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ふざけた神託

 ミラクスくんの治療が終わった後、僕の方はイノシシの腹抜きをして、川べりの水中にイノシシを沈めてから、ちょっと上流で装備をはずして水を浴びてから、3人の所にもどった。


 ちなみに人蛇なんて俺が呼んでたあの怪物は、サーペティアンという魔物で毒も持っているらしく剣などには、自分の毒を塗って攻撃してくる厄介な魔物だったらしい。これは記録の目録で、クルスの記憶をあさるた結果わかった事だった・・・。おそらくは、鑑定の達眼でも分ったんだろうけど、なんというか新しいスキル使ってみたかったのさ。


 でも、戦闘中に鑑定の達眼を、つかわなくてよかったかもしれない。知れば知るほどこえーよサーペティアン。クルスの記憶だと一匹に襲われて村が壊滅したとか・・・ほんとなの?事前に知ってたら俺あそこまで戦えなかった気がする。


 ちなみに、鑑定の達眼も使ってみたところ、蛇部分の革と毒腺は素材として高く売れるとか・・・

時々、高位魔石を体内に持ってるものがいる

・・・とかもわかったけど


 俺、イノシシの解体なら子供のころじいちゃんがやってるのを見たこともあったし手伝わされてもいたので、どうという事は無かったんだが、サーペティアンの解体はちょっと・・・人間混じりな感じがあるので、やる気になれず剥ぎ取らずに放置していたんだが・・・


 ミラクスくんがサクサクやり始めた。すっげー手慣れてるんだこれが。あまりにも手慣れてるから聞いてみたら、村で魔物の解体や使える素材の剥ぎ取りをする仕事のお手伝いもしてたらしい。


 サーペンティアンは、さすがに初めてだったらしいけどオークとか、ゴブリンとか人型のも結構やってたとか・・・オークにゴブリン・・・竜がいる段階でもしかしてとは思っていたけれど、この世界にはやっぱりいるんだな。


 そんなこんなでミラクスくん剥ぎ取り終わった戦利品を俺に持ってきてくれたんだが・・・革に毒腺に、両方のサーぺティアンから運よくとれたという高位魔石の2つも戦利品は、すべてミラクスくん達にあげる事にした。


 結構いいお金になるらしい。


 本当は高位魔石には興味があったんだが、ミラクスくんの話によると3人のお母さんは、どうやら病気らしいのだ。そして仕事をする為に街に出たのに、治療費が凄くかかる病気にかかってしまって働けないでいるらしく、そんなお母さんの代わりにナーシャさん達はグラースさんのところで働き、ミラクスくんは剥ぎ取りのお手伝いで作ったお金をお母さんに送ったりしてたらしい・・・。

 そんな母子の生活を見かねたグラースさんが、子供たちも街で働いて、お母さんのそばに居たほうがいいだろうと仕事先を見つけてくれ、今回街に向かっていたという事らしい。


 そんな話を聞いたら、魔物の素材くらいあげたくなるじゃないか?だいいち俺は捨てて行く気だった魔物の死体から素材を剥ぎ取ったのはミラクスくんだしね。


 ちなみに、顔に似合わない良い人だったグラースさんの遺体の埋葬は、しっかりと深い穴を掘って魔物に荒らされないようにして、急ごしらえにしては立派な墓標を作って埋葬しラルーシャちゃんのつんできた花を手向けてから、彼の遺族に渡すために遺品になりそうな物を一通り袋に詰めておいた。


 何かの時に遺族に彼の眠る場所を教える時のことも考えて、星天測位網でマーキングもしておいた。


 そんなこんなで彼の埋葬を終え、ミラクスくんの見事なサーぺティアン解体ショーを終えると、乗って来た馬車が襲われたという場所へ行ってみる事にした。襲撃場所には馬車の荷が散乱し、サーペティアンの毒でやられたのか馬はかわいそうに死んでいた。


 お馬さんも食料に・・・なんて少し思ったんだが、どうも、サーペティアンの毒は普通の蛇毒と違って獲物に残った毒を食べた場合も毒に耐性の無い生き物は、サックリと死ぬらしく彼らの毒で倒された獲物は、サーペティアンの撒き餌と呼ばれ、食べた者を殺す罠としてサーぺティアンの猟に用いられる場合があるそうなので残念ながら街道横の林の中に移動させて放置することにした。


