04 ミドルフェイズ(続き)~エンディング
07 悪意の発露 Master Scene
GM: ここで、マスターシーンが挟まりますねー。
一人、河原で夕焼けを眺めている少年――――小野義正。
佐古: ……嫌な予感が。
その少年の背後から、突然声が掛けられる。
「よぉ、坊主。こんなところで何してんだ?」
その声に義正が振り返ると、金糸の意匠が凝らしてある純白のローブを身に纏い、青色の髪をオールバックに撫でつけた、渋い中年男性が立っていた。
厳かな、という表現がぴったりくる男性だ。
鴻&佐古: ジャヴァウォッキーさんだー!?
それを見た義正は、何かに気付いたような表情になった。
「あ――――あなたは、一体……!?」
「あぁ? 俺か? 別に誰でもいいじゃねーか。それにしてもお前、面白そうな目の色してんなぁ……。」
義正の目を覗き込んだその男性は、誘うように言葉を続ける。
「お前――――何かしたいことがあるんだろう?」
「は、はい……!」
「じゃあ、俺が力を貸してやってもいいぜ?」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ……。」
そう言うと、男性は邪悪な笑みでにぃ、と笑う。
「 」
義正の肩に手を置くと、人間には発音出来ない言葉を発する男性。
その言葉に、義正が苦しみだす。
男性は、その様子を面白そうに眺めていた。
やがて、息を整えて立ち上がった義正の雰囲気は、以前の彼のものとは全く違うものとなっていた。
男性は満足げに笑うと、義正に声を掛けた。
「ふむ。いい具合に仕上がったじゃねぇか。じゃあ、行って来いよ。勇者様。」
佐古: なんてことを……。
GM: タイミング的には、イナゴの襲来タイミングの裏で、これが起こってると思ってください。
佐古: つまり、阻止は出来ないってことだね。
GM: そうですね。ここで、ジャヴァウォッキーさんの使ったエフェクトとEロイスをお伝えしておきますね。
鴻: お。それはあると嬉しいかも。
GM: まず、エネミーエフェクトの《異能の継承》を使いました。
佐古: 自分の持ってるエフェクトを、他人が使えるようにするってヤツだね。
GM: そう。最大5個ね。で、Eロイスの<超越者の戯れ>。他者の心の奥底に潜む凶暴な衝動をひきずりだし、具体的な力にするものです。
鴻: これ、「対象は即座にEロイスを取得する」って書いてあるね。義正くんがEロイス持ちになったってこと?
GM: そうです。
達也: じゃあ、もう小野義正はジャームじゃん!
GM: あともう一つ、使ったEロイスは<愚者の契約>です。簡単に言うと、他者の願いを叶えてやるけど、代償が必要だよっていうEロイス。
佐古: 少なくとも、Eロイス2つは使われた、と。
GM: はい。で、義正くんも、2つくらいEロイス使ってくるんじゃないかなという予想も立つかな。あと、サラマンダーの《冷静と情熱の間》を使って、義正君の中の、傲慢さを燃え上がらせています。
08 正義の名の下に シーンプレイヤー:佐古修
GM: では次は、ジャヴァウォッキーさんの居場所を探すシーンですね。
佐古: 登場します(ダイスを振る)! 10も上がった……。
GM: 頑張れ(笑)。
佐古: えーと、<情報:UGN>で、ジャヴァウォッキーさんの居場所調べられます?
GM: はい。あと、<情報:噂話>でもいける。
達也: ジャヴァウォッキーさんについて調べるのならば、俺も登場しよう。ネル様にとっての脅威になるかもしれんからな(ダイスを振る)。ここで俺は、佐古さんにロイスを結んでおくよ。尊敬/恐怖で。
佐古: なんで恐怖?(笑)
達也: それはお前がUGNだからだよ! FHの怪人なんて、討伐対象だろう!?(一同笑)
佐古: ああ、納得(笑)。じゃあ《サイコメトリー》!(ダイスを振る)17です。
GM: じゃあ見つかった。
達也: GM、俺のフローズンリリーによる情報収集にプラスさせる能力は、全く使わずに終わりそうだぜ(笑)。
鴻: 支部長の出目が優秀だったから仕方ないね(笑)。
GM: では、ジャヴァウォッキーさんの動向が分かりました。
佐古: はい。
GM: どこからともなくこの街に現れて、しばらくフラフラとしていました。で、達成値が高いので、人と接触していることが分かります。名前は、君も聞いたことのある人だね。
佐古: ……義正君以外には、深く接触した人は、居ない?
GM: というか、ジャヴァウォッキーさんと接触した後に、明らかに様子が変わったっていう目撃情報があったのが、義正君だけだね。
佐古: ……ふぅ(ため息)。
達也: なるほど。なかなか厄介なことになっているようだな。
佐古: (暗い声で)そうですね。
達也: UGNとしては、何か対処を考えているのか?
佐古: ……彼を止めるしかないでしょう。(達也に)力を貸して頂けますか?
達也: それは、ネル様次第だな。いざとなれば、俺はどうとでもなる。
佐古: …………。
達也: だがな。ネル様は常々こう言っておられる。悪の美学その1!「騒ぎには必ず顔を出せ!!」そして、悪の美学その3!「売られた喧嘩は買え!」故に、ネル様が動かん筈が無いだろう。
佐古: そうですか。一応それを、了承と受け取っておきましょう。
達也: うむ。……で、さ。GM、俺も情報収集をしたいんだけど、ジャヴァウォッキーさんが接触した少年の情報って、変わってるよね?
GM: ! いいこと言った!! 想定してなかったけど、情報項目として存在してもおかしくないね。
達也: じゃあ、それを調べますー。最高目標値は?
GM: 12、かな。
達也: (ダイスを振る)8。じゃあ、4点財産ポイントをつかって、12!!
GM: 昨日の夕方から、義正君の様子がおかしいという情報が得られる。
達也: ふむ。
GM: どういう風にかというと、中二病MAXな感じ。「邪龍が覚醒したか……!」とかっていうのを、普通に親とか友人に言っちゃうレベル。
達也: 眼帯して、腕に包帯巻いて学校に来ちゃう感じ?
GM: あ、金糸のローブを身に纏ってる。
佐古: それは危ない人だ!!(一同笑)
達也: 周りの人に危害を加えたりはしてない?
GM: いや。義正君を苛めていた不良をボコって、病院送りにした。
佐古: うわ……。
鴻: 周りから見たら、気弱な奴が、ついにキレちゃったか。くらいで、まだ済んでそう。
GM: あと、突然、義正君の周りに女の子が侍りだした。(一同笑)
鴻: そりゃまあ、モテたいよねー(笑)!
佐古: ソラリスっぽい……。
GM: あと、ですね……最高値まで出したので、様々な状況や義正君の行動を見てみるに、義正君がジャームの可能性がある、という結論に行き着く。
達也: なるほどね。じゃあ――――だが、もう手遅れかもしれないな。って言いながら義正君の情報を佐古さんに渡して、俺はこの場を去る!
怪人バンバンジーが去った後、一人になった佐古は、悔しそうな表情で一言、呟いた。
「……そう、かもしれませんね。」
その響きは、誰にも届くことは無かった――――。
09 ネルの逆鱗 シーンプレイヤー:沖田ネル
GM: さて、次のシーンはネル様!
ネル: はーい(ダイスを振る)。
GM: 今、貴方の住んでいるアパートの狭い部屋の中で、マグロスナイパーさんとの同居が始まります。
ネル: そうだね。連れて帰ってきてるだろうしね。
GM: で、部屋の掃除なんかをしてくれているんですが、そんな彼女の下に、こぁの使い魔がやってきます。
鴻: 悪魔の禁を犯して、白い鳩とかを使い魔にしてるんじゃない?(一同笑)
ネル: そうかも!
GM: では、白い鳩がやってきて、その足についている手紙を読んだ彼女の顔色が、みるみる変わっていく。
ネル: ふむ?
GM: 「ネル様、大変です。こぁ様が――――ジャヴァウォッキーさんにさらわれました。」
ネル: 何!? ちょっと、見せろ!! と手紙を読む。
ネルにとっては懐かしい、見慣れたこぁの丸文字。
その字で書かれた、こぁ特有の頭の悪い文章を解読した結果、ジャヴァウォッキーに声を掛けられてこの街に一緒に来たものの、賢者の石の適合者に、自身の配下が倒されていること。
更に、賢者の石の持ち主とマグロスナイパーが和解したらしいという情報をどこかからジャヴァウォッキーが手に入れてきたこと。
それによって、「折角手下を貸してやったのに、なんだその体たらくは!」と腹を立てたジャヴァウォッキーに、こぁがマグロスナイパーに対する人質として囚われている状態であることが判明した。
ネル: ジャヴァウォッキーの奴……!
