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10  盗賊多し 盗賊達の自白逃走

シルビアがルーファス達を追いかけていると、先で彼らも盗賊に囲まれていた。

5人以上が近くを囲み、さらに10人ほどがその周りを囲んでいる。


カバンから顔を出して瑠璃猫が鳴いた。

「ニャーニャニャーン!」

(大変!早く行って!加勢してあげて!)

しかし、シルビアは無言で馬を森に入らせ、姿を隠した。

「ンニャ?」

(なんで???)


「くそ!盗賊多いな。それだけこの国は荒れているのか!」

戦いながら言うルーファス。


「金目のモンを出しな!」

「馬を寄越せ!」

余裕と見た盗賊らは勝った気でいる。

「馬は傷つけるなよ!」

盗賊の頭らしき男。


ルーファスが戦うが、軽くいなされている。

怖がるジンがルーファスの邪魔になっている。

ルーファスにしがみつくジン。


『馬鹿者!片手でいいから、その男から手を離すのだ!俺様が戦う!』聖剣。

パニックのジンは聖剣の声がしても、ルーファスにしがみつくばかり。馬の高さ、盗賊に囲まれている恐怖。


シルビアのカバンから瑠璃猫が飛び出した。

「んにゃー!」

(やめて!)


ルーファスが矢で射られて落馬。ジンも一緒に落馬した。

ジンの手が空いて、聖剣がジンの手に収まった。

しかし、盗賊の数は多く、ルーファスとジンは今にも殺されそうだ。

盗賊が立ち上がろうとしたルーファスの後ろから斬り掛かった。

立ち上がり聖剣を構えたジンに、多数の矢が射掛けられた。


「ニャーン!ニャニャニャーン!」

(やめてー!殺さないでー!)

今にも殺されそうな二人を見て、瑠璃猫が必死に願うように叫んだ。

その瞬間、まばゆい光が盗賊とジン達のいる一帯を覆った。


ルーファスを斬ろうとした盗賊がピタリと止まった。

矢を射ろうとした者たちも、驚いた顔で石のように固まっている。

そして、盗賊らはブルブル震えだした。目からはボロボロと涙がこぼれ落ち始めた。


「俺は、俺達は、なんて酷いことを、、、!」

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

「許されないことをした!俺は悪党だー!」


盗賊達は武器を地面に投げ落とした。

口々に謝罪の言葉を叫び、号泣しながら、馬を走らせて逃走していった。


「ごめんなさいいいい!」

「俺は人殺しだあああ!」

「俺を捕まえてくれれれ!」

「申し訳ありませんでしたあああ!」


土煙と懺悔の声が遠のいていく。


「、、、なんだ、あれは?何が起こったんだ?」ルーファス。


ジンもポカンと逃走した盗賊らを見送っていた。


瑠璃猫がジンに飛びついた。

「おわっと!、、ルリ!来たのか?えっと、シルビアさんは?」


「にゅ~んにゅ~ん、ニャ!」

(うわーん。怖かったよー、良かった、生きてる!)


瑠璃猫がジンの身体に肉球を当てて、祈った。

「ニャー、ニャー、ニャーン!」

(痛いの痛いの、飛んでいけ!)


ルーファスにも同じように肉球を当て、祈る。


「ルリ、ありがとうな。心配かけた。落馬して痛めたが、身体が楽になったぞ」

瑠璃猫を抱き上げ撫でるルーファス。


「ルリ、こっちにおいで。ルーファス様、ルリは私の猫ですから」ジン。


「ははは。ヤキモチかな?」ルーファス。


シルビアが馬で駆けてきた。

「やっと追いつきました。、、何かありましたか?」

見なかったふりのシルビア。

瑠璃はシルビアに不信感が増した。


「ああ、盗賊に囲まれたが、事なきを得た」

にこやかに言うルーファス。


「あら、ルリ。いなくなったと思ったら。やっぱりジン様が良いのかしらね」シルビア。


合流した一堂は再び街道を走り出した。



この街道の近くの街。

街の警備隊の前で、信じられない光景が繰り広げられていた。


泣きながら叫ぶ屈強な男達が警備隊に詰め寄っていた。


「頼みます!俺を捕まえてください!」

「俺は最低最悪の悪党です!人を襲い、殺しましたあああ!」

「数日前の商隊の隊列を襲ったのは俺達です!たくさん殺しました!!」

「罪人の俺を、処刑して下さい!」

「俺を早く、牢屋へ入れろおおお!」

「商隊を襲って手に入れた金品だ!証拠品だ!さあ、俺を捕まえてくれえ!」


先程ルーファスとジンを襲った盗賊達が、自主的に自首して罪を大告白していた。


「な、なんなんだ!」

困惑顔の警備兵。

見ていた街人も驚いている。


「あ、おい!こいつ指名手配の盗賊だぞ!」警備隊長。

「なに?!、、そうだ、コイツも極悪犯だ!」

「、、、、とにかく希望通り牢屋へ入れておこう」

「そーだな、、、」


街の牢屋は満員になった。

牢屋の中でも、盗賊らは号泣し、自らの数年、数十年に渡る罪を告白し続けた。

記録係が夜更けまで働かねばならなかった。



合流した瑠璃猫は、聖剣に見た出来事を話していた。

「ニャーニャニャーン、ニャーンニャ!ニャーンニャーンニャーンニャ!」

(シルビアさん、聖女じゃないよ!野党を簡単に殺したの!いつもしてること、みたいに慣れてたよ。

それに、ジン達が盗賊に襲われてるのに助けなかったの!知らんぷりしたんだよ。おかしいよ!)


『そうか。あの女は王家が仕込んだルーファスの監視で暗殺者か。

聖女でないのはわかっていたか』


「ニャンニャンニャ?」

(シルビアさんは聖女じゃないの?)


『そうだ。聖女はお前だ、ルリ』


「にゃ、にゃんにゃんにゃー!!」

(な、なんだってー!)


「ニャンニャンニャ!ニャンニャンニャンニャン」

(、、、って言うと思う?かつがれないわよ。そんなわけないじゃん。)

『、、、、、』聖剣。


「ンニャー、ニャンニャー」

(そうなんだ。シルビアさん、ルーファスさんを監視してるのか、、、)


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