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柳流護身術は全てである

今日は2回目の道場。前回は、十分ほど会話しただけでこの道場で何をするのか教えてもらえなかった


(まさかこれからずっと禅問答みたいなことをするなんて事はないよな?)


「先生、今日もよろしくお願いします!」


「・・・・・・うむ」


(うむ、じゃねーよ。いい加減何をするか教えろ!)


「そう焦るな、毎回の稽古では前半に護身術、後半に教養を身につける」


(げっ! 何でバレてんだよ)


「なぜも何もお前さん自身で言っておったじゃろ。常態を捉えるとはこういうことじゃ・・・・・・動き1つでも分かる事は多い、それを理解するためには様々なことを修めておく必要がある。その為の教養じゃ」


「なるほど・・・・・・」


「なんじゃ返事が聞こえんの?」


「は、はい!」


「それに教養はパーティーで使う事もあるだろう」


「え? パーティーですか?」


「ん? なんじゃ聞いておらんのか? お前さんの家ともなるとパーティーに参加するか主催する必要があるじゃろ」


「初耳です」


「・・・・・・教えておらんということは何か理由があるのじゃろう、今のことは忘れろ」


「いや、無理があります」


「なんじゃと? 返事が聞k」


「はい! 分かりました!」


「うむ、早速始めるからこの道着に着替えて来い」


(この常に返事や挨拶を求められる感じ、前世の野球部員だった時を思い出すな・・・・・・あのジイさん最初は怖かったけど喋ったら案外ひょうきんな所もあって面白いな)


「先生! 着替えて来ました!」


「ワシの事は師匠と呼べ」


「はい! 師匠!」


「よろしい。では準備運動をしながら軽く柳流の護身術について説明しようかの。ほれ、柔軟からやるぞ」


「ぃ、い゛だだだだだだだ。無理です、師匠!ここから先は人間が伸ばしていい領域ではありません!」


「なんじゃ情けないのぉ。ではお前さんが次の質問に答えたら緩めてやろう。第一問、お前さんの目の前に危険が迫ってきた、まず何を考える?」


「逃げる事、逃げ道を探します」


「ほぅ、なかなかやるの」


「師匠! 緩まるどころか更にきつくなってます!」


「第二問、逃げれず捕まった時はどうする?」


「お、大声を出して助けを求めます・・・・・・あれ?」


「気づいたか? 命を狙われているならともかく、誘拐目的であれば護身術など使わなくとも身を守ることができる。ではなぜお前さんがここに預けられいるのか分かるか?」


「わ、分かりません」


「うむ、ワシも分からん」


(なんやねんこのジジイ)


「護身術を身を守るという意味で捉えると接触があった時点で負けじゃ。しかし、現実では敵が複数いたり武器を持っていたりするためどうしようもない場合もある。柳流護身術は身体のもっと奥、命を守ることを目的としておる。まずは危険を察知する能力、次に捕まった時に反射的に動く能力、最後に抵抗するための能力、これが柳流の基礎じゃ」


(それって、合気道と空手の型と柔道の受け身を全部やるってことじゃね? え、練習ハードすぎんか?)


「なんじゃ、へn」


「はい! 師匠!」


始める前とは逆に、やることの多さに不安を感じていた



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