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其の百四…『残骨灰の二話』

 いつものごとく唐突だが、読者の皆さんは『残骨灰ざんこっぱい』を御存じだろうか? 簡潔に説明すると『死体を火葬した後に残る骨や灰』のことだが、最近『日本全国』でこれを『売却』して『利益』を上げている『自治体』が多いそうだ。なぜ『利益』が出るかと言うと、ようは『遺骨』の中に混じっている『金銀プラチナ』などが高く売れるかららしい。ちなみにこの利益はどこの『自治体』でも『斎場』の『運営費』に充てられていて、『石川県』では現時点で『売却』を行っているのは『金沢』と『七尾』と『中能登』の三自治体だけだそうだ。




 この話を『テレビ』で知った『ナツメちゃん』は早速『昼休み怪談部』にやってきて得意げに、


「………なんかちょっと『びっくり』っていうかさ、そりゃあ『金歯』とかあるからそういう話も出てくるのは納得できるけど、なんかさ………いかにも『怪談ネタ』になりそうじゃない?? 『昼休み怪談部』には『残骨灰』に関する『怪談』の『持ち込み』ってあんの??」



 問われた『ユズハさん』が『どや顔』で『メモ』を開いて、


「そりゃあ『ある』よ~当然ね~♪ まあ『ゲンミツ』には『残骨灰』の話じゃないのも混じってるけど、まあ『細かいこと』はきしないってことで。『ナツメ』は聞きたい? もちろん聞きたいよね???」


「そういうだろうと思ったわよ。じゃあ今日は『あたし』が『聞き手』になったげる。ほら話してよ『持ち込み希望のユズハ』さ~ん………おい(『私』を指して)、『お茶』持ってこいよ気が利かないわね(舌打ち)」と『ナツメちゃん』


「僕は『おい』なんて名前じゃありません………(お茶を差し出す)」と『私(涙)』




 まずは『残骨灰の怪談『一つ目』』である。これは『パク先輩』という『二年生の女子生徒』が話してくれた話なのだが………あ、『朴先輩』は名前で誤解されがちですが『日本国籍』ですよ。お父さんが『在日韓国人三世』だそうですが『金沢産まれ金沢育ち(ネイティブカナザワン)』だそうで、なので『朴先輩』も『言っとくけど私は完全に日本人だからね、外人扱いしたら殴るよ』とのことだそうだ。まあこんな話あえてする必要もないんでしょうが………、



 その『朴先輩』の『おばあさん』はちょっと『変な人』というか、『金属のゴールド』をものすごく『嫌がる』人だったそうだ。『金属アレルギー』とかでもなかったそうだが、『テレビショッピング』で『純金のネックレス』が紹介されるだけで『なんてもの見せるんだい!』と怒ってチャンネルを変えさせていたそうである。



『あんな気持ち悪い物見たくもない! 目が腐る! 目薬をとって頂戴よ!!』と『お婆さん』


『もう~! また~お義母さん? 『映像』だけじゃない、そもそもそれでなんで『金沢』に住んでるのよ~!』と『朴先輩母』


『うるさいね! ここで産まれたんだから仕方ないだろ! 本当に気持ちわるい町だよ『金沢』は! どいつもこいつも『金箔』を載せておけば観光客が喜ぶと思ってんだからねぇ!(辛辣)』



 そんな感じなので、例えば『親戚の集まり』などで『ちょっとお高いお店』に行くとは必ず『金箔が添えられた一品』が『お出まし』するのがこの『金沢』という街なのである(笑)。なので『おばあさん』はそのたびに『暴言』を吐いて暴れるので、『両親』は事前に『お店』に『金箔だけは載せないでください』と頼んでいたそうだ(『それで料理の値段が下がるのなら文句ないんだけどね~』by朴先輩父)。




