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其の九十…『怪談小豆夜話:『出られずのトンネル』と『卯辰山の棺桶』の二話』

 さて、『今回』も『前回』に引き続き『ノナさん』の知り合いであり『火の病気』を患っているという『小豆おばあちゃん』に関する話を語っていこうと思っていたが、この話をしてくれた『ノナさん』が『大変興味深い話』をしてくれたので、少々『脱線』させていただきたい。




「…………ほら、『二月』に『金沢』で『ドカ雪』が降ったじゃん? あの時『うちのおじいちゃん』が『小豆さんの家の除雪をしないと!』って騒いだから、『私とおじいちゃん』で『小豆お祖母ちゃん家』に『スコップ』持っていったんだけど、そしたら『小豆おばあちゃん家』で『怪談座談会』が開かれてたことがあったんだよね~」と『ノナさん』




 あの『ドカ雪』の時『金沢』では『一晩』で『30センチ』を超える『記録的な大雪』になり、『住民』があっちこっちでせっせと『雪掻き』に励んだものだ。そして『ノナさんたち』は『東京出身の小豆さん』が『豪雪』で困っているのではないかと踏んで『自分の家の雪掻き』もほどほどに駆け付けたのである。



 すると『同じ考え』の『小豆さんの友人たち』が先に集まっていて『雪掻き』は終わっていたそうだ。その後『炬燵』でくつろいでいた『友人』たちのうち、『付属高校』に通う『一年生』である『尼御前桜さん』が『なんとなく』の理由で『怪談』を語り始めたのが『始まり』であったらしい。




『………あ、そういえば皆今までに一回でも『心霊体験』ってしたことあります??』と『尼御前さん』



 その話題は、ちょうど『前の話題』が終了して産まれた『無言時間』を『気まずい』と感じた彼女が『咄嗟に思いついたこと』だったそうだ。だが以外に『他の人たち』も食いついて、



『あら、もちろんあるわよ~! 王道だけど『東尋坊』で見た『幽霊』とかねぇ」と『主婦』


『俺は『牛首トンネル』と『野田墓地』に『肝試し』に行った話できますよ!』と大学生。


『そこら辺はよくある話だねぇ。じゃあ『天狗神社』は? あそこは『地元民』でもあんまり知らない『穴場』なんだよね~』と『中年男性』



 後になって思えば『怪談』ほど『世代を超えた普遍的なジャンル』もそうそうないだろう(いや、怖い話苦手な人も世代を超えて存在するだろうが)。そしてそのまま自動的に『怪談座談会』が始まったそうだ。



「…………『大雪』で外に出ることができない『男女』が集まって『お話』に花を咲かせる………まるで『ボッカチオ』の『デカメロン』みたいだよね………(しみじみ)」と『ユズハさん』


「………なんか『お腹』すいてきましたね」と『私』


「そっちの『メロン』じゃないから!」




 なので『ノナさん』が聞いたこの『小豆さん宅での突発『怪談座談会』』で話されたものを『小豆夜話』として一つに『まとめる』ことになった。今回はそれの『第一話』目と言ったところだろう。



 ではまず最初に『尼御前さん』が『実際に体験した不思議な出来事』から語っていこう。



『………これは『私』が『お父さん』と二人で『車』に乗って『高岡』に向かってた時のことなんだ。『日時』は『日曜日の11時頃』で、あの日は『よく晴れた青空』が広がってたと思うよ………』と『尼御前さん』



『金沢』から『富山県高岡市』に『車』で向かう時『高速道路』を使いたくないのであれば一番いいのは『国道8号』を使うことである。『金沢』からだといったん『石川県津幡町』を経由してから『俱利伽羅峠』を超えて『富山県小矢部市』に抜けるのだが、この『俱利伽羅峠』周辺は『山道』なので『トンネル』を通らないといけない。



