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大人視点

「〜♪」


一蘭に付き添ってた間の分の仕事が全て終わり明日からまた定時上がりだと思って気分が上がっている、帰路で鼻歌を歌う程に

溜まった分の仕事を残業することはいつも定時であがる彼女にとって文字通りの地獄であった。仕事はできる女である、仕事は←


「〜♪ ただいま〜♪」


??????


「た、ただぃまぁ~?」


「お帰りなさいけやき、今ご飯温めますね」


????????


「あれ? 一蘭は?」


この時間帯ならかくらは寝ているだろうが、一蘭は待ってくれているはずだ。彼女は現実を受け止めきれていなかった


「その一蘭のことで相談があります」


(っ!? まさか!)


「一蘭がどうしたの? また意識を失った? 今どこにいるの? 一蘭が困ってるのにお母さんはどうして平気な顔をしてるの? 信じられないっ!」


「一蘭ならもう寝ましたよ。そんなに力を入れて掴まないで下さいな」


「いやっ! 一蘭は私を迎えてくれるはずなの! そうじゃなきゃおかしいでしょう? そうだきっと体調が悪いんだ! また病院に運ばなきゃ救急車救急車救急車救急車」


「こらっ! けやき最後まで人の話を聞きなさい」


「やめてよお母さん! 一蘭に何かあったらどうするの!? 早く寝るほど体調が悪いのに病院に運ばないなんて…信じられない! お母さんに子供達の世話なんて任せなければよかった」


バチン!


「・・・・・・えっ」


けやきにとって母は優しく強かった。けやきと同じ人工授精で子を持ったため、父親は知らなかったが両親の役割を1人で担うけやきは父親がいないことに何も不満はなかった。その強い母親が涙を流しながら自分を叩いた。はじめて見る母の涙に心臓が止まった気がした


ちとせにとってけやきは自慢の娘だった。自分の母は早くに亡くなって育児は休暇をとって自分でなんとかするしかなかった。右も左も分からない中必死に子育てをした。自分の間違いで我が子の人生を台無しにしたらどうしよう、と何度も不安に襲われた。しかし、けやきはまっすぐな子に育った


(少し、特に子供たちの事に関してはまっすぐ過ぎますけどね)


そんな自慢の娘から孫をを任せなければ良かったと聞いた時咄嗟に手がでて自然と涙を流していた。今まで溜め込んできた育児のの不安をつつかれたような気持ちになったからである


「・・・・・・ごめんなさい、完全な八つ当たりでしたね」


「私の方こそごめん。育児のことはお母さんの方がずっと詳しいのに、少し熱くなってた」


「それで一蘭のことなんですけど、最後まで聞いてくれますか?」


「はぃ」


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