其の百五…『昼休み怪談部事始め:『人形にまつわる話・その3中編』』
『今回』は『其の百一』の『続き』である。『本物の霊能者:氷室麗華さん』が『依頼』で訪れた家に住んでいた『桂川彰浩さん』は『見えない箱』の力を借りて『成功者としての人生』を掴んだらしかった。
ちなみにだが『氷室さん(とノアさん&悠さん)』は『桂川さん』の家を訪ねて最初に『桂川さんの母親』が出てきたので、まずはこの『疲れ切った顔の中年女性』に『質問』を浴びせたそうだ。
『あなたの『息子さん』から『あなたは何かにとり憑かれている』と伺ってますが、『あなた自身』はどう思ってるのですか?』と『氷室さん』
『桂川母』は事前に『氷室さん』から『呪文』をささやかれたせいもあって『素直』で、しかし『もっと疲労の濃い顔』になって答えた。
『またですか………『あの子』はずっとそう言ってるんです……でも『憑かれてる』のは『私』じゃなくて『息子』の方ですよ……(溜息)』と『母親』
『それは『確信』のあることなんですか?』と『氷室さん』
『『息子』の部屋を見ればすぐにわかりますよ……』
そこで横から『ノアさん』が、
『あの~、さっき『教祖がどうとか』言ってったっすけど、もしかして『堰守衆』を呼ぶ前に『別の霊能者』を呼んだってことなんすか……??』
だが途端に『桂川母』が『キッ』と『ノアさん』を睨んだかと思うとつかみかかって、
『なに『とぼけてる』んだい、あの『売春婦』の仲間だろお前たちは!! 『50万』も払わせておいてまだ足りないって言うのかい!!?? 何勝手に『家』の中に入ってきてるんだよ! 早く出て行かないと『警察』呼ぶわよ!!!(発狂)』
『ぐえぇ!? ちょ、首締まってる……(蒼白)』と『ノアさん』
『落ち着いてください『桂川さん』……彼は私の『仲間』ですわ……』と『氷室さん』
『そうなんですか……すみませんねぇ……(手を放す)』と『桂川母』
『氷室さん』の一言でおとなしくなり『息子さんの部屋がある二階』へ案内しようとする『母親』をしり目に、『床』にうずくまって深呼吸している『ノアさん』の背中をさすりつつ『悠さん』が笑う。
『ダサいですねぇ?(ニヤニヤ)『姐さんの術』は『姐さん』にしか適用されないんですよ。なんで『自分』で『術』を使わなかったんですか?』
『う、うるさいですね……(ゲホゲホ!)……使えないんですよ『あれ』はまだ……ていうか『悠さん』も同じでしょうが!(怒)』と『ノアさん』
その『抗議』を無視して『ノアさん』を立ち上がらせてから『悠さん』が『氷室さん』に尋ねる。
『それにしてもさっきの『教祖』って誰なんでしょうね? 『教団を作って信者をカモにする悪質な霊能者』は『堰守衆』が『全滅』させてますが……』と『悠さん』
『……『二年前』に倒した『あの女』かもしれないわね。『お金持ちの家』を見つけては『悪霊』を放ち、『財産』を全て吸い上げたら『皆殺し』にして被害者を『悪霊』としてまた別の家に放つ……しかも『斬って』も『悪霊』を使って『自分の死を偽装』していたから、正直言うと確実に『討った』ともいえないのよね……まだ生きているのかも……』と『氷室さん』
『あ~、あの『女』っすかw 斬っても斬っても『復活』してくるからマジで『悪夢』だと思いましたね~w』と『ノアさん』
『私は今でもあの『女』のこと『夢』にみるっすよ』と『悠さん』
『????』と『母親』
ここで『悠さんとノアさん』の話を聞いていた『ユズハさん』が手をあげて、
「…………あの~? その『悪質な霊能者の女』の話って聞かせてもらえる系?」
「「『もらえない系』っす。少なくとも『今』は(笑顔)」」と『ノアさん&悠さん』
「なんか『斬った』とかなんとか言ってて『物騒』なんですけど……率直に聞きますけど、『氷室さん』って『霊能者』を『殺した』こともあるんですか??」と『私』
「………………考えてもみてくださいよ、『本物の霊能者』が仮に『犯罪行為』に手を染めていて、幸運なことに『逮捕できた』としましょう……『降霊術』で『悪霊』を好き勝手『呼び出せる』奴を『刑務所』に閉じ込め続けることが『日本の刑務所』にできると思いますか??」と『ノアさん』
