第一節「成人」と「出逢い」
ハローエブリワン!
今回が初めての小説。
自分的にはいい作品を作れてる…と思いますがどうでしょう。一人称きするか三人称視点で進めるか迷いました…
ラノベと一般小説の中間的な文章で書いていきます!
毎週火水金日の四日の21時に更新しようと思います!
創世歴ゲネーゼ記六七〇年
王都アウレリアは朝から祭り騒ぎだった。
広場では楽団が演奏を続け、露店には人が溢れている。通りには色鮮やかな旗が掲げられ、酒場からは昼間だというのに酔っ払い達の笑い声が聞こえてきた。
今日が何の日なのか。
王都の住民なら誰でも知っている。
ペンドラゴン王国第一王女、ルーナ・ペンドラゴンの成人の日だ。
十八歳。
王国では正式に大人として認められる年齢だった。
もっとも。
その主役は祝賀会場の窓際で死んだ魚みたいな目をしていた。
「帰りたい……」
小さく漏れた本音に、隣の侍女が苦笑する。
「まだ始まったばかりですよ」
「嘘つかないで?」
ルーナは天井を見上げた。
「絶対三時間は経ってる」
「一時間半です」
「倍だったか…」
「倍でしたね」
侍女は慣れた様子だった。
昔からルーナはこうである。
じっとしているのが苦手。
形式ばった場も苦手。
王女らしく振る舞えと言われれば言われるほど逃げ出したくなる。
そのくせ勉強や政務は嫌いじゃないのだからよく分からない。
「退屈そうだな」
聞き慣れた声だった。
振り返ると国王が立っている。
ルーナは即座に頷いた。
「うん!」
「即答、かぁ……」
「だって退屈だし?」
国王は呆れたように笑った。
「お前の成人式なんだぞ?」
「だから?」
「だからって……」
「十八になっただけじゃん」
「その十八になるまで育てたのは誰だと思ってる」
「父上!」
「そうだ」
「ありがとねっ」
「軽いな…」
国王は肩を落とした。
周囲の貴族達がクスクスと笑う。
王女と国王のこんなやり取りは珍しくない。
ルーナは窓の外を見た。
街の方が楽しそうだった。
本当に、心の底から。
「ねぇねぇ父上」
「なんだ」
「もう抜けていい?」
「ダメに決まっているだろう」
「なんで?」
「主役だからだ」
「そういう日だから?」
「そういう日だからだ」
ルーナと国王は同時にため息を吐いた。
親子だった。
数分後。
ルーナは城の廊下を全力で走っていた。
「ルーナ様ーーー!!」
後ろから侍女達の声が聞こえる。
「止まってください!!」
「嫌だー!!」
ルーナは振り返らず叫ぶ。
そしてそのまま階段を駆け下りた。
角を曲がり、また曲がり、さらに曲がる。
気付けば知らない廊下だった。
「……あれ?」
立ち止まって辺りを見渡す。
「…どこだっけ?ここ」
数秒考えるが、わからない。
「ま、いっか」
十分後、城をうろちょろしてなんとか城を脱出したルーナは王都の大通りを歩いていた。
やはり外は良い。
商人の声。
人々の笑い声。
パンの焼ける匂い。
城よりずっと生きている感じがする。
露店で果実水を買い、一口飲む。
美味い。
もう一口飲もうとして人にぶつかった。
果実水が服にこぼれる。
「さいっあく……」
「ご、ごめんなさい!」
慌てる少女に謝られ、ルーナは首を振った。
「いいよ。私も見てなかったし」
服を見下ろす。
白い服に紫色の染み。
「……うわぁ」
少し凹んだ。
ゆっくりと歩みを進めていると喧騒な声が聞こえる。
ルーナはそっちに歩み始め、一人の少年を見つめる。
「……?」
その時だった。
少年がパッと顔を上げる。
二人の目が合った。
少年は警戒するように睨む。
ルーナは笑った。
「強いなぁ…」
間違いなく強い。
この少年がやったのだろう。拳に血がついている。
だが、やはり見えていない。
「なるほどねぇ」
ルーナは倒れている兵士達へ視線を向ける。
「まだ動ける人ー」
数人の兵士が顔を上げた。
王女の姿を見つけ、慌てて立ち上がろうとする。
「敬礼とかいいから」
ルーナはひらひらと手を振った。
そして少年を指差す。
「五人ずつ。左右から挟んで」
兵士達は顔を見合わせた。
たったそれだけか。
そう言いたげだった。
「はーやーく」
その一言で兵士達は動いた。
少年も気付く。
左右へ散る兵士達を見て、舌打ちした。
そして正面の兵士へ突っ込む。
速い。
一瞬で一人を殴り飛ばす。
二人目も蹴り倒す。
三人目へ拳を振り上げる。
だが、その時にはもう遅かった。
横から兵士が飛びかかる。
「っ!」
少年は振り払う。
だが反対側からも兵士が来る。
さらに後ろ。
前。
横。
四方から手が伸びた。
少年は必死に暴れる。
何人も吹き飛ばした。
それでも包囲は崩れない。
やがて地面へ押し倒される。
「離せ!!」
少年が吠えた。
兵士達は必死に押さえつけている。
それを見下ろしながら、ルーナは小さく頷いた。
「やっぱり」
少年が睨む。
「何がだよ」
「君さ」
ルーナはしゃがみ込んだ。
「一人しか見えてないでしょ」
「……は?」
「目の前の敵しか見てない」
少年は黙る。
「だから負けたんだよ」
その言葉に反論しようとしたのかもしれない。
だが結局、何も言わなかった。
図星だったからだ。
ルーナは立ち上がる。
そして少し考える。
本当に少しだけ。
「決めた」
「……何をだよ」
「君、私が貰う」
少年の顔が固まった。
「は?」
「城に来て」
「意味分かんねぇ!」
「だいじょーぶだいじょーぶ」
ルーナは笑う。
「私も半分くらいしか考えてないから」
「考えてから話せ!!」
周囲の兵士達まで呆れた顔になった。
だがルーナは気にしない。
面白い。
本当に面白い。
こんな二つの意味で泥塗れな原石は初めて見た。
ルーナは少年の腕を掴む。
「ほら行くよ」
「だからなんなんだよお前!」
ルーナは振り向き、下手なウインクをする。
「ルーナ・ペンドラゴン!」
「名前は聞いてねぇ!ってかウインクへった!」
「っち、はいはいよろしくー」
そう言って歩き出す。
少年は兵士達に押さえられたまま引きずられていった。
その姿を見ながら、ルーナは少しだけ笑った。
退屈な成人の日になると思っていた。
どうやら、少し違ったらしい。
さぁ、どうでしたでしょうか。
初めての自作小説。少し物足りなかったでしょうか。
少しでも興味を持ってくれた方がいたら感想をお聞きしたいです!!
では、次は日曜日にお会いしましょう!