達也: ここで、登場してもいいですか?
GM: いいですよ。
達也: では、登場!(ダイスを振る)
GM: あ、追加情報ね。その手紙の中に、一緒にこの街に来ているらしい、「和也さん」という人の名前が書いてある。
達也: 和也さん!? こんなトコで出てきた!!(笑)
GM: うん(笑)。マグロスナイパーさんが話してくれるんだけど、最初に遺跡の調査をしにきて、賢者の石を持っていっちゃった人(誠志郎)が、賢者の石を外に持ち出すために連絡を取った相手が、この和也さんだったので、賢者の石の追跡の為に、確保しておいた、と。
ネル: ほう。
GM: で、和也さんの情報を元に、皆は日本まで来ていたのさ。
ネル: ふむふむ。
GM: こぁちゃんとしては、別に危害を加えるつもりもなかったけど、どうせ日本に行くなら、ついでに帰してあげようと、一緒に連れてきたら――――。
鴻: ジャヴァウォッキーさんに、一緒に囚われてしまった、と。
GM: そういうことです。
ネル: なるほどねー。まあ、でも私としては、誰? それ。って感じだよね(笑)。
GM: そうねー(笑)。マグロスナイパーさん的には、「あらまあ。」って感じ。
達也: じゃあそこに帰ってこよう(ダイスを振る)。はいこれ、買ってきました。巨大水槽。(一同笑)これ、アパートの庭に設置すればいいですかね?
ネル: では、それには答えずに手紙をじっと見ながら、明らかにヤバげなオーラを出しています。
達也: …………(重々しく)何かをお考えになっている最中か。(軽い感じで)じゃ、これ庭に設置してきまーす。(一同笑)
佐古: 待って、待って! 和也さんの情報仕入れといて!? バンバンジーさん!!
鴻: 支部長……。俺たちはシーン外だ、諦めよう(笑)。
ネル: で、ジャヴァウォッキーさんの居場所、突き止めたんだよね?
達也: あ、はい。前のシーンで分かったことを伝えますよー。
ネル: OK。じゃあ、振り向かないまま、手紙をぐしゃっと握りつぶして――――上等だ、コラ。と、手紙を投げ捨てます。
鴻: 手紙、捨てられた(笑)。
ネル: その手紙は、バンバンジーの近くに落ちる。
達也: …………ぐしゃ。(←踏んだ)
佐古: おいぃっ!?(一同笑)
達也: だって! 和也って名前が出たところで、まさか弟のことだとか思わないでしょ!!(笑)……出発は、いつにしますか?
ネル: 今すぐだ。
達也: なるほど。では、焼き鳥はお帰りになってからということで。
ネル: 冷蔵庫に入れといて(笑)。―――――悪の美学その4。「やられたら百倍にして、やり返せ!」
GM: どっちかというと、やられたのはジャヴァウォッキーさんのほうだけどな(笑)。
達也: マグロスナイパーさん、行きますか?
GM: 『勿論よ。』
夜の街を、三つの影が行く。
真ん中には背の小さい人影。それは、女の子のようにも見える。
その右には、鳥頭の覆面を被った、大柄な男性のように見える影。
そして左側に見えるのは――――魚の身体から人間の手足が生え、その手にライフルを持った影。
異様な雰囲気を纏う三つの影は、目的を達するために静かに動き出した……。
佐古: シュールだ……(笑)。
10 佐古のお願い シーンプレイヤー:風早鴻
GM: さて、UGN組のほうは、何かするかね?
佐古: 鴻さんの侵蝕率が厳しくなければ、ジャヴァウォッキーさんの情報を伝えるシーンが欲しいです。
鴻: 侵蝕率は大丈夫だよー。
GM: では、登場して下さい。
佐古&鴻: はーい!(各々ダイスを振る)
佐古: じゃあ、鴻さんに渡す新しい服を持って、マンションに向かいます。
GM: マンションの片付けは終わったことにしていいですよ。
鴻: じゃ、佐古さんを普通に部屋に上げて、ご飯作ります。(一同笑)
GM: ツナ使った料理とか?
鴻: マグロ見たからなー。ま、適当に作って、佐古さんにも出す。
佐古: 落ち着いてますね……(笑)。
鴻: で、佐古さんが困惑してるのを、食うのを遠慮してると勘違いして、言う。……別に変なもん入ってないんで、どうぞ。(一同笑)
GM: (鴻に)ねえ、トリスさんは喋っていい?
鴻: 別に、喋るのは止めないよ。
GM: (佐古に)じゃあ、すげー歓迎してくれる。『ほら、お茶が出てないじゃない!』(一同笑)
佐古: えーと、歓迎していただけるのはありがたいのですが……と、話を切り出して、ジャヴァウォッキーさんが小野義正君をジャーム化させている可能性を話します。
鴻: ……。
佐古: UGNとしては、これを看過することは出来ません。ですが、現状うちの支部で動けるのが、僕しか居ない状態でして。……貴方にこんなことを頼むのは申し訳ないのですが――――。
鴻: (遮って)別に、いいっすよ。
GM: 『そうそう! 荒事には慣れてるからねー、私達!』
佐古: …………。
鴻: まあ、今の見た目は高校生だけど、30年くらい生きてた前世の記憶があるもんで、中身だけの年ならアンタより上だしな。
佐古: (苦笑して)話が早くて助かります。
鴻: ま、昔はアンタんとこみたいな組織も無かったし、この力の便利な使い方も見つかってなかったからな。
佐古: ……。
鴻: あの頃は、それぞれが好き勝手やってたけど、そういう奴らをどうにかしようってのがアンタらだってんなら、協力はするよ。ああ、あと、コイツを黙らせる為の方法もよろしく。
GM: 『ちょっと! それはないんじゃないの!? 私から喋ることを取ったら、何が残るってのよ!?』
佐古: あはは……。では、よろしくお願いします。
Climax Phase
一体誰がどうやって、いつの間に作ったのか。
知らぬ間に、街の郊外に出来ていた古城の前に、デスクロス団の三人は来ていた。
GM: まあ、こぁたんのモルフェウスの力なんですけどね。
鴻: 作らされてんじゃん!(笑)
GM: で、見掛け倒しの鎧の兵士なんかを倒しながらどんどん進んでいくと、謁見の間みたいなところに、こぁたんを宙吊りにして、椅子に足を組んで座りながら、これみよがしに猫じゃらしで足の裏をくすぐっているジャヴァウォッキーさんと……。
佐古: 何してんだ……(笑)。
GM: ……3D10くらいでいいかな。(ダイスを振る)18人の女性を周囲に侍らせている小野義正君が居ますね。
鴻: それ、クラスの女子全員なんじゃない?
佐古: ホントだよね……(笑)。
GM: 《蝕む声》でこのハーレム作ってるんだけど、なんか、すっげえ楽しそうにキャッキャしてる。
ネル: じゃあそこに、真正面からずかずかと乗り込んでいく。
GM: ジャヴァウォッキーさんが、「おい、ヨシマサ。来たぞ。」って言うと、「本当だ! 本当にあなたの言うとおりになりましたね。」と義正君が答える。
ネル: 足音を立てながら、絨毯のど真ん中を歩いて、近づいていく。
GM: 「沖田さん。君はやっぱり、悪の組織に操られていたんだね?」
ネル: 義正の方には一瞥だけくれて、こぁとジャヴァウォッキーの方を見る。
GM: こぁはなんか、ぐったりしてるね。
鴻: 笑い過ぎたんだな(笑)。
ネル: そのこぁの姿を見て、私は激高する。てめぇ! ジャヴァウォッキー!! うちの子に何してくれてんだ、コラー!! それは私の役目だぁーっ!! 私に代われぇーっっ!!(一同笑)
ネルの叫び声に、ジャヴァウォッキーが声を上げる。
「あ? ……おい、お前知ってるか? あの変態。」
ジャヴァウォッキーに問われたこぁは、閉じていた目を開ける。
そしてネルの姿を見て「あっ!」と言いたそうな表情になるが、足の裏をくすぐられている状態の為、息も絶え絶えに笑うことしか出来ない。
「……知らねぇってよ。」
にべもなくそう言うと、ジャヴァウォッキーは続ける。
「帰った帰った。俺はお前に用はねぇよ。」
ネル: こっちは、お前に用があるんだよ。
GM: 「あ?」
ネル: 今すぐこぁを離せ。さもないとお前のそのオールバック、全部毟ってやるぞ!(一同笑)
ジャヴァウォッキーがネルの挑発に乗り、女の子を侍らせている義正に向かって叫ぶ。
「おい、ヨシマサ! そいつをとっとと黙らせろ!!」
GM: で、そう言われた義正が、相手をして欲しそうにこちらを見ている。(一同爆笑)
達也: じゃあ、そこに俺がすっと出てきて、……お前の正義とは、そんなものなのか? と、吊られてるこぁを指差す。
GM: 「あれは、それだけのことをしでかしたんだ!」
達也: 「それだけのことをした」ら、そういうことをしてもいいのか?
