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第十話 最強勇者組

「俺は勇者だ。貴様を倒し世界を救ってみせる!

 その為ならこの命惜しくはない!


 そして、俺にはその力がある!


 辛い修行も長い旅も今この瞬間のためにしてきた!



 勇者の、マサシ!


 騎士の、タケル!


 武闘家の、クドウ!


 魔法使いの、ルミナ!



 俺達『最強勇者組』の力を合わせれば目の前に敵はいない!


 戦いにおいて俺たちに敵う魔物などいない!


 魔王よ、命が惜しければ降伏するのだ!


 さもなくば、この聖剣キヨタカの錆にしてくれよう!


 どうだ怖いだろう!さあ、大人しく降伏しろ!


 世界を平和にして、街の皆を幸せにするんだ!


 俺達は、その為にここまでやってきた!



 まず、俺こと勇者のマサシ!剣の腕もそうだが魔法だって使える!回復魔法だってな!神の加護を与えられた俺は勇者で!最強!




 次に、騎士のタケル!タケルは攻撃力より守備力だ!どんな攻撃も受け付けない!最強勇者組の盾役だ!タケルは騎士で!最強!




 更に、武闘家のクドウ!クドウは速い!右に出る者がいない!その拳は岩をも簡単に砕く!クドウと戦って気付いたら空を眺めていたという話、聞いたことがあるだろう!クドウは武闘家で!最強!




 そして、魔法使いのルミナ!最強勇者組の紅一点!彼女の魔法は人智を超える!俺でもよくわからない!ルミナは魔法使いで!最強!



 怖いだろう!魔王よ!


 恐ろしいだろう!今すぐ逃げ出したいだろう!


 だが、貴様を倒さねば世界は救わない!


 貴様にはここで倒れてもらう!!」





 実に癖のある勇者が来てしまったものだ。


 まず、説明が長い。中途半端な解説をダラダラと聞かされている気分だ。しかも、後半適当になってなかったか?なにより我の決め台詞を言うタイミングを削がれてしまった。


 そして、声がでかすぎる。なんでも大声で喋れば良いって訳ではないだろう。全力で叫んでいたのか、肩で呼吸しているではないか。


 第一に戦いを始める前に戦力を相手に伝えるのはどうかと思うのだが……。




 最強勇者組とやらは武器を構え、こちらの様子を伺っている。


 勇者の無駄に煩く長い説明は終わりを告げ、ようやく戦いの幕が切って落とされるのであった。

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