ブロローグ
憲法で戦争を禁じ民主国家として世界で一番平和な国を目指していると騙されていたのはは2030年までだった・・・
2025年、当時の阿武内閣が不況で苦しんでいる日本を救うためと税金をあげ国を豊かにすると言った。当然騙されやすい日本国民の皆様はそれで少しでも良くなるならとか言って、特に反対もせず従った。
しかし結果は、税金をあげたことで消費者がお金を出さなくなり中小企業が壊滅し大手企業もダメージは受けたものの国が救済政策として資金援助、これによって所得の格差が生まれた。
3年後には大手企業の関連会社しか残らず、本社に勤める人の家族を[大名]、一次2次受けまでの子会社は[小大名]、それ以下を[平民]と言うようになった。
自己紹介が遅れたがおれの名前は古俣秀康、今年で19歳の大学1年生。家は残念な事に「平民」で高校1年の妹と両親の4人家族だ。
朝7時、大学ライフが始まるのを半分嬉しく半分悲しく思いながら目が覚めた。なぜ半分悲しいのかと言うと、今日から行く大学が今年から出来た[阿羅武大学]通称[阿武大]で、みなさんお分かりの通り阿武総理が建てた大学なのです。母親の勧めで受けたら合格し、それを知った親父は悲しそうな目でおれを見てた。父は車好きで車のディーラーをやっていたのだが阿武政策で閉店に追いやられ、今は知り合いのツテで車の部品工場に勤めてる。
そうなんです
親父は心の底から阿武総理を憎んでいるんです
じゃあなぜそんな大学を母親が進めたかと言うと、彼女が究極のリアリストだからです。
こんな世の中にした阿武総理は憎いけど、この大学に入ればいいコネが見つかっていい会社に入り「小
大名」に格上げを狙ったんです。だって口癖が「世の中コネよ!」だもん
・・・・・・ふぅ
朝食を食べにリビングに行くのが少し嫌だな
親父が仕事行ってから食べようかなと考えていたその時
コンコン
「秀康。起きてるか?」
うわぁ、親父だ・・・
「う、うん」
「仕事行く前にちょっと話しねーか?入るぞ」
ガチャ
返事してないのに・・・・まぁ親父とまともに話すのも久々か
「話ってなに?」
「今日から大学だろ?まぁ阿武大は今でも反対なんだが、入ってしまったものはしょうがない。がんばって卒業しろよ。留年したらお前も工場で働かすからな。」
「う、うん。わかった」
「あとこれ。おめでとう、がんばれよ」
親父がぽいっと腕時計を投げた
「なにこれ?」
その時計は親父が今まで母親にバレずに貯めたへそくりで買ったものらしい。
「なめられたらだめだからな。やるわ」
感動しつつ親父はやんきーだったのか?と思いながら。
「ありがとう」
「おう」
親父は仕事へ行った
なんか親父と喧嘩してたわけではないけど仲直りをしたみたいで気持ちが楽になった。
ピピピピッ
携帯がなった
親父からのメールだ
「お母さんが小大名になれって言ったらしいけど、なるなら大名の上!天子になれ!」
うわぁ・・・
天子とは政治家だ。政治家になって世の中を変えろって事だ。夢は大きくって言うけどもうそれは妄想の域だ
メールの一文でそれを簡単に言ってくる親父が怖くなった
平民から大名になることさえ難しいのに、天子なんて・・・
これから親父の壮大な妄想と母親の現実的な妄想を抱えておれは大学に通う