GM: そう言われると、「何言ってんだコイツは?」って感じで蔑んだ目で見ながら、「当たり前だ! 悪は断罪されるべきだ!!」と言う。
達也: なるほど……。どうやら、お前の正義は、初めから歪んでいたようだ。
GM: 「悪党に語られる正義など持たない!!」
達也: 最初から、お前と向き合っていれば良かったな。――――大人として。……私が「大人」というなど、おこがましいと思うがな。
GM: 「……。」
達也: ところで、和也はその辺に転がってるの?(一同笑)
GM: うん。部屋の片隅に転がってる。
達也: お。和也は、動いてる?
GM: 胸は上下してる。
達也: じゃあ、俺は義正と会話をしながら、部屋の隅に居る男の方に近づいていく。……顔を見ると、和也だった。すごいびっくりした。(一同笑)
GM: ではそこで、和也さんがうっすらと目を開けるよ。
達也: 俺は今、怪人だ。この外見で何を言っても、和也は聞かないだろう。……仕方ない。俺は、仮面を外した。
怪人バンバンジーが、おもむろにスーツの頭部を脱ぐ。
そこには、和也とそっくりの顔立ちで、和也よりも少し髪が長い青年の顔があった。
達也: 俺は和也の肩に手を置き、――――和也、聞こえるか?
GM: 「……に、兄さん……?」
達也: 下がっておけ。ここは危険だ。
そう言うと、頭部のスーツを着け直す、怪人バンバンジー。
「キェーッッ!!」
怪人バンバンジーが、両手を大きく広げながら、鳥のような叫び声を上げると、和也は鳥の羽に包まれ、城の外に出て行った。
GM: マジで!?(笑)
達也: これが一体何のエフェクトなのか……それは俺にも分からない。(一同笑)
佐古: 怪人スーツの性能か何かなのかなぁ?(笑)
達也: それよりも、義正! 人の心を無理矢理操って、いいとでも思っているのか!? それをするお前は、悪だ!!
GM: 「何を言ってるんだ! この身に与えられたチート能力を使わずして、どうするっていうんだ!」(一同笑)
達也: 今、自分で認めたな? 自分の能力によって、他人の心を変えた、と!
GM: 「皆、ボクの魅力にメロメロなだけじゃないか? この、強くかっこよくなった、ボクのね!」
達也: ……最早、人の道には戻れんようだな。
GM: 「もちろんさ! ボクは勇者の道を行くんだからね!」
普通に会話してるように書いてますが、周りで皆、笑い転げてるのは内緒です(笑)。
達也: ならばせめて、苦しまずに殺してやる!!
GM: 「三下の鶏風情に、このボクがやられるものかぁー!!」
佐古: (冷静に)……この面白空間に登場するんですか? 僕達。(一同笑)
鴻: とりあえず、まず和也さんの救助をしようか。
佐古: あ、そうだね! 和也さんを助けないと!
GM: では、純白の羽毛に包まれた和也さんが、古城の前に着いたUGN組二人の前に降りて来る(笑)。
佐古: 和也さん! と声を掛ける。
GM: 「あ……支部長。――――兄貴が……。」
佐古: お兄さん、ですか? わかりまし――――。
GM: 「兄貴が……鶏に……っ。」(一同爆笑)
佐古: …………あの人が兄なのかなぁ、と思い当たって、言葉に詰まります(笑)。
GM: 和也さんは、それだけ言うと、気を失います。
佐古: ここに和也さんを置いておくわけにもいかないですよね。
鴻: じゃ、俺が親父に、保護しに来いって連絡するよ。今回面倒なことになったの、全部親父のせいだし(笑)。
GM: 電話をすると、『マジか! 和也生きてたんか!? すげーな!!』
鴻: いいから、早く保護しに来い!!
佐古: ひとまず我々は、敵勢力を止めに行きますので、和也さんのことをよろしくお願いします!
GM: 『おう、わーった。任しとけ!』
鴻: ったく、「すげーな」じゃねーよ(笑)。
佐古: じゃあ、後を誠志郎さんに託して、古城に乗り込んで行きます。
GM: では、謁見の間に通じる扉を開けると、中では勇者と鶏が、激しい戦闘を繰り広げています。JCはどうしてる?
ネル: 仁王立ちで、ジャヴァウォッキーにガン飛ばしてる。
佐古: で、ジャヴァウォッキーさんは、ちっちゃい女の子を天井からぶら下げて、猫じゃらしでくすぐってんの? 何この空間?(一同笑)
達也: ではそこで、俺と勇者が、一旦対峙しなおす。
GM: じゃあ、ジャヴァウォッキーさんが鴻を見て言う。「あ? 何だ、客か? ――――お、賢者の石の坊主じゃねーか。」
鴻: ……無言で剣を抜こう。
GM: 「何だ、やる気かぁ? 威勢のいいガキだな。俺ぁそういうの、嫌いじゃねーぜ?」
鴻: ――――まぁ、俺は穏便に帰ってもらってもいいんだけどさ。(ネルを指して)そっちのレディは、アンタを無事に帰す気は無いようだぜ?
GM: 「なんでそんな私怨くらっちまってんのか、全くわかんねーんだけどなぁ。」と、こぁをくすぐりながら言う。(一同笑)
ネル: それだよ、それ!!(笑)
GM: 「まぁ、やりあおうじゃねーか。お前には、俺の子分が世話になったみたいだしな。」
鴻: 部下がアレなら、上もたかが知れてる、ってか?
GM: そう言われると、ジャヴァウォッキーさんは完全にぶち切れて、「ンだと、てめぇ!? あの脳みそまで筋肉で出来てるような、ティラノザウルスと一緒にすんじゃねーよ!!」
達也: 自分の部下に、その言い方!?(笑)
佐古: やれやれ。穏便には済みそうに無いですねぇ。
GM: 「久々に頭にきやがったぜ……。ハッ! これだからシャバは面白ぇ!! 俺も久々に、肩慣らしといくかねぇ!」と、立ち上がります。
「行くぞ、ヨシマサぁ!!」
大きく咆哮しながら、《ワーディング》を展開するジャヴァウォッキー。
その声に応え、義正がジャヴァウォッキーの隣に立つ。
GM: ちなみに、義正君とキャッキャしてた女の子達は、《ワーディング》の影響で気絶してます。
佐古: ……了解です。
GM: ではここで、衝動判定です! ジャヴァウォッキーさんの威嚇に、君達のレネゲイドが強制的に活性化される。
鴻: (ダイスを振る)成功!(ダイスを振る)侵蝕率、10上昇。うわーい、100%超えたぞー!
佐古: 振れるダイス数、少ないんだよねー……。(ダイスを振る)あ、17で成功。(ダイスを振る)そして、侵蝕率は16%上昇。現在、95%。
ネル: (ダイスを振る)7!(ダイスを振る)現在の侵蝕率は84%。
達也: あ、ネル様が暴走した(笑)。(ダイスを振る)俺は成功して、侵蝕率が9上がったー。
GM: ネル様の衝動は?
ネル: 解放。(ルールブックを見ながら)「すがすがしい気分だ。人間という名のつまらぬ衣を脱ぎ捨てて、自分がより高位の生命体へと進化を遂げたのだ。」
鴻: いつものネル様じゃねーか。
ネル: そうだねー。
GM: 期せずして、ジャヴァウォッキーさんと一緒です。(一同笑)で、彼から力を受け取った、義正君の衝動も、解放。
達也: ああ、納得。
佐古: 義正君は、そうだろうね。抑圧されていただろうし。
GM: では、エンゲージなんですが、ジャヴァウォッキーさんと義正君が同一エンゲージ。で、UGN組・FH組それぞれで同一エンゲージです。
一同: はーい!