 その日『尼御前さん』は『お父さん』から『高岡にうまいラーメン屋があるらしいから行ってみないか?』と誘われて『二つ返事』で『車の助手席』に乗ったそうだ。そのまま『俱利伽羅峠』付近の『トンネル』を通っていると、彼女の乗る車が走る『右側の道路』、つまり『追い越し車線』を走る車に『見覚えのある顔』が見えたのだそうだ。



『……あれ!? あれって『マキ』じゃない!?』と『尼御前さん』


『ん? 友達か?』と『お父さん』


『そう同じクラスのね。あ、やっぱり『マキ』だ! おーい! 運転してるのは『彼氏さん』かな?』


『な! 未成年が成人と付き合ってるのか!? 『付属』に通うくらい頭のいい子がなんてことだ! 全くけしからん! 最近の若い者はこれだから………(くどくど)』


『あ~、まあその点に関しては言い訳はできないね(笑)』



 だが『尼御前さん』はそこで『マキさん』が『ちょっと普通じゃない様子』であることに気づいたという。彼女は『向こうの車の中』から『泣きそうな顔』で何かを叫んでおり、『後部座席』にいた『知らない人たち』も皆『半べそ』をかきながら必死な形相で何かを訴えているのである。


 そして『尼御前さん』がいぶかっていると目の前の車から『電話』がかかってきた。



『………もしもし『マキ』? どうしたの一体………』と『尼御前さん』



『助けて桜!! もう何時間も走ってるの! マジで助けて! ここから出してぇ!!』と『マキさん』



『マキさん』は『半狂乱』で、『電話の向こう側』から『他の人たちの悲鳴』も聞こえてきていた。『尼御前さん』はすっかり面食らって、



『ちょちょ! 何の話!? いったいどうしたの!? 落ち着いて………』



『もう『六時間』よ! 六時間も走ってるの!! でも出れない! ねぇどうしたら出られるの! 助けて! お願いだからここから出してよぉ!!(泣)』と『マキさん』



 全く埒が明かず、『尼御前さんの父』も『様子がおかしい』と感づいたらしい。『尼御前さん』がなんとかして『マキさん』を宥めると、



『………うぅ、ぐす………ごめん………実は『私たち』は『朝』からずっとこの『トンネルの中』を走り続けてるんだよね………もう『六時間』も走ってるんだけど、なんでか全く『トンネルの出口』にたどり着けないの………だからもう私達『パニック』になっちゃって………どうすればいいかわからないよぉ………』と『マキさん』




 どうやらなぜか知らないが『マキさんの乗っている車』は一度『石川富山県境のトンネル』に入ったが最後、どれだけ走り続けても一向に『出口』にたどり着けずにいるらしかった。といっても彼女達の隣を走る車はどれも『パニック』になっている様子がなく普通に『後ろ』から『前』へと消えていってるらしい。そして偶然『尼御前さん』の乗る車を見つけたのだ。



『なんでこんなことになってるのかわからないの! ねぇ『桜』はどうなの!? あんたは『トンネル』から出れるの!?』と『マキさん』



 彼女が『電話』で必死に訴えるが、そこで『お父さん』は『マキさんの乗る車』がどんどん『スピード』を落としていくことに気づいた。『追い越し車線』にいるのに『走行車線』の『尼御前さんの車』よりも遅いので、他の車もどんどん『左車線』から『マキさんたちの車』を追い抜いていく。



『………車には『流れ』ってのがあってね。『周りの車』に合わせたスピードで走らないといけないんだ………申し訳ないが先に行かせてもらうよ。『トンネル内』じゃあ駐車できる場所も無いしね………』と『お父さん』



 なので『マキさんの車』は『後方』に流されて行き、そのまま『トンネルのカーブの向こう側』に隠れて見えなくなった。そして『尼御前さん』の車は普通に『トンネル』を抜けて、そのまま『小矢部市』の看板が現れたのである。



 そして『お父さん』はすぐに『近くのコンビニ』にいったん『車』を止めてから『トンネルから出てくる車』を眺めていたのだが、『一時間』待っても『マキさんの車』は現れなかった。もちろん『電話』をかけても一切繋がらなかったらしい。



