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放課後、エスノメンドロジー

「お姉ちゃん、あの人は危険だよ。絶対スーくんのこと狙ってるもん。2人っきりにさせたら何をするか……」

「そうね。明らかに涼夜を見る目は好意を抱く女の目だわ」

「だから今日は帰らせちゃダメ! というか、もうあの人と関わっちゃダメってスーくんに言おうよっ」


 ………。

 …………。

 

 

 迎えた放課後。帰りのホームを終え、靴箱へ。その際、柚子が待ってて、と言い、何やらこちらを見ていた女の子たちに話しかけに行っていた。

  

 それから校門を出て、並んで歩く。


「涼夜と2人で帰るのは久々だね」

「そうだな。乃寧と希華以外なら翔吾と帰ることが多いし。柚子はいつも他の子と帰ってるだろ? 確か……ファンの子?」

「そうだね。昨日もわたしのファンって言ってくれた子と途中まで帰ったよ」

 

 柚子はボーイッシュな容姿ゆえ、女子に密か……というか最近は僕たちと一緒に行動している時でさえ、後輩の女の子たちが話しかけてくるようになった。つまり、さらに人気者になっているということ。


「告白もされてるんだっけ?」

「そうだね。でも彼女たちの想いを毎回断るのも心苦しいよ。わたしの恋愛対象は男だし……そもそも……」

「?」

「ふふっ。なんでもないよ。とにかく、モテる身も大変ってこと。それを涼夜と翔吾は冷やかすけどさぁー」

「僕は全然冷やかしてないよ、どちらかのいうと翔吾だろ」

「ふーん、よく言うよ。わたしが女の子たちに話しかけられた時とか顔ニヤニヤさせてる癖に」


 なんか女の子が恥ずかしながら女の子に好きって伝える姿って……なんかずっと見てられるし、不思議な胸騒ぎしません? 百合にハマったのかな?


「次からは気をつけるよ、イケメン柚子さん」

「次からというか冷やかす翔吾を止めてほしいんだけど? というか、《《下呼び》》も随分慣れたね」

「まぁ一週間も呼び続ければ」


 前までは『美咲』と名字呼びだっだが、


『ねぇ、なんてわたしだけ未だに名字なんだい? 仲も深まってきたし、そろそろ名前呼びにでもしてほしいなー』


 彼女から下の名前で呼んで欲しいと頼まれたのだ。でも、翔吾は未だに名字呼びなんだよな、なんでだろ?


「で、話したいことがあるって言ったけど……どこでするの?」

「わたしの家にでも、と言いたいところだけど、それは乃寧さんと希華さんに悪いかな」

「あはは……まあねぇ」

 

 絶対次の日、部屋に閉じ込められて、白状するまで色々されそうだ……。


「……っ!」

「涼夜どうした?」

「……いや、なんでもない」


 なんか後ろから睨まれるような、視線を感じたけど、気のせいか……。


「じゃあ場所はあそこにしよう。わたしと涼夜が初めて会った場所」





「お姉ちゃんスーくん大丈夫かな。取られないかな……」

「落ち着きない希華。大丈夫か確認するために後をつけてるんでしょ」

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