追憶:烈日が照らす未来
この龍は翼はあれど基本四つ足で立つタイプに龍です。
前話の修正は漢字ミスです。
俺の一撃を正面から受け止めた龍はその攻撃を気にもしていない様子だ。傷がついているようにも見えない。僅かにであれどダメージになっていたデュラハンとはまるで格が違う。
『スターライトレイ』
続けざまに光線を放ち、追撃する。またも正面から受け止めたことでわずかに傷がついたように見える。龍はこちらの攻撃で傷をつけられたことに怒るように力を溜め始める。
「雪!」
「ええ」
『オーロラ』
『プリズムシールド』
威力を弱めるオーロラと相手の攻撃を反射するプリズムシールドによりその龍より放たれたブレスを受け流す。瘴気とも言うべきブレスを防ぐのに相当な魔力を使うことになってしまった。
『アイシクルアロー』
雪が氷の矢を放ち牽制している間に死角から龍の懐に迫る。
『フラッシュ』
本来であれば目晦ましでしかないこの魔法も至近距離であればその光を攻撃に使うことが出来る。龍にとっては想定外に一撃だったようで、反応が遅れ、その前足は簡単に避けられる程緩慢だ。
『ペネトレイトシャイン』
少ししか魔力を溜められなかったが、その腕に大きな傷を負わせた。しかし、これは悪手だったのかもしれない。龍は荒れ狂い、翼で俺を吹き飛ばした。幸いなことに生きてはいるが、先程の戦いの傷もあり無事とは言えない。龍は雪の方に素早く尾を振り、雪を立て続けに吹き飛ばした。
「雪、大丈夫か!」
「何とか」
二人とも傷は深く、時間を稼げるのもあと少しといったところだ。そんなことを考えていた矢先、龍の口から先程よりも強力なブレスが放たれた。防ぐことすら出来ず、瘴気に包まれる。直接的な衝撃はあまり強くはなく、持ちこたえたが、気力を奪われるような感覚が残る。それでも諦める訳にはいかない。これは日本の危機とも言える事態だ。
「雪、死ぬ前に全ての魔力を使った一撃を放つ」
「分かったわ。私が少しでも時間を稼ぐ」
「頼んだぞ」
雪が前に出て陽動をする。その間に全ての魔力を集めた球体を作り出していく。徐々に大きくなっていく光の玉を警戒した龍がこちらに迫る。それでも魔力を注ぎ込むのを止めない。
『アブソリュートゼロ』
なぜなら、雪が全ての魔力を使ってでも龍を押さえつけてくれると信じているからそして、凍り付いた龍の上空に光の玉が舞い上がる。
『ザ・サン』
太陽のごとく光輝き、その光が龍を貫いた。その一撃はまるで未来を照らすようにあたり一帯を照らし、骨の龍は消え去った。
「未来を守れたならそれでいいさ」
「空と海の成長を見れないのは心残りですけどね」
日本を救った二人の英雄は全ての力を使い果たし、そっと息を引き取った。
過去編完結です。
この後、烈斗達が戻ってきて、彼らと雪の両親の供養をしました。また、その際に同行していた計さんが魔石を鑑定したことにより、この魔物の名前がスカルドラゴンであること、深層の魔物であるデュラハンと比べても桁違いの強さを持っていることが分かりました。実は陽と雪はSランクの探索者と比べても勝る程の最大出力を持っていたんです。普段から使うには負担が大きすぎるだけで。