達也: うちのマグロスナイパーはどうしてる?
GM: あ、忘れてた! マグロスナイパーさんは、戦闘中にこぁさんを確保して、安全なところに退避する密命を帯びて、動いています。
達也: 素晴らしい。
●第一ラウンド
GM: ジャヴァウォッキーさんの行動値は10で、義正君の行動値は9です。
佐古: どちらも我々より早いですね。
GM: ということで、セットアップ! 義正くんが《異貌への変貌》を使って、いかにも勇者様な鎧を身に纏う。
達也: おぉー! 勇者だ(笑)。
GM: で、ジャヴァウォッキーさんの番。マイナーで《完全獣化》《鷹の翼》《ハンティングスタイル》で、翼を生やして、どっかのワイバーンさんみたいな姿になって……挑発してきたのは、鴻だから、UGN組のところにエンゲージ!
鴻: すまねぇな。
佐古: 大丈夫です。
GM: メジャーは《魔獣の本能》《コンセントレイト:キュマイラ》《災厄の炎》で、<RC>攻撃の炎を、【肉体】でばら撒く。ドラゴンの吐く炎のイメージ。
達也: おー、すごーい!
GM: 19D振るよー。(ダイスを振る)41!!
鴻&佐古: 回避失敗!
GM: ダメージが、5D+21!(ダイスを振る)55!!
佐古: そんなん、全然無理です(笑)。《リザレクト》!(ダイスを振る)丁度100%になった。
鴻: ジャヴァウォッキーさんにロイスをとって、即座にタイタス化・昇華!
GM: では次……は、義正君か。《光芒の疾走》《飛行能力》で、とびながらFHエンゲージに突入して、《アクセル》《コンセントレイト:ソラリス》で、バンバンジーに攻撃。
鴻: すっごいシンプル。
GM: うん。元のデータが、初期キャラ作成時と同じで、それにちょっと+αしてるだけなんだ。
達也: ああ、そうなんだ(笑)。あれ? 武器ナシで殴るの?
GM: そうだね。《光の剣》はセットアップなんだけど、今回鎧の方を先に作ったから。
佐古: 義正君は、戦う条件がそろうまで、なかなか大変そうだね。
GM: そうねー。さて、いきますよー。(ダイスを振る)25+3で、28!!
達也: 範囲じゃないよね。ガード!!
GM: ……ダメージがいかない気がする(ダイスを振る)22点!
達也: (申し訳なさそうに)じゃあ、全部弾く……。
佐古: そんなやるせなさそうな声出さなくても(笑)。
達也: 小野義正よ。光の剣はどうした?
GM: 「うるさい! ボクの力をきちんと発揮するには、時間がかかるんだ!!」(一同笑)
達也: そうか。ならば、お前の準備が整うまで待ってやろう。
佐古: なんかかっこいいな、鳥(笑)。
GM: では、次は行動値7のお三方ですね。
達也: ――――図らずも、敵を分断出来たので、あちらもこちらも2対1の状況ですな、ネル様。
ネル: そうだね。
達也: ですが、我々はエンゲージが違う奴にも攻撃することが出来るので、もしかしたら、4人で先にジャヴァウォッキーさんを倒した方が早いのではないかと……(笑)。
ネル: そうかもねー。
GM: 目の前に居る義正君を無視するだとぉ!?(一同笑)やっべ、地味に腹立つ(笑)。
ネル: さて、私が先に動いてもいいかな?
鴻&佐古: どうぞー。
ネル: じゃあ、ちらっと義正君の方を見て――――気に入らないね、アンタ。借り物の力で好き勝手して、それで楽しいのかい?
GM: 「ああ、楽しいね! ボクはこれで、主人公になったんだ!!」
ネル: そうかそうか。そいつは良かったなぁ。じゃあアンタは、アンタの嫌う悪よりも醜い存在だ。
GM: 「何だと!?」
ネル: 悪の美学その5!「世界は自分の力で掴め!!」借り物の力で強くなったつもりのアンタには、私の悪の美学は打ち破れないよ! あとでじっくり遊んでやるから、そこで待ってな! と言って、マイナーでレインボゥアビリティを起動。メジャーで《絶対の恐怖》《抗いがたき言葉》《コンセントレイト:ソラリス》。ジャヴァウォッキーに攻撃!!
GM: ジャヴァウォッキーさんにきたー!?
達也: ほら、やっぱり戦術的に、分散しちゃうと良くないからね。
ネル: (ダイスを振る)15。しょっぱい……。
GM: それは、当たってないね。
達也: 《イベイジョン》か!
GM: うん。ジャヴァウォッキーさんは、《陽炎》と《イベイジョン》の効果で、回避は20に固定されてます。
達也: おっけー。20出せば当たるってことだな。ネル様、ナイス牽制攻撃。
GM: では、次の方。
鴻: じゃあ、次は俺が行こうかな。マイナーで《原初の青:骨の剣》、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート》《原初の赤:アタックプログラム》で、ジャヴァウォッキーさんに攻撃。
GM: なんか、色々エフェクト乗ってるんですけど……(笑)。
鴻: (ダイスを振る)うわ、低い。37!
GM: 固定値なので、当たりますよー。
鴻: ダメージは(ダイスを振る)21!
GM: 《氷雪の守護》!(ダイスを振る)38点止めた。
達也: 6Dも減るの!?
GM: まあ、1ラウンドに1回だから。
鴻: ダメージ通らないと、装甲無視もダメージアップも発動しないんだよー!
達也: 次のラウンド、ちょっと待機してもらうのもいいかも。
鴻: そうねー。
GM: では、次の方。
佐古: ……このまま毎ラウンド、鴻さんと一緒に範囲攻撃食らうのはキツいので、エンゲージを離しておこう。
達也: そうだねー。それがいいかも。
佐古: マイナーで《ハンドレットガンズ》だけして、メジャーでエンゲージを離脱します。
GM: じゃあ次は……鳥か。
達也: お、皆終わった? じゃあ行きます!
GM: やだなー、バンバンジー食わされるの……。(一同笑)
達也: マイナーで《赤き剣》《終末の炎》。消費する【HP】は12点です。これで、オレの姿は、鶏から赤い鶏に変わります。
GM: 赤い鶏って、それもう鶏じゃねーよ!(笑)
達也: で、メジャーで《渇きの主》《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《フレイムタン》!射程を視界にして、ジャヴァウォッキーさんに攻撃!! これが、コンボ名「燃焼舌」だ!!
GM: 「鶏肉はタンじゃねーよ!!」
達也: 違う。お前のタンに向かっていくんだ。我が箸が、な!(ダイスを振る)31!!
GM: 当たったよー。……これ、ダメージでかそうだな。
達也: ダメージは4D(ダイスを振る)うわ、でかい!! 34+16で、50点の装甲値無視ダメージ!!
GM: は!? 何そのダメージ!?「馬鹿なっ!? この俺が熱いだと!?」(一同笑)
佐古: 火竜を熱がらせるってすごいな(笑)。
達也: ふ。どうだ? あまりの美味しさにびっくりしたろう? もしゃもしゃ。うん、美味い。俺は【HP】が4点回復。
GM: え? まだクリンナップじゃ―――そうか、《渇きの主》で回復すんのか! イヤだーっ!! ……では、クリンナップ。
達也: 《フェニックスの翼》。鶏肉を食べて、これで全回復。
佐古: ずっと鶏肉食べてる……(笑)。
●第二ラウンド
GM: ではセットアップ! 義正君が、《光の剣》で、勇者っぽい剣を作り出します。
達也: 準備は整ったか?
GM: 「……まだちょっと足りてないけどね!」(一同笑)
達也: じゃあ、もう少しだけ待っていてやろう。
GM: こいつ、その間にジャヴァウォッキーさんを倒す気だーっ!?
達也: 正解!(笑)
GM: さて、行動値10のジャヴァウォッキーさんなんですが……。
鴻: 俺に攻撃する?
GM: あの鳥の攻撃が、痛かったんだよ。ということで、「先にテメーから潰してやんよ!!」と、マイナーで《ハンティングスタイル》《巨神獣化》を使いつつ、エンゲージを離れて、FH組にエンゲージ! 巨大な竜の姿になって、【HP】が+50、攻撃力が+25されます。
達也: おぉー!? で、でかい……!
