできる。

後宮内人気No.1。その人気は凄まじく、後宮内の

女子は大体玄曜の話をしているほど。

人気もあるが、恨んだり、妬んだりする人間も多い。

非常に頭の回転が早く、口で適うものはいない。


素は傍若無人。理不尽な俺様。

しかも口もだいぶ悪い。どこまで喋り方を悪くするかで

作者をいつも悩ませている。

素の口調になるのは流星、慎言、倉庫や配下の龍霊雨器達の前ぐらい。

あと、取り繕う必要のないやつ(天命コンビとか)の前でも素になる。


だいたい離れでは定位置の椅子にふんぞり返って

胡桃を食べている事が多い。


好物は海老と胡桃。

嫌いなモノは豆類。

形が残っている豆は絶対に食べない。

豆が嫌いな理由は今後出てくるはず。


ビジュアル良し。

訳ありな過去持ち。

さらに龍の神の加護を受け、次期皇帝候補。

生まれながらにして龍の神の魂を宿す。

人より遥か天上の存在、龍霊雨器が唯一

逆らえない存在。天命に縛られた人間。


もーー設定増し増しですね!

女子受け最強(当社比)設定てんこ盛りな男です。

間違いなく龍霊雨器で断トツの人気だと思う。


玄曜は最初は「無愛想で、影のある

ぶっきらぼうなキャラ」として生まれました。

次期皇帝候補、二面性設定は元々あったけど。

こんなに口の悪い俺様キャラではなかったんです。


元々『龍霊雨器』初期は、シリアス方向に話を作っていました。

そのため玄曜は、もっと宿命を背負った

暗めなキャラとして生まれました。


話を考えていく過程で色々悩みまして……。

話をドタバタコメディに全振りするために、玄曜も

キャラ変をしてもらった訳です。

存分に好き放題に、読者に気に入ってもらえるキャラへ変えよう、と。


その結果、宿命を背負う暗めなキャラから……

なんとも傍若無人な面倒くさ……

いや、俺様キャラになってしまったなぁ〜と、

作者を困らせています。


玄曜の名前や天青色の瞳にも、沢山意味や作者の想いが込められているのですが……。

それはまた別の回で説明します。


 



玄曜SS「気づく前」


後宮内の長い回廊を、一人の青年が歩いていた。


文官最高位の証――漆黒の衣を翻し、

なびく黒髪は陽光を浴びて、紫水晶のように輝く。


凛とした自信に満ちた表情。

煌めく天青色の瞳。

その圧倒的な存在感に、すれ違う者は思わず足を止め、

感嘆の声を漏らす。


青年――玄曜は、迷いなく回廊を進む。


ただ一つの目的だけを見据えて。



「――おい、流星」


「ふあ? 玄曜?」


回廊の欄干に腰かけ、呑気に菓子を頬張っていた流星が顔を上げる。


「お前、今……誰と話していた」


周囲に人がいないのをいいことに、完全に素の口調だった。

凛とした仮面は消え失せ、あからさまに不機嫌な顔をしている。


「誰って、知り合いだけど?」


「……なんで、菓子を渡した」


「え? この前、荷物運ぶの手伝ってもらったからさ」

流星は、こともなげに言う。


「お礼に、ゴマの焼き菓子作ったんだー!」

そう言って、最後の一つを口に放り込んだ。


「お前……オレ以外の男に……」


手作りの菓子を――。


胸の奥に渦巻く感情に、玄曜は苛立ちを覚える。


だが当の本人は、そんなことなど露ほども気づいていない。


「オレの菓子、他の仕事仲間にも人気なんだぜ?」

得意げに笑う流星。


――他の、仕事仲間にも。


イラァァァ……。


玄曜は目を閉じ、どうにか感情を押し殺そうとする。


その様子を、流星はじっと見つめて――


「玄曜、もしかして……菓子、食べたかったのか?」


とんでもなく的外れなことを言った。


「は?」


「それなら早く言えよ」

流星はぱっと立ち上がり、玄曜の袖を引く。


「今から作ってやるから。行こ!」


無邪気な笑顔。


その一瞬で、玄曜の思考は止まる。


袖を引かれるまま、


心を惹かれたまま、


(なんなんだ)


(どうして、こんなにも)


(コイツだけ――)


気づけばただ一人、流星だけを見つめていた。

※作者より


お読みいただき、ありがとうございました。

『龍霊雨器』裏話+SSは、5/25〜6/2まで毎日20:30頃更新。

その後は不定期更新となります。

続きを読みたいと思っていただけましたら、ブックマークで追っていただけると嬉しいです。

もし物語を楽しんでいただけましたら、評価で応援いただけると励みになります。

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