 そんな『お婆さん』は『100歳』になっても死ななさそうなほど『元気』だったそうだが、『89歳』で突然『脳卒中』で倒れたらしい。しかもそのまま『脳死状態』になってしまい、『医者』と『両親』が『延命はしない』ことに決めたそうだ。なので『八か月後』に『お婆さん』が『心停止』すると、そのまま『死亡』が確認されたらしい。


 その後『お葬式』がしめやかに行われたわけだが、『火葬』が終わって『遺骨』を『骨壺』に入れるために、『棺が乗っていた台』が『火葬場』から出てきた。だがその『残骨灰』を見て『遺族』が『驚愕』したのだ。



『な…………なんだこれ!? 『金塊』か!?』と『遺族一同』




 なんと『遺灰』に『黄金の塊』が大量に混じっていたそうだ。『塊』は『ピーナッツ』ほどの大きさがあり、それが『遺灰』にまみれながら『数十粒』も『台』の上に転がっていたそうだ。これには『斎場の職員さん』も困惑したらしく、


『…………『残骨灰』の中に『金銀』が混じってるといっても『この量』は一体………?? えっと、すみません、『法律』でその金は『自治体』』のものになるので『回収』させていただきます………』


『『『えぇ!? ちょっと待ってくれ! これは『遺産』だろ!』』』と『遺族』




 この後『裁判沙汰』になったりなんだりと色々と『厄介なこと』もあったそうだが………『お婆さんの灰』から出てきた『黄金』は最終的に『5000万円』ほどになったらしく、なぜそれほどの『金塊』が『おばあさん』の体の中から出てきたかの理由は『不明』だそうだ。



「………そもそも『祖母ちゃん』は『入院した』時に『精密検査』も受けてるんだよね………なのになんで『お医者さん』は見つけられなかったのかもわかんないし………まあこの話はこれだけだよ。あんまり『怪談』っぽくなかった?」と『朴先輩』


「いえいえ、立派な『怪奇談』ですよ先輩、ありがとうございます~」と『ユズハさん』





 次は『二つ目』である。『水原さん』という『南砺市』から毎日『黒百合丘』に通学している………『富山県西側』には『石川・富山の境界があいまいな地域』と言うやつがあるのだ。『南砺市』と『小矢部市』はその代表格であるわけだが………いや、と言うか『金沢周辺』から『富山』に『通勤通学』してる人も結構いるので実は『金沢』も『県境が曖昧な地域』に含まれるのだが(余談)………つまり『越境』して通って来ている『一年生の女子生徒』が話してくれたことだ。



「『金沢』の子にこれいうたんびに『びっくり』されるんですけど、『石川県』』から『富山県』に『通勤通学』してる人って『数千人』いるんですよ。そして『富山市』と『金沢市』は『60キロ』も離れてますけど、『石川県からの通勤通学者』が『富山県内』で一番多いのは『富山市』なんです。まあ当然ですよね? だってこっちの方が『製造業』が強いんですからね(自慢げ)。あんまりそういうイメージないかもしれないですけどね………まあそれはいいとして、これは『私の友達の『アイちゃん』』が経験したことだそうですよ………」と『水原さん』




 今回の話も『一つ目』と話の流れは同じだ。『アイさん』には『一歳の弟』がいたのだが、『病気』で亡くなってしまったらしい。『家族』は『悲しみ』に打ちひしがれながら『赤ん坊』を『棺』に入れて『火葬場』に送り出したわけであるが………『火葬』が終わって『遺体』を載せていた『台』が『遺族』の前に運ばれてくると一同が『驚愕』したのである。



『…………な!? 燃えてない………!??』



 そう、『赤ん坊』は『火葬』されたはずなのに、しかも『棺』や『着ていた服』などは完全に燃え尽きているのに、『火傷一つない姿』で『台』の上に寝ていたのである。さらにはもっと驚きべきことに『皮膚』が『赤み』を帯びて艶やかで、しかも『口元』が動いているのだ。『父親』が恐る恐る確認すると『呼吸』もしているではないか………!



