もしかして…?
「し、失礼します…」
お兄ちゃんのクラスとはいえ、やっぱり上級生のクラスは緊張する。
2年生の目は私を見ているし、誰も何も言わない。
とても気まずい。
誰か知ってる人がいればいいんだけど…
居た。
窓ぎわで固まって騒いでる男子を見る。
こちらには全く気づいて無いようだ。
「曜先輩!」
「ん?あぁ、花夜ちん。どしたの?」
「きてください!!」
「うぃー」
名前を呼ぶと、怠そうに立ち上がり、怠そうにこちらへ向かってくる。
そんな姿も、顔がいいからイケメンに見えてしまう。
「おーい花夜ちん?」
「あぁ、すいません」
「なに、俺がイケメン過ぎて見惚れた?付き合う?」
否定は出来ない。
から、一言「死ね」とだけ伝えておいた。
「花夜のお兄ちゃんはどこですか?」
「あー、椋夜君ね。多分保健室。」
「保健室?」
てっきり屋上だと思ってたのに。
「そー、さっき体育だったからサボってると思う」
「サボりか…まぁ、分かりました」
曜先輩に背を向け、急いで保健室を目指す。
と、ぐいっと後ろ襟を掴まれた。
「なんです?」
「ちょっと、なんで椋夜君探してるのか教えてよ〜」
「雀野先輩に聞いた方が早いですよ」
「なんでゆーりちゃんなの?」
「副部長だからです!てか先輩にちゃん付けって。」
「いーのいーの。俺、ゆーりちゃんと幼馴染みだから。」
「そうですか。とりあえずさようなら!」
「ちょっ、花夜ちん!?」
今度は掴まれないように注意して、保健室を目指したのだった。
「失礼しまーす」
2年のクラスより、すんなりと扉を開ける。
保健室には曜先輩の予想通り、お兄ちゃんが居た。
ベットに座り、携帯をいじっている。
理央先輩も一緒だ。
背が低め(私より高い)で、可愛い顔の理央先輩。
お兄ちゃんと仲がいいのかな?
「お兄ちゃん!」
「あぁ?んだよ」
機嫌はいつも通りだ。
今なら、合宿の話が出来そう。
「あの、ね?」
「合宿でしょー?えっと、弓道部の1年生!」
突然、可愛い声が響いた。
多分絶対理央先輩の声。
「そうですけど…」
「1年生ちゃんとりょーやくんのお家を合宿所にするんでしょ〜?」
「はぁ!?」
お兄ちゃんの声だ。
怒ってるより、驚いてる声だから、まだ話を続けてもいいだろう。
「なんで知ってるんですか?」
「ゆーり先輩に聞いたー」
「おいお前どうゆう事だ」
「そのままの意味だよ。理央先輩の言った通り
だから、その許可を貰おうとして来たの。」
眉間にシワがよっている。
そして沈黙。
お兄ちゃんが口を閉ざしていたのは約1分。
「お前は、どうしたい」
「花夜、は、やりたい…合宿、したい」
「チッ…勝手にしろ」
機嫌が悪そうに保健室を出ていく。
けど、これはokでいいのだろう。
「やったぁ!」
「おめでと〜!椋夜君の妹ちゃん」
「花夜の名前、知らないんですか?理央先輩」
「わかんない!なんて言うの?」
「名札を見てください」
またまた沈黙だ。
今度は短かったけど。
「さ、サイキ?」
「…サエキです」
「は、はなy…」
「カヨです!!」
「え、ハナヨルじゃないの!?」
「なんですかその名前!サエキカヨです!」
「サイキハナヨルだと思ってた…」
なぜかガッカリされた。
もしかしてこの先輩、可愛いけど頭悪いのかもしれない。
だって私、自分のこと花夜って呼んでるもん。
やっと理央先輩だせました…
可愛いです。