「え、できないんですか??」と『私』
「できるんだったら今頃『石川県警』には独自の『心霊対策課』が存在してて『堰守衆』は『お役御免』になってますよ」と『悠さん』
「…………じゃあ『刑務所に閉じ込め続けられない悪質な霊能者』は『堰守衆』が『殺してる』ってことですか??(ごくり)」と『ユズハさん』
「「……ご想像にお任せするっす(笑顔)」」と『堰守衆二人』
『私』はここで『身近に殺人犯がいるかもしれない』というのも『ある種の怪談だな』ととりとめもないことを想ったり思わなかったりした。
おっと、閑話休題だ。結局『教祖』の件は今は『棚上げ』して『氷室さん』と『ノアさん』と『悠さん』が『桂川彰浩さんの部屋』の前に来る。この時『部屋の扉』は開きっぱなしになっていて、『部屋の中』を一瞥した『母親』が『真っ青』になって、『其の百一』の内容に戻る。
『桂川彰浩さん』は『見えない箱』を自慢そうに掲げて見せたわけだが、その『見えない箱』はやっぱり『見えない』ので『ノアさん』と『悠さん』が目を細めて、
『…………『これ』って言ってますけどなんすか?? 『能力者』にも見えない『霊具』なんてありえない……は!? もしや『霊具それ自体』が『幽気』を消してる……!?』と『ノアさん』
『何の『バトル漫画』か知らないですけど唐突に『新設定』出さないでくれます??』と『悠さん』
横では『氷室さん』が『弟子二人のコント』を無視して、
『……その『箱』をどうやって手に入れたかの『経緯』を聞かせてもらえるかしら?』と『氷室さん』
『桂川さん』は自分で『霊能者』を呼んだはずなのになぜか『挑発的な高笑い』をしながら、
『『箱』?? はは! おいおいあんたらは『霊能者』なんでしょ? もしかして『見えない』のかよ? これは『人形』だよ! 俺を『くそみたいな終わった人生』から救い出してくれた『救世主人形』さ!!』と『桂川さん』
『救世主』は『世界を救う者』と言う意味だから『桂川さん一人』を救っただけなら『大げさ』すぎないかと思ったが…………いや、『その人の世界はその人だけのもの』だから正しいのか??
まあ、それはいいとして、どうやら『桂川さん』はこの時『握りこぶしを開いて掌を天井に向けていた』わけだが、どうやらその『掌の上』に『人形』があるらしい。もしかして『透明ケースに入ったフィギュア』とかなのだろうか??
『この『人形』は見ての通り『ラブドール』で『アマゾン』で買った『普通のもの』だが、どうやら『俺の念』が篭ったことで『呪物』に変化したらしいんだ! こいつが『動き回る』ようになってから『俺の人生』は『全て』がうまくいくようになったんだ……それまでは『漫画』を『少年誌』に送っても『一次選考』すら通らなかったんです……ですがこの『救世主人形』が『出来上がって』からは何もかもがうまくいく! 見てください『僕の妻』の『マリア』を! 『世間ずれ』してるあなただって『顔』はわかるでしょう!? 『大人気女優』ですよ! はははは! 『結婚』を発表した時は『ネット』で『嫉妬の声』が渦巻いてて最高でしたよ! はははは!』
『桂川彰浩さん』はそう叫んでひどく愉快そうに笑う。しかしなんというか……この人は一体何を言ってるんだろう?(『マジで桂川さんやばくない?』byユズハさん) 確かに『氷室さん』が言う通り『異常』なことは『ど素人』でも理解できる。
ちなみにだがその『奥さん』の『マリアさん』はずっと『桂川彰浩さん』の傍に座って『笑顔』だったという。『桂川母』はその『マリアさん』も怖がってるらしく、その理由も『堰守衆三人』は容易に理解できたそうだ。
なのでまず『氷室さん』は『部屋の前』に『正座』を組んで座り、
『…………ではまず『桂川彰浩さん』が抱いている『二つの誤解』を解かせてもらうわ。まず一つ目、あなたは自分が『元気』だと思ってるようだけど、あなたは今『生命の危機』に瀕してるわ。このままだとおそらく『半年』も生きられない……』
すると『桂川彰浩さん』は『マリアさん』の肩を抱きながら、
『はぁ?? 何言ってんですか『氷室さん』は!? 俺は毎晩『マリア』と『五回』も『ヤってる』んですよ!? その『絶倫』を指して『死にかけてる』だって!? ははは! もし僕が『死にそう』ならそれは『マリア』のせいですね!』
