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6.思い出の海

投稿が遅くなりまして申し訳ないです。


そろそろ中間試験が近いので、次話投稿が遅くなりそうです。


今回はルティアーナの夢の中の世界になります。ぜひ楽しんでください。


ザザッ…


ここは、どこ?というか、私は、なぜこんなところにいるの?



ルティアーナは暗い暗い海の中のような空間にいた。体は重く、どんどん沈んでいく。上の方にかすかな光が見えるものの、周りは深い青色に包まれていた。左右を回しても、この空間がどこまで続いているのか分からない。

無意識に目を閉じると、たノイズの混じった誰かの声が聞こえてきた。



《な%、あ$€はわた@¥&ぎるの!?》



その誰かは少女のようだった。パステルのようなうすい色の、白、瑠璃、紫のグラデーションを施したたっぷりとレースが施されたエンパイアラインの膝より少し下までのドレス。綺麗に施された花びらは下へ下へと降り積もるようなデザインになっており、ふわりとしていて妖精のドレスのような印象を受ける。


その少女の前には白と灰色のスーツに青いネクタイをつけた男の子がいた。ネクタイピンは銀でできたバラのデザイン。胸のポケットには青の薔薇が刺さっており、髪を後ろで纏めて、少し少年のような幼さを醸し出していた。雰囲気からもわかるように、少し背伸びをしている少年なのだろう。


だが、不思議なことに顔周りだけ靄がかかったように霞んで見えない。不思議なことに誰の顔も同じように霞んでいるのだ。




夜会が開かれた会場の、バルコニーの隅で話しているようだ。薄暗く、少女達の横からはオレンジ色の灯りが見える。


誰かが話している。

ここは…地球?日本…かしら?

泣いているの?あれは…誰??


そこがどこなのか、ルティアーナにはわからない。ただ、背景や雰囲気からは、ルティアーナの前世で住んでいた、地球という星にある、日本という国だということはわかった。

でも、そこが日本のどこに位置し、少女の目の前にいるひとりの男が誰なのかもわからなかった。


だが、少女のことをひどく冷めた目で見ていることだけは分かった。不思議なことに、その目には優しさと悲しさ。そして矛盾しながらも嫌悪感が混ざり合っていた。


《俺は&¥の^#を&@%だ&@ろ?》


私には彼がなにを言いたいのか、理解ができなかった。なにを言っているかさえも、雑音が多くてわからなかったのだから。


ただ、この雑音だらけの映像(?)を見ていると、なぜか心が痛んだ。



なぜだろう、この映像を私は知らないのに、こうも懐かしい感じがするのは。


なぜだろう、この映像に出てくる彼を、知っているわけでもないのに愛しく思うのは。


なぜだろう、この映像を見ていると、兄弟なんていないのに「お兄様…」と考えてしまうのは。


なぜだろう、なにも害はないのに、助けてと、助けを求めたくなってしまうのは。


この雑音だらけの映像を、私は知っているのだろうか。この世界を私は覚えているのだろうか。


目が覚めても、私はこの世界を覚えているのであろうだろうか。


たった今思い出した、私の抜け落ちた大切な真っ黒に染まったこの思い出を。

読んでくださってありがとうございます。


最近うちで飼っている猫がよく体調を崩しているので心配です…(=^x^=)

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