GM: で、メジャーはさっきと同じ攻撃で行きます!(ダイスを振る)
ネル: 《ジャミング》! ダイス1個減らして!
達也: まぁ、でも無理だろうなって思う。
佐古: 20個くらい振るもんね。
GM: (ダイスを振る)これで、4回廻った……。
ネル: ここで《支配の領域》! 残ったダイスの出目を1にする!
GM: では、達成値47です。
達也: 《炎陣》で、ネル様をカバーリング!
GM: (ダイスを振る)41+41で、82点ダメージ。
達也: じゃ、焼き鳥になった(笑)。
GM: 「てめ、ふざけんな! あっちーんだよ!!」
達也: では、私は遠い過去の記憶――――父親が生きていた頃を思い出す。「達也、和也。お前達は自分の道を行けばいいんだ……。」そう父親に言われながら、三人で野球をしてるんだけど、俺はだんだんと和也に野球部での居場所を奪われて――――ダメだ! まだ死ぬわけにはいかない!! これ以上、居場所を奪われてたまるか!!
鴻: すごいいい話ではあるんだけど、これを言ってるのが鶏なんだよなぁ……(笑)。
達也: ということで、初期から持ってる父親のタイタスを昇華して、【HP】14点で立ち上がります(笑)。
GM: はい。では次……義正君か。
達也: さぁ、鳥に攻撃して来いよ(笑)!
GM: もちろん鳥に行くよー!! ダイスは12個振ります!(ダイスを振る)はい、30までいったー。残りダイス1個だけど。
ネル: それに《支配の領域》!
GM: じゃ、31。
達也: ガード!
GM: ダメージは(ダイスを振る)45!! 装甲値もガード値も有効だよ。
達也: ガード値引いて、31点防ぐけど、ちょうど14点で落ちたー。
佐古: あぁー、惜しい!
達也: 勇者・小野義正のロイスをタイタス化・昇華して立ち上がります。――――そうか。お前の借り物の力は、ここまで来たようだな。我が肉体に届いたぞ!!
GM: 「もう、そのくちばしを閉じろ! 鳥ィ!!」
達也: (両手を閉じたくちばしのような形にして)…………コケ。
鴻: くちばし開いたー!!
佐古: なんで皆、煽っていくスタイルなの……(笑)。
GM: では、行動値7の人の番!
ネル: じゃあ、私が行こうかな!
達也: あ、ネルさま! 出来れば、エンゲージを離れていただけるとありがたいです。
佐古: ジャヴァウォッキーさんが、範囲攻撃なので、一旦ネル様がエンゲージを離れれば、鳥がカバーリングしなきゃいけない人が居なくなるんですよ。
達也: それに、このラウンドで、鴻がこっちのエンゲージに来ると思うんで、このままだと、次のラウンドに3人が範囲攻撃を食らうことになっちゃうんです。
ネル: これ、マイナーで移動って出来るの?
達也: 出来ないんですよ。
ネル: 出来ないのかー。……でも、しょうがないよね。じゃあ、メジャーで離脱。
佐古: じゃあ、僕が先に行きます。運がよければ、こっちに《氷雪の守護》を使わせられるかも。
GM: 「え? マジで? お前も攻撃してくんの?」
佐古: 攻撃しないなら、この場に居る意味ないじゃないですか(笑)。えーと、メジャーで《雷の残滓》《ギガンティックモード》《コンセントレイト:ブラックドッグ》!
GM: そうだった! こいつ範囲邪毒持ってたんだった! くそー……義正君に当てられると思うなよー?(一同笑)
佐古: ここで、ジャヴァウォッキーさんにロイスを取って、タイタス化・昇華! ダイスを+10個します!(ダイスを振る)26+13で、39!!
GM: ジャヴァウォッキーさんには当たり。義正君は《御使いの声》《アドレナリン》《リフレックス:ソラリス》で、回避!
佐古: 《リフレックス》持ってんのか……!
GM: (ダイスを振る)20、30、一個回ったので――――。
佐古: ネル様、《支配の領域》って、まだ残ってます?
ネル: あるよ。
佐古: こちらの達成値が39なので、ここを止めてもらえると、二人共に邪毒を入れられるんですよ。
達也: それはでかい!
佐古: あ、正確には、入れられる可能性がある、です。技能レベルがどのくらいか分からないから。
達也: 大丈夫! 回避レベルが高くても、上回られたら、佐古さんがもう一つロイス切ればいいくらいの数値のはず!
佐古: そうか! 最悪、ロイス切ればいいか!!
ネル: それじゃあ、《支配の領域》!
GM: はい。それでは、義正君も、達成値37なので、当たります。
達也: よっし!!
GM: 何故。回避技能が4レベルだと知っている!?
達也: 最初に義正君が初期作成キャラ+αって言ってたから(笑)。
佐古: じゃあ、ダメージいきますー。(ダイスを振る)30点! 装甲値・ガード値全部有効です。
GM: じゃあ、ジャヴァウォッキーさんは20点止めて、10点通る、と。で、義正君はこれだけ食らう……。
佐古: それから、邪毒のランク5が入ります。
達也: ランク5!?
GM: クリンナップ毎に15点ダメージ!?
佐古: です。良かった……僕、仕事した(笑)。
GM: 思ったより【HP】削られるのが早い……。では次の人。
達也: 鴻くんさ、ちょっと待機してもらえる? 俺が先に攻撃して、《氷雪の守護》使わせるから!
鴻: おっけー。じゃあ待機。
GM: またあの攻撃が来るのか!?
達也: いや。もう近距離戦だから、「燃焼舌」は使わないよ。普通に箸で攻撃するよ。
佐古: 普通に箸で攻撃って……(笑)。
達也: えっと、俺は1ラウンドに24点回復するから、7点くらいは攻撃に使えるでしょ。でー……。
GM: タフだなー。
達也: いや、戦隊モノの怪人をイメージして作ったらこうなったんだよ。
GM: そこまでの再生能力を持った怪人は、戦隊モノには出てこねぇよ。
達也: いやいや! あいつら非常にタフじゃない? で、それをダブルクロスで再現しようと思うと、こうならざるを得なかったんだって! ちゃんと、5人がかりで攻撃されたら、すぐに倒されるよ?
GM: ああ。まあ、そう言われてみれば、そうなのか(笑)。
達也: ってことで、マイナーで《終末の炎》!【HP】を7点消費します。メジャーは《渇きの主》《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》。対象はジャヴァウォッキーさん!(ダイスを振る)64!!
GM: 「おう、ダメージ出せ出せ!」……装甲値、無視ってますよね?
達也: うん。無視ってる。(ダイスを振る)ダメージは51点!!
GM: マジ痛い……。
達也: そして俺は8点回復。
GM: 「おのれ、バンバンジー……!!」
佐古: バンバンジーのヘイト管理が完璧過ぎる。(一同笑)
鴻: じゃあ、俺の番。まずはマイナーで戦闘移動。ジャヴァウォッキーさん達にエンゲージします。で、メジャーで《アタックプログラム》《コントロールソート》《コンセントレイト:ノイマン》! 対象はジャヴァウォッキーさん!!
GM: ですよねー。
鴻: (ダイスを振る)65!! なので、ダメージが46! 装甲値有効。
GM: 《氷雪の守護》!
鴻: それには《レネゲイドディゾルバー》! ジャヴァウォッキーさんが、ブレスで相殺しようとしたところを、下から顎を斬り上げる。
GM: じゃあ、口から悔しげにブレスが漏れる。くっそー……いてぇ。
鴻: で、ここで、《喰らわれし贄》と《破壊の渦動》を宣言。レネゲイドを食らって、次のダメージを上げます……。
達也: お? お前も食うか?
鴻: いや、それは要らない(笑)。
GM: では、君が剣を引き抜くと、「バカな……っ! 『あの力』を持っている、だと!?」と、ジャヴァウォッキーさんが驚愕する。
鴻: だから、(ネルを指して)そっちのレディや、お前が、こいつを欲しがってんだろ? って賢者の石を見せる。
GM: じゃあ、ジャヴァウォッキーさんはトリスのことを知ってるので、「あの時の娘かぁぁぁぁっ!! 忌まわしきウロボロスどもめ!!」と咆哮する。
鴻: これで、クリンナップだね。
達也: 《フェニックスの翼》! 怪人バンバンジーの力を見よ!!
