其の九十六…『怪談小豆夜話:『金沢東山牡丹『闘』記『その一』』
今回は『小豆さん宅』で行われた『第二回怪談座談会』で話された『東山に夜出没する『化け物』』に関する話である。この話を最初に話してくれた『山岡さん』は話の途中で突然『沈黙』してしまい、その『次』に話し始めたのは『滝本』という『男子高校生』だった。しかも彼は『黒百合丘学園』の生徒らしい。
『……それでその『ひがし茶屋街』の『真夜中』に現れる『三人組の疫病神』ですけど、『俺』もそいつらに関して『変な話』が一つありますよ。あれは確か俺が『昼休み』に『ダチ』とたまたま『三人組』の話をしていた時だったと思いますが……』と『滝本君』
と、彼がそこから『過去の話』を語り始めたわけであるが、その時『ノナさん』やほかの『参加者』たちは話を聞くどころではなかったらしい。なぜなら『滝本君』の『背中』から『一本の手』が伸びていて、彼の『左肩』に『二の腕』を預けつつ、『胸のあたり』に『掌』を添えていたからだ。
『尼御前さん』などは『口をパクパク』させていたが、やっと『声』がでて、
『……あ、あの、『滝本君』…………だったよね? なんか『手』が……』
だが『滝本君』は『床』を焦点の定まらない目で凝視しながら、
『……ん? ああ、気にしなくていいっすよ。『山岡さん』と同じで『三人組』の話をすると『こうなる』ってだけです。『話すな』って『脅し』なのか、それとも『バカ』を『誘惑』してるのか知りませんが、こんなのいちいち気にしてたら『東山』には住めないっすよマジで』
『な、なんか『猛者』感あるね君……ていうか『東山』に住んでるの?』と『ノナさん』
『ええ、あのあたり結構『住宅』多いっしょ? 俺の家は『卯辰山』に通じる『坂道』の途中にあるっす。『お袋』があのあたりで『カフェ』開いてますよ』と『滝本君』
『あら~ちょっと格好いいんじゃない? うふふ』と『小豆さん』
『そ、そうでしょうか……』と『尼御前さん』
なので『手』が少しづつ持ち上がって『滝本君』の『首元』に伸びていっても、彼は気にせず『話』をつづけたのだそうだ。
「その『滝本君』って『才能』あるんじゃない? うちの学校なら会いたいな~、何年何組なの??」と『ユズハさん』
これは『第二回怪談座談会』の『数か月前』のことだそうだが、もともと『東山』に『家』があった『滝本君』は『数年前』のころから『両親と祖父母』から『怖い顔』であることを『命令』されていたそうだ。
『いいか! 絶対に『夜10時以降』は外に出ちゃいけないし、『窓』から『外』を見るのもダメだ! 『何があって』も絶対に『朝』まで『外』をみてはいけないぞ!!』と『大人たち』
『滝本君』には『中学三年生の妹』と『小学六年生の弟』がおり、『末っ子』は『悪戯好き』で『ダメ』と言われると絶対に『やる』困った性格だったらしい。だが『両親』は事前に『弟』が『泣く』まで執拗に『しつけ』をしたため、『弟』も怖がって絶対に『夜』に『窓』の外を見ることはしなかったそうだ。
『……正直『両親』は普段『弟』を滅茶苦茶『甘やかしてた』から『異常だ』って思ってね……それで『従兄弟』に話を聞いたんすよ。『従兄』も近くに住んでてよく『ゲーム』として遊んでるから、何か知ってないかと思いましてね……』と『滝本君』
その『従兄』は『20代前半の会社員』だそうだが、彼は『事情』を知っていたのですんなり教えてくれたそうだ。
『最初に言っとくけど『変な興味』だすなよ? 最近『このあたり』で『でる』らしいんだよ。『見る』だけで『病気』になるっていう『やばい化け物』がさ……(中略)……その『男女』は『恋人』同士らしくて……『ゴァバ』』と『従兄』
『はぁ? まじで言って……って、ちょっと!? どうしたんだよ!!』と『滝本君』
『化け物』の話をしてくれた『従兄さん』さん途中までは普通に話してくれていたのに、『三人組は何者なのか』の話を始めるといきなり『滝本君』の目の前で『口がスイカ二個分入りそうな大きさまで開き』、そのまま『倒れて』してしまったそうだ。
『く、口が『スイカ二個分』入るくらい広がった?? それって『顎』とれてるんじゃない??』と『ノナさん』
『取れてたと思う。俺は正直『皮一枚』でつながってるようにしか見えなかったし(『手』が首にかかっている)』と『滝本君』
(ちょ……なんで平然としてんの!?)