『………もしかして『行方不明』になった………とか?』と『尼御前さん』


『………かもねぇ』と『お父さん』



 翌日『学校』にいくと『マキさん』は出席しておらず、数日後『担任の先生』から『行方不明届』が出されたことが知らされたらしい。そして『今日』にいたるまで行方は杳として知れないとか。





『………へぇ、良いっすねその話。俺は今まで『心霊体験』って言ったら『一回』しかなかったので、その話をさせてもらってもいいですか……??』




 次の『二話目』に話してくれたのは『男子大学生』だったそうだ。彼はある時『友達』と一緒に『卯辰山公園』にある『見晴らし台』に登った時だそうだが、そこに『棺桶』が置かれていることに気づいたのである。




『お、おい! あそこに『棺桶』っぽいものあるぞ!』と『男子大学生』


『え? ………あ、マジだ。なんであんなものがこんなところに??』と『友人α』


『『ドッキリ』か??』と『友人β』





 その『棺桶』は『見晴らし台』のど真ん中に堂々と置かれていて、その時は『土曜日の昼間』だが彼ら以外に人影はなかったそうだ。なので『彼ら』はおっかなびっくり『棺桶』に近づいて、



『………ぜってーこんなの『悪戯』だろ………まああえて『引っかかってやる』のが『優しさ』ってやつで………』と『男子大学生』



 彼らは『ニヤニヤ』しながら『棺桶』を開けると、中には『真っ青な顔の若い女性』が目を閉じていたらしい。彼らは途端に『げらげら』笑って、



『ははは! これはあれだろ『特殊メイク』だろ! すっげー凝ってんなあんた! でも残念ながら『びっくり』してなんてやらねーぜ? そもそもこんなところに『棺桶に入った女の死体』があるなんて『不自然』すぎるからは………』



 そんな感じで『ダメ出し』をしていたらしいが、それでも『女』は『無反応』でピクリとも動かない。なので『友人の一人』が試しに『女の手』に触ってみたが、『冷たい』上に『ブニブニ』していたそうだ。




『……『人形』だなこれ。全然動かねぇし………マジで誰がこんなもん置いたんだよ………』と『男子大学生』




 彼らはその後しばらく『女の人形』や『棺桶』に触ったり周囲を観察したりしていたが特に何の変化もなかった。そして『一時間』たっても『彼ら以外の人間』が全く現れないのが気になってきたという。



『………なんで誰も来ないんだろう……』と『男子大学生』


『………まあもともとそこまで人が多い場所でもねーけど………』と『友人α』


『にしても、誰も来ないとなんかちょっとあれだな………』と『友人β』




 結局彼らは『棺桶』を放置してその場を立ち去ったそうだ。






『…………え? たったそれだけ??』と『ノナさん』



『うわ! 『ノナちゃん』来てたのかよ! びっくりした~! ………けど残念ながら『これだけ』なんだよこれが。俺らは結局そのまま『卯辰山』から降りたし、それ以後特に何もないね。あの『棺桶』が置かれてた理由もわかんねーし、『女』が『人形』だったのかもわかんねー………あとで『ダチ』と話し合ってたんだけどさ、俺等ってそういえば『死体に触ったことない』って思ってな………だからあれが本当に『人形』だったのかも正直自信ねーんだよね』と『男子大学生』


『わしも忘れるな坊主』と『ノナさんの祖父』



『まあその『女』が動いた方がなんか『陳腐』だったかもですね………』と『尼御前さん』


『ふ~ん。なんかちょっと消化不良だねぇ………だったら次は私が話してもいいかい?』と『主婦』



 ちなみにだが『家の主』である『小豆さん』はずっと黙って『ニコニコ』しながら聞いていたそうだ。そしてこの『卯辰山公園の棺桶』の話が『中途半端』に感じられたことから、むしろ『怪談座談会』が『ヒートアップ』したそうである………続きは次回に持ち越す。


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