るいそう顕著(すごいやせてる)
いや待て、魔王様は、よく見たら担がれていない。
マントで隠れているが、魔王様の背中とファンの手のところが
溶接されているというかなんというか
つながっている。すごく怖い。
「レストア」
魔王様が唱えると、作りかけの唐揚げとタヌーサさんが吐き出したもと唐揚げが消失し
箱詰めのなにかが出現した。
タヌーサさんは
「魔王様、お疲れ様です!失礼します!」
と、元気にあいさつして、その箱を開けた。
なんとなく箱のデザインから予想はしていたが、やっぱり入っていたのはフライドチキンだった。
「ほっほっほ……召し上がれ……。」
魔王様はウィーンみたいな音を立てて首と口を動かした。
俺はもうほんとにギャアー怖いよおー、みなちゃーん!と、心の中で言うよりほかなかった
なにがやってよくて、なにがまずいのか、何も判断できなくて、動けなかった。
「ふぉあああああああふぉいしいいいいい!」
タヌーサさんは全身の毛を逆立てながらぴょんぴょんとジャンプした。
「魔王様、ちょっと難しかったので、もうちょっと詳しく聞かせていただけますか?」
職場の経験が生きた。
魔王様は口からレシートのようなものを吐いた。
ヴェー…キコー…(ひっこめへたくそ!)
ヴェー…キコー…(わしの嫁かてもっと打つわい!)
おいっ……しいいいい!
ああ、うるせえな。
渡された魔王様の仕様書はレシートの太さではなくふつうの書類の大きさだった。
「仕様書を発行しました。」と、魔王様が渡してきた書類には
『調停と修正を行いました。
理由:可能な調停と修正を行いました。魔王カースネルガル・アーカイブ』
と、あった。
書類から目を上げると、魔王はもういなかった。
「えーっどうしよいっぱいある!
も、も、もいっこ食べていいですかね?」
タヌーサさんは大興奮でフライドチキンの骨をしゃぶっていた。
「いいんじゃない……かな……?」
そこに、ズルッ、ズルッ、ハア、ハア、と、るいそう顕著、BMI18以下?の、50代男性が走り寄ってきた
「たぬうさ様ァァァ!ご無事でえええ!」
「ヒャアア見つかった!まだ2個しか食べてないです独り占めしないです!」
「アッ!アッ!アッ!?」
「あ、長老、こちら、私が召喚した、毒ニワトリ特攻の勇者様です。」
長老さん、ですね。私は中島将也です。理学療法士です。よろしくお願いします。
「よろすぐおねげすます。」
もっと訛ってるッ!
「俺ァ一応、こごの村長みでなこどやらすてもらっでます
そったな柄ではねんですけっちょ、みんな死んっちゃったもんで
しゃあねくて、や、村長なんて、そんな」
「長老、毒ニワトリがカラーゲで魔王様で召し上がれって!すっごいおいっしい!すっごいですこれ!」
「んだな魔王様来てだっけかな、紙でだか?紙」
紙は出ていた。
俺は村長の家に招待された。