その後『従兄さん』は当然『入院』したので『滝本君』がすぐに『お見舞い』にいくと、その『病室』で『予想外の人物』であったらしい。誰であろう、『氷室麗華さん』である。
『……え? な、なんで『ひむろん』がここに……?? 知り合いだったのか??』と『滝本君』
『……(従兄に向かって)『話してはいけない』と言ったはずよ。でも『いま』はもう大丈夫だわ。ゆっくり休んで治療して。『討伐隊』に参加したくないのならそれでもかまわないわよ』と『氷室さん』
『……(筆談で『また参加します』と書いた)』と『従兄』
『…………そう(溜息後退出)』
『あ、ちょっと! 待ってよ『ひむろん』!! 何が起こったか説明してよ!!』と『滝本君』
彼は『病院』を後にしようとする『氷室さん』を捕まえて『従兄さん』に起った出来事を知りたがったが、『氷室さん』は頑なに口をつぐんで何も教えてくれなかったらしい。
『知ってはいけないわ。『知る』だけで『奴ら』と『縁』ができてしまう。でも『知らない』なら『東山』に住んでいても問題はないわ……『見なければ』だけど』と『氷室さん』
『何の話!? もしかして『うちの親』が『夜は絶対に外を見るな』ってのと関係あるってこと??』と『滝本君』
『知らないのならそれでいい。知らないかぎりあなたは『無敵』だから……』
『もしかして『及川』が言ってる『超やばい化け物』の話か!?』
『其れとは無関係よ(断言)。でもこれ以上は言えないわね……知らない限りは……』
『じゃあ例の『合唱団』とは?』
『それも『無関係』……のはずよ(自信なし)。いえ、実を言うと『及川桜』が追いかけている『危険な怪異』も…………いえ、何でもないわ』
結局『何もわからない』ままだったそうだ。そして『当然の流れ』で『滝本君』は『ダメと言われたら余計に気になってしまう!』と思って『教室』で『友達』に『相談』を持ち掛けたらしい。
『なぁなぁ、なんか最近『東山』で『変なこと』が起こってるらしくってさ! なんか知らねーけど『夜10時以降』に『東山』の街を歩いたり、『家の中』から『外』を見るのもダメらしいんだ。マジで『何か』よくわかんねーから『俺ら』で『肝試し』してみね!?』と『滝本君』
『『『お~いいね~! それって『ガチの怪奇現象系』??』』』と『友人たち』
『ガチもガチ、だって目のまえで見たし! 俺に『化け物』の話をしてくれてた『従兄』が、こう、『口』を『ゴアァバ』って開いて……』
だが『滝本君』が『詳細』を話していると背後に『氷室さん』が現れて『口を塞いだ』らしい。
『…………むぐ!? むごごご!?(あれ!? ひむろん!?)』と『滝本君』
『…………『話してはいけない』と言ったはずよ(呆れ)。あなたも『従兄』と同じ目に遭いたいの?』と『氷室さん』
『むぐ、むぐぐ、むぐうぅうぐうぐw もぐもごもぐぐ……(い、いや、そんなわけないじゃんw でもちょっと気になっただけで……)』
『その『軽い気持ち』に『化け物』はつけいってくるのよ。絶対に話してはダメ、関わっても知ってもダメ、『何もなかった』ようにふるまいなさい。もう少しで『私たち』が『鎮める』から………』
(なんでひむろんは滝本の言ってることわかるんだろ……)と『友人たち』
『氷室さん』に何度も『念押し』されたので『滝本君』は渋々承諾すると、彼女は手を離して立ち去った。その『後ろ姿』を見送ってから『滝本君』が『ニヤリ』と笑って『友人たち』にふり返り、
『…………『口約束』を真に受けるのは『世間知らず』の証拠だぜ。それじゃあ『次の金曜日の夕方』に『川べりの公園』あるだろ? あそこに集合しようぜ!』と『滝本君』
だが『友人たち』の態度が『変』だった。皆がお互いに顔を見合わせてから不思議そうに、
『『『…………何の話だ??』』』と友人達。
『はぁ?? いやだから『東山』で何が起こってるか調べるために『夜』散策に行こうぜって話だよ! お前ら話聞いてなかったの!?』と『滝本君』
『『『……何の話だ??』』』
『だーかーら! 俺の『従兄』が入院した『原因』だよ! それを調べようって……』
『『…何の話だ??』』』