佐古: 敵方お二人には、邪毒のダメージが入ります。
GM: はい(笑)。
●第三ラウンド
GM: ここで、義正くんが、《イリュージョンフィールド》!
佐古: それ、なんぞ?
GM: 「そのラウンド中、このエネミーを対象とした、あるいはエネミーを対象に含む判定に対して、ダイス-[Lv×5]する。このエネミーの味方がシーンに登場していない場合、及び味方が戦闘不能の状態では使用できない。」
佐古: 何レベル持ってるの?
GM: 3レベル。なので、ダイスが15個減る。
佐古: それ、多分、誰も振れないよね。
達也: まあ、ジャヴァウォッキーさんを先に倒す戦法なのは変わらないから。(一同笑)
GM: ほんとだー!?(笑)
鴻: これでセットアップが終わりかな?
GM: ですね。なので、ジャヴァウォッキーさんの番。いつものコンボだよー。(ダイスを振る)39!!
鴻: 一応、回避(ダイスを振る)はい、無理~。
達也: 《炎陣》でカバーリング! 適合者をやられるわけにはいかん! 適合者の力は、ネル様の宿敵・ジャヴァウォッキーさんを倒す為に必要なのだ!!
GM: (ダイスを振る)ダメージ、72点。
達也: 消し炭になります。
佐古: バンバンジーさん、もう二つロイス切ってるよね? じゃあそこで、《砂塵の城壁》! ジャヴァウォッキーさんがブレスを吐こうとした時に僕が掌をそっと差し出すと、砂の壁が立ち上がって、ダメージを0に。二人を守ります。
GM: はい。
達也: これは……! 死を覚悟していたが、まだ生きていていいようだな。
佐古: ただ、僕、《リザレクト》してて【HP】5点しかないので、9点ダメージをくらって倒れます。
GM: 結局倒れるのね(笑)。
達也: こっちのロイス数を保つ為に、防御してくれたからね。
佐古: 小野義正君にロイスをとって、タイタス化・昇華して、立ち上がります。……君がこういうことになってしまったのは、僕の力が足りなかったからです。――――申し訳ありませんが、倒させていただきます。
GM: では、高熱で、砂の壁がすっかりガラス質に変わって、ジャヴァウォッキーさんが「俺はガラス職人じゃねーぞ!!」と怒ってます。
佐古: それは申し訳ありませんねぇ(にっこり)。
GM: というところで、次は義正君の番。さっきと同じコンボで、鳥に斬りかかるよ。
ネル: 《ジャミング》!! 侵蝕率が100%超えてるので、ダイス-2個!
GM: これねー……地味に影響してる気がする(笑)。(ダイスを振る)38!!
達也: ガード!
GM: (ダイスを振る)よし! ダメージ、49点!!
達也: ガードシールドを展開! これで31点防いで、18点くらった!
GM: 立ってるー!?
達也: いいか? お前一人だったら、私は負けない!! 私は、5人組のヒーローに倒される為に作られた存在だ!!
GM: 「うるさい!! ボクに一撃でも当ててから言ってみろ!!」
達也: ……わかった。ちょっと待ってて。(一同笑)
鴻: ジャヴァウォッキーさんを倒したら、相手するからって?
達也: うん(笑)。
ネル: 次は、私の番! 同じコンボで、ジャヴァウォッキーに攻撃! ここで、ジャヴァウォッキーにロイスを取って、即タイタス化・昇華! ダイスを+10個します!(ダイスを振る)よし、回った59!!
GM: もちろん当たりです。
ネル: ダメージが(ダイスを振る)25点の装甲値無視!! 当たったら、シーン中ダイスマイナス2個ね。
GM: はい。……私、ここで宣言させていただきます。《魔獣の証》~!!
鴻: 《レネゲイドディゾルバー》! って、使えるよね?
GM: ……うん。使えるね。
大きく傷ついたジャヴァウォッキーの全身に、謎の文様が浮かび上がり、傷を癒していく――――かと思われたその時。
跳躍した鴻の振り下ろした白い剣が、その文様の中心となっている、額の水晶体を破壊した。
「ゴァアアアアアアっ!? まさか、この俺がァァァー!!」
怨嗟の叫びを上げるジャヴァウォッキー。
「おう。散々馬鹿にした小娘にやられる気分ってのは、どうだい?」
鴻は外見年齢に似合わない皮肉げな笑みを浮かべて、言った。
GM: それはもう、言葉も無いよね……(笑)。ですがここで、《蘇生復活》!【HP】1で立ち上がります。
佐古: しぶといですね……。
GM: 「ふざけるなぁぁぁぁっ!!」って叫びながら、立ち上がる。
鴻: じゃあ、ヒュウって口笛を吹いて、水晶体から剣を抜いて跳び下りるよ。
GM: でも、この状態だと、クリンナップの邪毒ダメージで、結局倒れちゃうので、ここで《加速する刻》! このエンゲージにいるお前ら、燃やし尽くしてやる!!(ダイスを振る)48!!
鴻: (ダイスを振る)回避は、無理。
達也: じゃあ《炎陣》!
鴻: 大丈夫?
達也: 現在侵蝕率124%で、残りロイス4つだから、まだ平気。
GM: (ダイスを振る)ダメージは、84点!
達也: ジャヴァウォッキーさん……貴様の炎は、確かに熱い。だが! 心の熱さが欠けている!! 料理は心!! って言いながら、ジャヴァウォッキーさんのロイスをタイタス化・昇華して立ち上がります。
GM: では、次の方!
佐古: とりあえず、ジャヴァウォッキーさんを倒さないと、義正君に攻撃できないもんね。
達也: あ! もし良ければ、ジャヴァウォッキーさん俺に食わせてくんない? 義正だと、避けられちゃうかもしれないから。《渇きの主》で回復したいんだよね。
佐古: なるほど。じゃあ、待機!
達也: じゃ、美味しくいただきます。
GM: 来いよ。どうせ回避は20で固定だよ(笑)。
達也: 《渇きの主》《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》で(ダイスを振る)23で当たり! ダメージが(ダイスを振る)30点!!
GM: 「鳥に食われるだとぉぉぉぉっ!?」と、ジャヴァウォッキーさんは倒れます。
達也: ご馳走様でした。(一同笑)――――(義正に)待たせたな。
GM: 「ふっ。これでボクが、勇者にして、二番目の竜王だ!!」
達也: …………そうか。
GM: 「彼の遺志を継いで、ボク一人でお前ら全員、倒す!!」
達也: お前は頭が沸きまくっているのか!?(一同笑)……仕方ない。もう、話すことはない。――――俺のバンバンジーを、食え。
こうして勇者・小野義正vs四人の戦いが始まった。
四人対一人では多勢に無勢。早々に決着が着くかと思われた。
ところが――――。
GM: (ダイスを振る)達成値50で、避けたっ!!
GMの回避の出目が良く、続く佐古の攻撃は外れ。
クリンナップで義正に邪毒のダメージが入り、バンバンジーは《フェニックスの翼》で【HP】を全回復した。
●第四ラウンド
GM: じゃあ、ここで使うか。《アドレナリン》《ポイズンフォッグ》《アウトブレイク》《コンセントレイト:ソラリス》!
達也: シーン攻撃だっ!!
義正が、目にも止まらぬ速さで戦場を駆け回り、四人を切り刻む。
ネル: 《ジャミング》!!
GM: では、ダイスが10個になります。(ダイスを振る)29!
一同: (ダイスを振る)回避失敗!
この攻撃に対して、ネルと佐古はタイタスを昇華して耐えた。
バンバンジーは高いガード値を生かして、鴻をカバーリングしつつ、耐えようとするが――――。
GM: ダメージは3D+20で(ダイスを振る)47!!
GMのダメージの出目が走り、あえなく倒れる。
この時点で、侵蝕率135%・残りロイス3つとなった、怪人バンバンジーは、ここで戦闘から離脱。
ネル: よくやったわ、バンバンジー。後は私に任せなさい!
部下を倒されたネルは、小野義正へのロイスをタイタス化・昇華し、ダイスを増やして攻撃。
だが、これもあえなく義正に回避される。
GM: 「このボクは、誰にも捕らえられることはないのだぁーっ!!」
佐古: 邪毒入ってるけどね。
GM: 「あれは、まぐれ当たりだから!!」(一同笑)
鴻: でも、そのまぐれ当たりが命取りになるかも……(笑)。
続く鴻は、トリスの力である<オリジン:レジェンド>と賢者の石の力も使い、更にタイタスを一つ使って、クリティカル値4で攻撃。
鴻: 俺の背後に、トリスの幻影が浮かび上がる!(ダイスを振る)達成値は75!!
