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とある天才の残念なお話  作者: 黒鯨
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天草 裕貴の幼少期4

バスケ対決を承諾し、オレは今、公民体育館に移動している。もちろん1人でだ!


オレは、勝負を受ける条件を3つ提示するつもりでいた。

1つは、ギャラリーのいない場所での勝負。

2つ目は、勝負内容の決定権。

3つ目は、結果内容の他言無用。


しかし、驚く事に、あのイケメンくんは、全ての条件を自ら提示してきたのだった。


‥‥どうも引っ掛かる。匂う匂うぞ!話が上手く進み過ぎている。余程、自分の実力に自信があるのだろうか?いや!あの性格までも、イケメンな男に自惚れ何て事は、あり得ないだろう。

‥‥ってことは、答えは、明確だった。十中八九恋華が絡んでいる。本当に過保護な幼馴染だ‥‥


16時30分頃、オレは、先に公民体育館で約1年ぶりに、バスケットボールを触った。軽くドリブルをして、テキトーに1本スリーを打って準備完了だ。


18時頃になり、イケメンくんが現れた。


誠「待たせたね。アップは、済んでいるかい?」


オレ「オーライ!いつでも行けるぜ!」


誠「じゃあー!早速始めようか?」


オレ「その前に質問していいか?」


誠「かまわないよ。」


オレ「誰の為に、勝負するんだ?

そもそも仮にお前が勝って何のメリットがあ

る?」


誠 「自分の為だよ。

あと、凄い奴が居たら勝負してみたくなるだ

ろ?」


オレ 「そうか‥‥。

気が変わった。勝負内容は、お前がきめて

くれ。」


勝負を受けた時の正直なオレの気持ちは、1対1で際どい勝負に持ち込み、僅差で勝つつもりでいた。だが、気が変わった。と言うよも!コイツが恋華の、名前を出さない事に怒りを覚えた。先ほどまで、コイツは、素直で人に嘘や隠し事をしないタイプ‥‥いや!出来ないタイプだと思い込んでいた。しかし、堂々とシラを切りやがった。更に、自信満々でいやがる。生まれて初めてボコボコにしてやろうと思った。


勝負内容は、シンプルに攻守交代の5ポイント先取という事になった。スリーポイントは、禁止では無くワンポイント扱いというルールで了承した。


もしかしたら、勝負に対して恋華から何かしらの情報を聞いていているのかも知れないし、対策済みで自信があるのかもしれないが愚かな奴だ。

コイツは、オレに真剣に勝負しろ!と抜かしやがった。悪いが、今まで1度も恋華の前で自分の能力をフルに発揮した事など無い!そもそも、今まで絶対に負けられない戦いなんて経験した事がないのだ。そんな危機的状況に陥る前に、大抵の試合は、勝負が決まっていた。


オレ「じゃあー始めるか。オレの先行でいいの

か?」


誠 「構わないよ。宜しく!」


オレたち二人しか居ないので先行が相手にパスを出し、そのパスが返って来たら試合がスタートするルールになっている。


シュッ! パシッ! シュッ! パシッ!


イケメンからのリターンパスを受け取って勝負が始まった。


パスを受け取って1秒もしない間にオレがシュートモーションに入る。そして迷わず構わずシュートを放った!


シュッ! パサッ!


思わぬ速攻にイケメンくんは、面を食らっていた。


誠「そんな遠いところからいきなり打ってくると

は、驚いたよ!でも約束通りワンポイントで

構わないんだよね?」


オレ「あぁ。もちろん」


攻守が代わりオレがイケメンくんにパスをだす。


シュッ! パシッ! シュッ! パシッ!


イケメンくんがドリブルで攻めてくる。さすがに達者なドリブルでカットするのは、骨がおれそうだ‥‥

オレは、あえてぴったりくっつかずにある程度距離を置いてディフェンスをする。解りやすく言えばシュートを撃たせる様な動きだ。


シュッ! パサッ!


イケメンくんのシュートが決まり1対1の同点になった。


そして、このままお互いノーミスのまま3対3になって、オレの攻撃のターン。オレは、イケメンくんがぴったりくっついてシュートを打たせない様な動きをしてきたので、ゴールと反対方向にドリブルし、かなり遠い位置からシュートを放った。


シュッ! パサッ!


これで4対3である。そして、イケメンくんの攻撃、オレは、最初の守り方を貫き通し、あえてイケメンにシュートを撃たせる。


シュッ! ガシッ!


イケメンくんのシュートがリングに弾かれた。


勝負ありである。

しかし、イケメンくんは、全く落胆した様子がない。コイツは、次止めれば同点だとでも思っているのだろう。愚かな奴だ。

はっきり言おう!チートだ!とか思われるかも知れないが自分のシュートレンジで撃ったシュートは、相手に弾かれない限り外れない自信があるし外れた事が無い。これは、モチロン恋華も知らないし、元チームメイトも知らない事実である。


某バスケマンガでシュートなんて入れば何でもいいんだよ!と言っていたが正しくその通りである。極論!相手より多くシュートを撃ち、相手より多くゴールすれば負ける訳が無いのだ。つまり、この勝負を始めた時点で勝敗は、決まっていた。


シュッ! パサッ!


オレ「じゃあ!約束は、守れよ‥‥」


誠 「参ったよ!本当に凄い奴だ。

オレは、もちろん約束を守るよ‥‥!

君は、どうなんだい?」


オレ 「あ?」




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