↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自己愛性ハーレム勇者 〜元の世界が俺の価値を理解できなかっただけ!〜【R15版】  作者: シュキラ
ミナトの章~村の英雄~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/23

01.村娘ハーレム

 ――ぱちり、と暖炉の薪が爆ぜた。


 広い寝室は、冬の夜とは思えないほど暖かかった。

 獣脂ランプの柔らかな灯りが、寝台の上に寄り添う女たちの影を、壁いっぱいに揺らしている。薪の煙と、甘い香油の匂い。くすくすと交わされる内緒話と、楽しげな笑い声。

 村の女たちが十人近く、ひとつの寝台の上で、一人の青年を囲んでいた。


「ミナト様」


 青年――ミナトの胸に頬を寄せて、その名を呼んだのは、村長の娘サリヤだった。

 肩口で切りそろえた艶やかな栗色の髪。透き通るような白い肌は、暖炉の熱のせいか、それとも別の理由か、首筋までほんのりと桜色に染まっている。


 一年前に出会った頃はほっそりと華奢だったサリヤは、ミナトの子を産んでから、見違えるほど女らしい柔らかさを帯びていた。それでいて、ひまわりのような笑顔だけは、少しも変わらない。


「今夜こそ……二人目の赤ちゃん、サリヤにくださいね?」

「ああ。リオに、弟か妹を作ってやらないとな」


 リオ――初夏にサリヤが産んだ、ミナトにとって初めての我が子だ。

 すくすくと育った元気な男の子で、近頃は麦粥などの離乳食も口にするようになった。サリヤの身体も、すっかり元に戻っている。

 だからこそ今夜のサリヤは、いつにも増して一生懸命だった。


「……すき、です。ミナト様。だいすき」


 囁きとともに、唇が重なる。

 ミナトはサリヤの細い肩を抱き寄せ、その温もりを、まるごと腕の中に閉じ込めた。


「ふふ、勇者様……サリヤちゃんばっかり、ずるいですよ?」

「そうですよ! 私だって、ミナト様に口づけしたいのに……っ!」


 隣から、波打つ金髪の娘が拗ねたように身を乗り出してくる。

 背中には、豊満な若妻が甘えるようにもたれかかり、耳元でくすりと笑った。足元では、肩掛けを脱いだ娘たちが、頬を染めて互いにつつき合いながら、自分の番を今か今かと待っている。


 ――ランプの炎が、ふっと揺れた。

 その先のことは、揺らめく灯りと、軋む寝台だけが知っている。


 ***


「はぁ……ミナト様……」


 どれほど時が経っただろうか。

 汗に濡れた額をミナトの肩に預けたまま、サリヤが幸せそうに目を細めた。その両手は、愛おしむように、自分の下腹にそっと重ねられている。


「なんだか……お腹のなか、ぽかぽかします。これなら、きっと……」

「ふふっ……お疲れ様、サリヤちゃん。さて――次は私の番ですよね、勇者様?」

「その次は私ですからねー!」


 サリヤを抱き起こす間もなく、待ちきれない女たちが我先にとミナトへ殺到した。

 先陣を切ったのは、さっきの豊満な若妻だ。ミナトの首にするりと腕を絡め、上気した頬で、悪戯っぽく微笑む。


 苦笑するミナトの唇を、若妻の唇がふさいだ。

 周りの娘たちが、きゃあっと声を上げて笑う。


 誰かが満ち足りれば、すぐに別の誰かが手を伸ばしてくる。

 夜明けの気配すら忘れさせるような、甘く賑やかな夜が、途切れることなく続いていく。


 かつて『元の世界』で、誰からも感謝されず、過労死寸前まで使い潰されていたミナトにとって――ここはまさに、夢のような桃源郷だった。

 毎晩のように村の女たちが訪れ、朝まで肌を寄せ合って眠る。求められ、崇められ、愛される喜び。

 普通の人間なら数日で倒れてしまうような夜の連続だが、この肉体に宿る桁外れの体力は、どれだけ求められても尽きることがなかった。


(……そういえば、今日でちょうど……一年になるのか)


 幾重にも重なる女たちの温もりと、穏やかな寝息に包まれながら、ミナトの意識は――あの日、この世界に『落ちてきた』瞬間の、凄惨な光景へと遡っていった。


 ***

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。