『…………うわぁあああ!!?? い、生き返ってる!? 生き返ってるぞ!!!』と『父親』


『『『!!?? なんだって!!!』』』と皆。



 なんと『弟』は『生き返った』のだ。看取った『医者』にもう一度診せると『医者』も『なんで!!?』と絶叫して『精密検査』を繰り返したらしい。『無料で検査するので論文書かせてください!』と頼まれたので快く『オッケー』すると後日『赤ん坊の蘇生事例』として学会で発表されたそうだが、『査読』を受けた後どんな評価なのかは教えてもらってないらしい。というかその『医者』がどこか他所の病院に移ってしまったそうで(理由は謎)。



 だがその話をしてから『水原さん』がちょっと『ひきつった顔』になって、


「…………その『アイちゃん』が話してくれた『話自体』はそれで『終わり』なんだけどね………でもなんていうかね、この『体験』は『アイちゃんが私に話してくれた時』から『数日前』の出来事だったらしくて………なんていいますか、『話してくれたころ』くらいから『アイちゃんの様子』が『おかしく』なっていったんですよね………」と『水原さん』



「具体的にどんな感じに『おかしく』なってたんですか?」と『私』


「なんていうか………『何かの灰』を『学校』に持ってくるようになりまして、しかも『この灰はめっちゃ美容にいいから食べるべき!』って『クラスメート』や『他クラスの友達や部の先輩たち』に『押し売り』始めたんだよね………しかも『いらない』っていうと『ブチギレ』て『暴れる』もんだから手が付けられなくてさ………(汗)。あと『学校』に『弟』を連れてくるんだよね。それで『先生』に『なんで連れてくるんだ!』って怒られたら『意味不明なこと』叫んでやっぱり暴れるって感じで………」と『水原さん』



 すると『ユズハさん』が手をあげて、


「…………え?? ちょっと待って?? 『水原さん』って私たちと『タメ』だよね?? そんな『変な灰を食べさせようとする』とか『赤ん坊を学校に連れてきた生徒』なんて『私たち』聞いたことも見たこともないけど??」と『ユズハさん』


「そうですよね……僕も全く心当たりがないんですが………」と『私』




 すると『水原さん』が力強い口調で、


「…………それなんですよ。この話はほんの『2週間前』の話ですよ? でも『誰も覚えてない』んですよ………! なぜか『私以外の生徒』が誰も『アイの奇行』も『赤ん坊』も覚えてないんです!! あまつさえ『アイ本人』も覚えてなくて、『何の話??』って真顔で言ってくる始末! 『アイ』の中では『弟』は『最初から存在してない』ことになってるんです! そのせいでなぜか『私』の方が『おかしい』って言われてるんです!! こんな『意味の分からないこと』ありますか!?」



「「そ、そうなんですか………それは不思議ですね………(たじたじ)」」と『私達』





『水原さん』は最後の方は『興奮』のあまり身を乗り出してたわけだが、すぐに冷静さを取り戻して、


「…………ですが『私』は『実』はこの話を『夕飯』の時に『家族』にも話してたんです。そしたら『お母さん』と『お姉ちゃん』と『お祖母ちゃんお爺ちゃん』は『確かにそんな話してたね』って覚えてたんですよね………でも『私の家族』だけが憶えていて、他の人たちは『アイ本人』も含めて『知らぬ存ぜぬ』なんです………」



 そこで『水原さん』は立ち上がって去り際に、


「………最近『アイちゃん』から『家の中で居ないはずの赤ん坊の泣き声が聞こえる』って相談を受けてるんです……本人は『気味悪がって』ますけど、私にはその『赤ん坊』が誰かわかります。死んだのに生き返って、なのに存在を消されてしまった可哀そうな『弟』ですよ絶対に………」





 果たしてこれは『水原さん』が『正気』なのかそれとも『彼女の妄想』なのか…………そしてこの話は正直『残骨灰の怪談』に含めていいのか『ユズハさん』と『論争』になったが、『火葬場』と『灰』が共通していたので一応同じ『くくり』にしておくことにする。

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