なぜだろう? さっきまで『それってガチの怪奇現象??w』とか『ノリノリ』で聞いていた『友人たち』が『滝本君』がどれだけ『東山』の話に戻そうとしても、あたかも『最初からそんな話聞いてない』とでも言いたげな顔しかしないのだ。なので『滝本君』は苛立つやら理解できないやらで、
『お前らなんなんだよ突然!? だから最近『東山』にでる『ば…』
だが『滝本君』もそこから先なぜか『声』がでなかった。どれだけ『化け物の話』と言おうとしても、まるで『舌が凍り付いた』ようになって『発音』できず、『唇』も『凝固』したような『感覚』になるのだ。必死に何度も『化け物』と発音しようとするのになぜか『できない』。でも『他の単語』は問題なく話せる。
『な、なんだ!? 『ひむろん』に口をふさがれてからなんか『変』じゃねーか!? なにかしたのか!? ……もしかしさっきの『ひむろん』は『偽物』とかじゃねーよな!? なんで『ば……(口が変な形で動かなくなる)……なんで言えねーんだ!? おいお前ら!? さっきの話覚えてねーのか!? ほら俺の『従兄』が倒れた『怪奇現象』の話だって……』と『滝本君』
『『『何の話だ??』』』と友人達。
『くそ!! わかったよ!! もうその話はしねーって! じゃあお前ら、俺がこの前『おすすめ』した『タイムレスプロジェクト』は見たかよ!?(全然違う話題を振る)』と『滝本君』
『もち見たぜ? なんか『ミュージカル映画』見てるみてーな気分になったぜw』と友人α。
『だからお前ら『野郎』のダンスなんて見てて何が面白いんだって! 『ハナ』をみろ『ハナ』を!』と友人β。
『すまんな、俺『北陸アイドル団』以外の『女アイドル』はみねー主義なんだ(ドヤ)』と友人Γ。
『くそおおおおおお!! お前らもまじで『何』なんだよおおおおお!!(地団駄)』と『滝本君』
こういうことがあったのでその日は『滝本君』は『諦め』て家に帰り、『夜』はちゃんと『言いつけ』を守って『大人しく』していたそうだ。だが『妹と弟』と久しぶりに『マリカー』で遊んでいたとき、『妹』が『滝本君』の口を指して変なことを言った。
『兄貴の口になんか入ってね??』と『妹』
『だから『兄貴』呼びはやめろと何度も……なんだよ『何か入ってる』って? 青のりか?』と『滝本君』
『アオノリー! アオノリー!!』と『弟』
『あーうるさい(チョップ)。いや、なんか『兄貴』が喋ってたら『白いひも』みたいなものが『口』の中に入ってるのが見えたから……それ『飴』とかじゃないよね??』
『いや、そもそも俺『飴』も『ガム』も何も食ってねーけど??』と『滝本君』
彼は不思議に思いながらなんとなく『舌』で『口の中』を探ってみると、確かに『下の歯茎』と『頬』の間に『何か』があった。なので『指』でつまんで引っ張ってみると……それは『紙でできたこより』だったのだ。
『…………い??』と『滝本君』
『『はぁ?? なにそれ??』』と『妹&弟』
しかもこの『こより』はやたら『長かった』のである。引っ張れば引っ張るほど『あれよあれよ』と『こより』が出て来て、最終的に『三メートル』にもなったそうなのである。『妹』は『唾まみれで汚!』と悲鳴をあげながらも『こより』に『黒い模様』があることに気づき、気になって『こより』を『ほぐして』みたのだそうだ。
『……これって『お札』?? なにこのなっがいお札は……』と『妹』
その『こより』はどうやら『やたら長いお札を指で撚って『紐』みたいにしたもの』だったのである。もちろん『滝本君』は全く身に覚えがなかったそうだ。
『……『これ』ずっと『口』に入れてたの??』と『弟』
『い、いや、入れてない……だってこんなもん入ってたらまともに喋れねーだろ……なんなんだよこれ……』と『滝本君』
『…………キモッ』と『妹』
ここまで話して『滝本君』が、
『…………これが俺が『東山の化け物』に関わるようになった『原因』って言えばいいんすかね? ちなみに『こより』を出した後は普通に『化け物』の話をできるようになったっす……なのでたぶん『ひむろん』が入れたんだと思うっす……なんか『ひむろんっぽくない』やり方っすけどね』と『滝本君』
彼の話はまだ終わっていなのだが、今回は一旦ここまでである。




