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魔女騎士  作者: 比嘉呉瑠
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魔女騎士、永久に魔女と共に在る。


それから。






きっと、現れる。

魔女を絶対守る、ただ一人の為に在る魔女騎士。

そんな魔女騎士から…私、逃亡してます。


「エレ様ー」


自らの魔女騎士はトイレにも、寝床にもべったりくっついてくる。粘着なストーカー気質を持っているとは、クロード・シュトビネーも思わなかったであろう。

孤独な時間が多い者ほど、人の温もりを求めるらしいが…流石に御手洗いに着いて来られるのは無理です!

レイさんも、危険な香りを察知してか遠ざけようと協力してくれた。だが!それを!祖母は「ヤメレ」と、命令によってレイさんを縛ったのだ。


「…さて、どうしたものか」


国外逃亡するには危険過ぎる。安穏としたこの地に居るのが、魔女として一番楽な生活なのは解っている。

紅の瞳に自らを写し出され、誓言を聞いてしまったからには逃れる術も無い事も解っていた。


「…私の為だけに在る。唯一の絶対なる味方」


誓言は正式な魔女騎士の魔女に絶対を誓う言葉である。それは即ち、彼には自らを永久に守る覚悟があるという事で。

思い返すだけで赤面する言葉が、口から溢れていく。


「永久に守り、何時如何なる時も側にいて」


まるで、婚儀の誓いじゃないか。思い違えてしまいそうだ、と首を振った時。


「――貴女と永久に共に在る事を誓います」

「!!」


何で見つかったんだ?と思ってから、気付く。魔女騎士の超人能力には、超聴力もあったのだと。

驚きのあまり声が出ない私に向かって、ゲオルグ(ええいもう呼び捨てだ!)は穏やかに笑いながら、指を絡ませた。え。ちょ、何恋人繋ぎしてんですかあんた。


「私は永久に貴女の側におります。…逃がしはしませんよ」


痛くないが、振りほどけない手の拘束。紅の瞳は病んでる証デスネ、解ります。

――はい、捕まってしまいました。私はもう逃げられません。どうしてくれんだクロード・シュトビネー!



***



闇も深まるなか、ランプの侘しい光を頼りに書類を整理し終える。そして、彼――クロード・シュトビネーは溜め息を吐いた。否、吐くしかなかった。

目の前には、自らの護衛騎士であった者の――辞表。


「アイツが力の使い道を見つけられたのは幸いだが、…切り替えが早すぎるんじゃないか?」


人員を割いて、また、自らも赴いて魔女捜索に行ったが…。結果としては正解であったのであろうか?


「ゲオルグにとっては幸いでも、魔女には災難でしかないであろうな」


ククッ、と苦笑をしてからクロードは悪人のような笑みを浮かべる。


「俺から騎士を奪った罰だ。手放してくれるなよ、エレ・ヒルゼハイデン」





打ち切り漫画みたいな終了です。すみません、本当はゲオルグが魔女騎士になってからの話から、色々展開は考えていましたが…。

予定していたのは王都編、魔女革命編…てな感じです。概要としましては、王都編では魔女!見たい!と王子殿下が騒ぎ、祖母に話が来ますが…それをエレにパスされて、ゲオルグと共に王都へ。そこで差別を受けたり、継承争いに巻き込まれたり、クロードと再会したり…とか。

恋愛展開としましては、クロードがエレの王子様の予定でした。ゲオルグと火花を散らしながらも、俺様包容力で魔女差別をはね除ける。面倒臭がりなので、自らをリードしてくれつつも意思を尊重してくれる彼に惹かれていく、予定でした。…この時点ではヒーローはゲオルグとしか思えませんね。

ついでに、祖母の魔女騎士が何故2代目か、理由は…。祖母の魔女騎士が他女性に恋情を抱き、ずっと側にいられなくなった為。レイナ・ワルターはそんな先代魔女騎士の娘!な訳もなく、孤児の出です。


ここまで読んで下さった皆様に多大なる感謝を込めて。

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