GM: 回避ぃーっっ!!(ダイスを振る)20!?
この攻撃で、鴻は義正の【HP】を58点もぎ取る。
ここで佐古は、自身の攻撃は、義正に回避される可能性が高いと判断し、次ラウンドの義正の攻撃から鴻を守るべく、マイナーアクションで鴻にエンゲージすることを選択する。
メジャーアクションでいつものコンボを撃つ佐古だったが、これは予想通り、義正に回避された。
そして、クリンナップで邪毒のダメージが義正に入り、戦いは続く――――。
●第五ラウンド
GM: 《ポイズンフォッグ》で、範囲攻撃ぃー!!(ダイスを振る)27!!
鴻: (ダイスを振る)回避、失敗。
佐古: 鴻さんを「かばう」っ!
光の剣を大きく振りかぶる義正。
その剣が鴻に当たるかと思われたその時、剣と鴻の身体との間に、佐古の身体が割って入った。
「鴻さん……あと、頼みます。」
搾り出すようにそう言うと、佐古もまた倒れた。
侵蝕率が135%・残りのロイスが3つとなっていたため、せめて最後にと鴻を庇った形だ。
GM: 「これで――――二人っっ!!」
吼えるように言う義正に対し、ネルが攻撃をするが、義正はこれを容易に回避する。
そして――――。
鴻: マイナーでジェネシフト!(ダイスを振る)7%上がって、164%!!
佐古: 帰ってこれる!?
鴻: 大丈夫、頑張る。(ダイスを振る)46!!
GM: 回避(ダイスを振る)――――は、40。
鴻: ダメージが……(ダイスを振る)エフェクトレベル上がってるので、58点装甲無視!!
GM: 邪毒が痛過ぎんだよ……ッ! 義正くんは、ここでオートアクション《鏡の盾》を――――。
鴻: 最後の《レネゲイドディゾルバー》!
GM: え!? あ、160%超えたから!? くっそぉー、刺し違えることさえ敵わないとは……!
鴻の攻撃に対して、カウンターを入れようと目論んでいた義正。
上手くタイミングを合わせて剣を振り上げたが――――手応えが無い。
義正の反撃の気配を察知した鴻が、ほんの一瞬剣を振り下ろすタイミングをずらしたのだ。
たった一瞬のズレ。
けれど、そのズレは、両者にとって決定的なものとなった……。
GM: 大きな傷を負った義正君は、「な、なんで……!?」って顔をして、君を見てる。
鴻: 剣で、下を示す。今、下には佐古さんが倒れてるよね。で、向こうには鳥が倒れてる。それを順に見て、――――俺がここに立ってる為に必要だった犠牲だよ。
佐古: かっこいぃ~!!(←思わず素が出た)
GM: 義正君は、理解できないという顔をしながら、倒れていきます。というところで、クライマックスは終了です!
Back Track
GM: 義正君は、Eロイス・ありえざる存在を2個重ねて取得していました。
達也: じゃあ、ジャヴァウォッキーさんの2個と合わせて、Eロイスは4個?
GM: です。ではまず、Eロイス分を振るかどうか選択してください。
一同: 振りまーす!(各々ダイスを振る)
佐古: これで、115%まで下がった。
鴻: 143%まで下がったよー。
GM: で、そこから各自残ってるロイスの分だけ、侵蝕率が減らせます。
佐古: 経験点をちょっと犠牲にすることで、残ったロイス×2個分、侵蝕率を減らせますよー。ということで、僕は2倍振りをしますー。(ダイスを振る)89%で生還!
達也: こちらも2倍振り~。(ダイスを振る)83%まで帰ってきたー。
ネル: 私も2倍振りかな。(ダイスを振る)72%になりましたー。
鴻: (ダイスを振る)はい、3倍振り決定~。
佐古: ええぇ!?
鴻: あと3Dで、11減らせばいい。
達也: ああ、いけるいける!
鴻: (ダイスを振る)あ、余裕だわ。90%まで下がりました。
GM: では、全員生還ということで、エンディングにいきましょうか!
Ending Phase
01 弔い シーンプレイヤー:霧島達也
達也: では、俺のシーンから。……義正君は、一番因縁のあった俺が行ってやるのがいいと思うんだよね。
GM: お葬式のシーンと、墓参りと、どっちがいいですか?
達也: 葬式に鳥が居ちゃうとシュール過ぎるから、墓参りで。
墓参りでも、十分シュールですが。
達也: 俺は、静かに墓の前で手を合わせている。
GM: すると、花を替えに来た義正君のお父さんが来ました。「と、鳥が居る……!?」(一同笑)
達也: 俺はぺこっと会釈をして。――――彼は、毎日のように、俺に突っかかってきた。俺は決して、快く思ってはいなかったけれど、遊び相手として、俺は彼と上手くコミュニケーションをとってあげられなかった……そう、思っているのです。
GM: 「……あの子にも、友達が居たんですね――――鳥だけど。」
達也: バンバンジーでも食べますか?
GM: 「……いただきます。」
達也: (頭の容器が開く仕草で)ウイーン、ガシャン。(一同笑)
GM: 義正君のお父さんは、凄く驚いた顔をしている(笑)。
達也: どうぞ。
GM: それをもらって食べて、お父さんは涙を流します。
ジャームと成り果てた孤独な少年の墓の前で、泣き続ける父の背中に、鳥怪人となった青年が何を見ていたのか――――それは誰にも分からない。
墓参りを終えた怪人バンバンジーは、帰りを待つ人達の元へと向かうのだった……。
02 新しい出発 シーンプレイヤー:沖田ネル
ネル: じゃあ、バンバンジーが帰ってきたのは、元ジャヴァウォッキーさんの根城だった、古城です。
GM: ああ……考えてみれば、それ作ったのこぁだよ……。そこを新しい拠点にするのね(笑)。
ネル: で、その入り口にでかでかと、おどろおどろしい字で「デスクロス団秘密基地」って書いてある。(一同笑)
こぁが能力で作り出したその古城には、ネルが好む、禍々しくも間の抜けた装飾が、そこかしこにされていた。
城の壁には髑髏がぶら下げられ、窓には鳥の人形が吊るされている。
達也: ただいま戻りましたー。
ネル: おお! 帰ってきたか!! 今日は焼き鳥だー!!
達也: 分かりました。……ところで、こぁ様と話はされたんですか? GMはきっとそういうエンディングを用意してたと思うんですけど……。(一同笑)
ネル: あ、そうだ!! すっかり忘れてた!! Rハンドアウトを公開しまーす。(笑)
【沖田ネル用 Rハンドアウト】
シナリオロイス:こぁ 関係:結婚しよ 推奨感情:結婚しよ/結婚しよ
そもそも、何故賢者の石を求めていたのか。
世界すら変革する力を持つというその存在の話を聞いたとき、君は思った。
――――結婚指輪にしよ。
故に、賢者の石は欲しいが、それ以上に欲しいものがある。
自らが召喚した史上最低最悪の悪魔、こぁだ。
彼女を一言で表すならば、結婚しよ。
彼女が失われた世界等想像出来ない。故に、失われてなどいない(断言)。
どこかにいるはずの彼女を見つけることが出来たなら、すぐにでも迎えに行こう。
達也: つまりこぁ様がいれば、賢者の石なんかもう要らないと!
ネル: そうそう。綺麗な石ならまだしも、あんな煩い石じゃねー。
達也: なるほどー(笑)。
ネル: ま、これでデスクロス団の基地も広くなったことだし、これからどんどん団員を増やして、勢力を拡大していかないとねー!
GM: というところで、焼き鳥を作ろうと、バンバンジーがキッチンに向かうと、丁度フルコースの料理を作り終えたこぁが、可愛いふりふりのエプロンをつけて出てくる。
達也: 素晴らしい! ついに私は、飯炊きから卒業できるんですね!?(一同笑)
GM: 「ネルさま。お食事の用意ができました。」
ネル: はぁーい♪ じゃあ、皆で一緒に食べようか!
達也: ああ、そういえばこぁ様は、以前からネル様に仕えていらしたんですよね?