『…………(殺ってる?)……『二つ目の誤解』はあなたも『うすうす感づいている』はずだわ……あなたは『売れっ子漫画家などではない』ことよ。あなたは『社会的に成功していない』し、あなたの『漫画』は『4000万部』も売れてないどころか『出版すらされていない』わ。あなたが『自分の漫画』を掲載していると思い込んでいる『少年誌』は『存在していない』し、あなたのもとに届いている『ファンレター』は『偽物』で、『美人女優の妻』も実在はしていない……あなたは今でも『無職の引きこもり』のままよ……』と『氷室さん』
そう告げると『ノアさん』と『悠さん』がそれぞれ『スマホ』と『タブレット』を持っていたので、そこに『漫画家桂川彰浩』の『検索結果』を見せた。『検索エンジン』は確かに『そのような漫画家は存在しません』と示しているし、彼が書いてると主張している『4000万部売れた代表作の名前』も一切ヒットしなかった。
『…………見ての通りっス。あんたは『幻覚』を見せられてるんすよ、その『人形』に』と『悠さん』
『あんたはそのことに自分で『うすうす気づいていた』からこうやって『霊能者』を何度も呼び寄せてるんじゃないんですか?』と『ノアさん』
すると『マリアさん』が『怒った』そうだ。そして『桂川彰浩さん』は『心底』馬鹿にした顔で、
『…………今まで呼んだすべての『霊能者』が『同じこと』を言ってましたよ。はは! でも『俺が持ってるスマホとパソコン』で検索するとちゃんと『俺の経歴』や『代表作』が出てくるんですよ! そして……ほら、『こうすれば』あんたらも『真実』が見えますよ!』
そういうなり『桂川彰浩さん』が『部屋』から出てきて『悠さん』と『ノアさん』が持っていた『スマホとタブレット』に近づくと、途端に『検索結果』が変化して『大人気漫画家桂川彰浩』がヒットした。確かにそういう『漫画家』が存在し、そして彼には『元女優の美人妻』もいることの『裏取り』が出来ててしまったのである。
『ははははははは! ほ~ら『嘘』をついてるのは『あんたら』の方だ! 僕の方が『正しい』んだ! あははは!!』と『桂川彰浩さん』
なので『ノアさん』と『悠さん』が唖然として『氷室さん』に、
『…………これって『とんでもない力』じゃないですか?? 『現実改編能力』??』と『ノアさん』
『『霊障』の正体は『あの人形』じゃなくて『桂川彰浩本人』じゃないですか……こいつを『警察』に突き出しても『手に余る』でしょうよ。『殺り』ますか?』と『悠さん』
『ははははははは! いい加減諦めて帰れ……え、『ヤる』ってどういう意味で……ひぃ!?』と『桂川彰浩さん』
『桂川彰浩さん』は最初は『高笑い』していたが、『氷室さん』がいつの間にか握っていた『日本刀』の『青白く光る刃』を見るなり思わずその場で『尻餅』をついてしまった。その『氷室さん』は『無表情』で、
『…………そうね。この『霊能者』を『刑務所』に『収監』し続けることはできないでしょう。それにおそらく『罪状』は『自分の銀行口座の数字を不正な手段で改編した』くらいにしかならないでしょうね。『殺人』などはしてなさそうだから……それでもこの『現実改編能力』は危険すぎる……この場で『討つ』ことも視野に入れる必要があるわね……』と『氷室さん』
彼女の『抑揚のない声』に『桂川親子』は思わず悲鳴を上げてしまったという。この話は次回へ続く。
氷室さん「…………そういえばちょっと気になっていたのだけど、『ラブドール』とは何かしら?? 『愛の人形』というのは『自分のお気に入りのぬいぐるみ』のこと??」
ノアさん「…………悠さん説明してくださいよ」
悠さん「できますか! ノアさんの方が詳しいんじゃないですか?」
ノアさん「あなたができないのなら俺もできませんよ! ……まあでも、『姉御』にわかりやすく言うなら『ダッチワイフ』のことですかね……」
氷室さん「『オランダ人の妻』?? なお意味が分からないわ。何かの『暗号』??」
悠さん「ああ、頼みますから『姐さん』は一生そのままでいてください……(涙)」




