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武闘大会 Aチーム予選


会場はまるでコロッセオのような開けた作りになっていた。そこに正方形の床があり、その外が砂になっている。客席と戦うところの間には魔法の障壁が張られてるようだ。



今、会場には百人以上の選手が今か今かと待ち続けている。どの人も自身たっぷりの顔だね…







「それではAチームの予選を始めようと思います」







きたきた!早く早く!審判が手を上げる、あれが振り降ろされたら始まる。







「はじめぇ!!」






よし!いくぞぉ!







「おい!チビ!ここはお前みたいなのが来るところじゃねーんだよ!!」







お?いきなり失礼なおっさんだな、こんな奴には強化魔法を使うまでもない!






思いっきり踏み込みおっさんの懐に入る、驚愕の顔を浮かべるがもう遅い!!






ドンッ!!






おっさんは吹き飛び、そして場外まで飛ばされ、障壁にぶつかり、沈黙した。







ウォオオオオ!!








客席が湧く、そりゃあそうだ身体の大きさが何倍もある相手を場外まで拳一つで吹き飛ばしたのだ。盛り上がらないわけがない。






私は勢いに任せて一人、二人、三人と同じ要領で吹き飛ばしていく。他の参加者が青ざめていくのがわかるが関係ない!






異変がおきたのは、あと十人程になったときだ、一人がほかの九人を私と同じように吹き飛ばしたのだ!









「あなた調子に乗りすぎ」










この金髪の綺麗なクールビューティ、見たところ私と同じように徒手空拳のようだ。だが今のはあまりに速い、何か魔法を使ったみたいだが…








「あなた名前は?」








名前を聞かれた、一応答えておくか…








「カムイ」








「そう、私はジュリア二つ名は«雷帝»よ」







二つ名がついてるということは…冒険者か!しかも雷帝ってめちゃくちゃビックネームじゃん!新聞で何回も名前見たよ!







「徒手空拳...お揃いね」






「そうですね」






「いくら強いと言っても、私の獲物まで取らないでよ」






謝らない、誰が誰を倒そうと勝手だ。







「まぁ、いいわ、この疼きは貴方に鎮めてもらうから!」







正直言うと凄く厄介だ、この人は恐らく私よりも...速い!!







「じゃあいくわよ!!」







雷を纏いながらジュリアが詰めてくる。まだ目で追える...!懐に入ってきたジュリアに蹴りを入れる、すると







「遅いわね」






なっ!?後ろ!?いつの間に!?私は咄嗟にガードする、しかし、これも読まれていた。







「あなた、単純だって言われない?」





「カ、カハァッ!」







ガードの隙間を縫うように貫手が突き刺さる、ヤバイ!息が出来ない!吐き気と息が出来ない苦しみで意識が飛びかける。思わずガードを下げてしまう。







「顔が上がったわね」







マズイ!ガードしなk





ドゴッ!!








ハイキックが直撃した、コンマ何秒か完全に意識が飛ぶ。








「あ...?え...?」








何が何だかわからない、このままじゃ負ける!そう思った私は全力で逃げた。








「逃げるなんて...正直期待はずれね…」









私は中央付近まで行くと、息を整え、目を閉じた。










全ての神経を耳に集中させる、会場の喧しい音が聞こえなくなる、そうだ、聞き分けろ…ジュリアの踏み込んだときの音を!










「これで最後よ」







タンっ




一回目



タンっ



二回目



ダンッ!!



三回目!!







「そこだぁあああ!!!」







ガシィッ!!






「な...!?」




「捕まえたぞ…ジュリア!!」







もう絶対に離さない、そして、右腕に全力で力を入れる。







「ぶっ倒れろぉおお!!」






腹に思いっきりボディブローを打つ、これが強化魔法を使わない、今の私が打てる全力の打撃だ!








ボコッ!!








「う、ぉ、ぁ」







ジュリアは前に倒れ込んで気絶した。やった!勝ったぞぉ!!








うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!









会場の大歓声を聞きながら私は尻餅をついた。





今回はヤバかったな、少しでも賭けが外れてたらボコボコにされてた。





とりあえず医務室に行きますか…





sideジュリア





「ん...?」




私は...?痛っ...!そうか…負けたんだ...でも何で私の腕を掴むことができたんだろう…あの子は...





「あ!目を覚ましましたね!」





うわぁ!びっくりした!






「いい勝負でしたね!」





「そうね...でも貴方に聞きたいことがあるの」






「何ですか?」






「何で私の腕を掴むことが出来たの?貴方に私の姿はみえてなかったわよね?」




「あぁ...その事ですか...」



カムイはそう言って苦笑する、何がおかしいのだろうか?



「実はほとんど賭けだったんです、ジュリアさんは速い、私は目で追うことが出来ないですから。

それで、最初の攻撃のとき、貴女の最初の踏み込みと方向を変えるための踏み込み、攻撃するための踏み込みの音を自分の中で音の大きさで分けたんです。

それで、攻撃するための踏み込みのときは一番音が強くなるはずなので、一番音が強いものを選ぶために、耳に全神経を集中させて音の聞き分けをしていました」





この子はあの状況でこんな賭けをしていたの...!?下手をすると私にタコ殴りされていたところよ…!





まぁ、結果的に私が負けてしまったのだから。何も文句は言えないわね...







「そうだ...ミリアには気をつけなさい…あの娘は狂ってしまっているから...何をしでかすかわからない」








「!?」







カムイは驚いているようだ、まぁ勇者の娘が狂ってしまっているなんてにわかには信じ難い話わよね…







「あの娘の強さは充分魔王を殺せるほどの強さだと思うわ…」







実際に魔王を見たことは無いがミリアの場合は強さの底が見えない。








「そっかぁ...遠いなぁミリアちゃんは...」







『ミリアちゃん』?知り合いなのだろうか、まぁ私が安易に立ち入ってしまっては駄目よね…








「まぁとにかく気をつけなさい…」




「はい、ありがとうございます」






気に食わないけど、私に勝ったんだから負けるんじゃないわよ。



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