GM: 「ええ。でも、今のネル様にお仕えするのは、私のほうが後輩ですし、お気兼ねなくー。」
ネル: 今度の怪人は、何がいいかなー? イナゴとかどうかな?
GM: 「ネル様? お話はそのくらいにされないと、こぁ様のお料理が冷めてしまいますよ?」と、マグロスナイパーさんが、皆を食卓に促します。
こうして、賑やかなデスクロス団の日常は過ぎていくのでした。
ネル: あ! Dロイス使って無かったんで、ここで使ってもいいですか?
GM: どんなDロイスですか?
ネル: 工作員です。これで、「デスクロス団は、とってもいいところだよ!」っていう情報を捏造する(笑)。
達也: なるほど! 新規団員募集の為の一手ですね! さすがネル様!!
GM: はい。じゃあ、最後に、君らが団欒してるところに、ピンポーン! ってチャイムの音がする。
ネル: 新規団員きたー!?(一同笑)
GM: というところで、シーンを閉じましょう。
03 それも日常 シーンプレイヤー:佐古修
GM: じゃ、次は支部長、いきますか。
鴻: 親父は、支部の再興ちゃんとやってくれたの?
GM: あ、大丈夫だよ。ちゃんと元通り、ぴっかぴかの支部になったよ。
佐古: そうなんですね。――――で、それよりも! 僕は、小野君がやらかした女子達への記憶操作とか情報操作の方に奔走していると思います。
GM: そうだね。すげー忙しい(笑)。
佐古: そんな間を縫って、和也さんのお見舞いに行きます。
達也: ああ、大事大事。(←和也の兄)
GM: じゃあ、和也さんの病室です。
佐古: 僕は、沈痛な面持ちで頭を下げています。……すみませんでした。
GM: 「ああ、いえ……はい、支部長は悪くないです。貴方が謝ることはないですよ。」(一同笑)
佐古: でも、きっと誠志郎さんは謝らないので……(笑)。
GM: 「謎の島に居る間は、なかなか快適な暮らしをさせてもらっちゃってたんですけどね。」
佐古: それは、不幸中の幸いでした。
GM: 「……日本に渡ってからは、死ぬかと思いました。」
佐古: そうですよね(笑)。生きていてくださって良かったです。
GM: 「あの、ところで……一つ聞きたいことがあるんですが。」
佐古: 嫌な予感を感じつつ、な……何でしょう? と聞きます。
GM: 「その……立って歩く鳥――――」
佐古: びくっとします。(一同笑)
鴻: 佐古さん、嘘つけない子や……(笑)。
GM: 「え!? ど、どうしました?」
佐古: (超動揺した声で)た、立って、歩く、鳥が……どうしましたか?
GM: 「すいません、あの……もしかして、今回戦ったジャームとかの中に入ってませんかね?」(一同笑)
佐古: ジャームの中には、入ってませんよ。
GM: 「そ、そうですか。……じゃあアレは幻だったのかなぁ?」
佐古: どど、どうしたんですか?
GM: 「変な話なんですけど――――意識が朦朧とした中で、鳥に成り果てた兄に助けられたような気がするんです。……いえ、兄が生きているはずなんてないんですが。」
佐古: な、なるほど……。あの時、和也さんは相当消耗していましたからね。夢だったのかもしれませんね。
GM: 「それとも……亡くなった兄が、私のことを助けてくれたんですかね?」
達也: なんかいい話にした!?(笑)
GM: 「なんで鳥だったのかだけは、さっぱりわかりませんが……。」(一同笑)
佐古: お兄さんは、和也さんのことを見守ってくれているんですね……。って言っとく(笑)。
GM: そんな風に話をしていると、美人な和也さんの奥さんが病室に入って来て、「あら、ありがとうございます。わざわざー。」
佐古: じゃあ、この度は~って話を、奥さんの方にも、ペコペコ頭を下げながらする。
GM: で、奥さんが話してくれるんだけど、今回のことがあって、和也さんの転勤が決まったらしい。さすがに危ない目に遭わせてしまった人間を、これ以上同じ任務につけるわけにはいかない、ってことで。
佐古: そうなんですね。和也さんにとっては、良かったのかも。
GM: 「随分良くしていただきまして、ありがとうございました。」
佐古: いえいえ。新しい土地でも、是非お元気で……。
GM: 「ありがとうございます。――――故郷から離れるのは、無念ですけどね。」
佐古: …………。
GM: 「そもそも此処には、僕が望んで配属してもらっていたんですよ。」
佐古: そうだったんですか。
GM: 「ええ。もしかしたら、また兄に会えるかと思っていたんですが……。あ、お恥ずかしい話なんですが、兄は失踪してしまっていまして。なので、生死も分からないんです。」
佐古: ……もし、今後僕がお兄さんと会うことがあったら、ご連絡しますよ。
GM: 「ありがとうございます。」というところで、奥さんが、「貴方、もう休んだ方が……。」と声をあげます。
佐古: ああ、そうですね。長居してしまいました。それでは、お邪魔しました。
病室を出て扉を閉じた後、佐古は眼を閉じて、一つため息をつく。
「さて、と。次の仕事は……。」
多くの仕事を抱え込んだ若き支部長は、山積みになった仕事を少しでも片付けるべく、再び奔走するのだった――――。
04 日常の守り手 シーンプレイヤー:風早鴻
GM: さて、鴻はどんな感じになってるかね?
鴻: 多分、学校に通いつつ、暇なときには、UGNイリーガルとして、事務仕事とか手伝ってる。
GM: なるほど。では――――。
「じゃーなー。また明日ー!」
クラスメイトに声を掛けられ、鴻は短く返事をする。
時刻は夕方。もうすぐ日が落ちようとしている。
そんな中を足早に歩いて、UGN支部へと向かう。
支部に着くと、ジャームの目撃情報を捕捉する仕事をしているオペレーターの女の子が、声を掛けてきた。
「あのぉー……またジャームの目撃情報なんですけど。」
「じゃあ、位置情報送っといて。続報あったら、よろしく。」
「はい! いつもありがとうございます!!」
顔を赤らめながら、そのオペレーターは頭を下げた。
GM: というところで、君の右手に激痛が走る(笑)。
鴻: いてぇ……。
GM: 『ちょっとー! 私というものがありながら、何女の子に色目使ってんのよ!?』
鴻: あー、うるせぇうるせぇ。
GM: で、よく目撃されるジャームの情報ってのは、あの鳥なんだけど……。(一同笑)
達也: コケー!! って、俺ジャームなの(笑)? まあ、買い物任務も無くなったからね、俺。暇してるよね。
佐古: じゃあ、バンバンジーさんのところに鴻さんが着くと、一足先に僕が居て、――――いい加減にしましょうよ。弟さんも心配してましたよ? って言ってる。
鴻: 説教してるー!?(笑)
佐古: 和也さんが弟さんなんでしょう?
達也: 何を言われても仕方ない状態ではあるんだが、まあ、とりあえずこれをどうぞ。
佐古: なんですか? これ。
達也: 今回、営業業務ということで、名刺を百枚配らなきゃいけなくて。
佐古: こんなものもらって、僕にどうしろっていうんですか!?(一同笑)
鴻: じゃあ、オペレーターの子に、こっちのジャームの件は、カタついてたって連絡する。
GM: すると、それと入れ違いになるように、もう一件のジャームの目撃情報が入ります。
すっかり夜の帳が下りた頃。
鴻がオペレーターに知らされた場所に着くと、そこでは一匹の、ドラゴンのような生き物が暴れていた。
「おのれぇ!! 一度倒されても、二度三度と蘇るのが、我ら龍族の定めよ!!」
達也: ワイバーンだー!?
鴻: 俺が居ないときにやられてたひとだー!(笑)じゃあ……。
鴻は《ワーディング》を張ると、暴れる龍に声を掛けた。
「お前、五月蝿い。」
言うが早いか、鴻の持つ白い剣が一閃。
暴れまわっていた龍の首を斬り飛ばした。
鴻: で、再生エフェクト使いそうなところに向けて、《レネゲイドディゾルバー》。
達也: こいつ、外道だ!!(笑)
GM: そんな君に、トリスが声を掛けてくる。『相変わらず容赦ないわねー!』
鴻: お前のせいだろ。
にべもなく呟くと、鴻は再び夜の街へと繰り出す。
――――その闇に潜む、日常を脅かすものを狩る為に。
終
蛇足:ちなみに、本編に出てこなかった「伝説の幻王」は、ツチノコだそうです(GM談)。