 ・・・ほんと嫌な魔物だ、殲滅してやりたいくらいに・・・二度と会いたくない。


 馬車自体も魔法を打ち込まれたようで、かなり壊れてしまっていたが、車輪部分は無事だったので

壊れた幌とかを取り払ってやることで荷車としては、どうにか使えそうになった。

 イノシシ・サーペティアン素材に3人の荷物・グラースさんの遺品etc、そして時々ラルーシャちゃんも運ぶ事を考えると荷車はやっぱり要るだろうね。


 問題は、それを引くのが俺ってことだ・・・馬にひかせるならまだしも人が引くとなると、元が馬車の荷台だけに無駄に大きい。


 イノシシと、元からの荷物がなくなったら・・・駄目だなサーペティアン素材も、結構重いんだよ2匹分の革が特にね。


 でも、お母さんの治療費の足しにしようって、なっている物を置いて行けともいえないし・・・諦めて馬役を頑張るしかないか。


 ぶひひん!お兄さんはこっちもお馬さんなんだよ?

 ・・・と一瞬変なセリフが頭に浮かんだ


 なんだ今の馬鹿丸出しのセリフは?どこの変態スケベ親父だ!!あの姉妹のどちらかに、あんなセリフはいた日には・・・俺、死んでよし!それにしても、脳みそが膿んでるんじゃないかというくらいの腐れ台詞だな・・・馬鹿すぎる。ありえねぇ、あれを俺の脳が作り出したと思うと、なんか馬鹿すぎて死にたくなってきた。


 『聖神の神託』

 そんなにバカバカ言わないでよ、冗談で言っただけじゃない。


 「きっ」(貴様かーーー!!!)


 (一瞬、口に出して絶叫しそうになっただろが!お、お前・・・いくらなんでも神託で、あんな言葉吹きこんでいいのかよ?)


 さすがに、いくらなんでも聖神が神託使って俺の脳内に送り込む言葉じゃないだろ・・・


 『聖神の神託』

 ・・・言わせたら面白いかと思って


 (面白いのは、お前だけだ)


 『聖神の神託』

 だって可愛いじゃないあの子たち


 (可愛いのと、さっきの言葉のどの辺が結びつくんだよ・・・お前はセクハラおやじか?)


 『聖神の神託』

 可愛いのは認めるんだ~やっちゃえば?


 (・・・おま、聖神ってウソだろ)


 『聖神の神託』

 ガーンいきなりの全否定、聖ちゃんショック!


 (・・・)


 『聖神の神託』

 ごーめーん、じょおーだんー♪


 (・・・やべぇ殴りてぇ・・・)


 『聖神の神託』

 ごめんなさい!冗談です!許してください!


 (なんで下手に出てるんだ聖神のくせに)


 『聖神の神託』

 うーほんとごめんね、人と話せるの久しぶりだから


 (まぁ、いいよ反省してるなら・・・でも、2度とすんな!)


 『聖神の神託』

 えーその件につきましてはー前向きに、善処する所存です。


 (・・・どこの政治家だよ)


 『聖神の神託』

 にひひ、クロスちゃんは面白いね。


 (お前ほどじゃない)


 『聖神の神託』

 えへへ、照れるなぁ♪


 (褒めてない・・・褒めてないから・・・)


 『聖神の神託』

 うふふ、でもクロスちゃんは褒めてあげる。さっきのね魔石は、私からの人助けのご褒美だったの

それなのに、困ってる子たちにあげちゃうとか・・・いいねーいいよすっごくいい。


 (あーあれ、もしかして祝福の効果だったのか)


 『聖神の神託』

 そうそう、だからクロスちゃんには、他のご褒美あげるねプ・レ・ゼ・ン・ト♪


 『聖神の使途<称号>』

 聖神の私の思い通りに動いてね♪という気持ちを込めた称号。・・・特に意味は無い。


 (ことわる!)


 『聖神の神託』

 ごーめーん、じょおーだんー♪


 (・・・)


 『聖神の神託』

 ごめんなさい!冗談です!許してください。


 (・・・こ、こいつ・・・)


 『聖神の神託』

 あーん、ほんとごめんってば!ちゃんとプレセントあげるから~いくよ、よいっしょお!!


 うお?手甲が光り出し、光が消えたら・・・うん?なんだ黒くなってデザインも別物になってやがる。


 『聖神の神託』

 はぁはぁ、おじさんのここ、こんなに黒いんだよ、ぐふふふ


 (・・・おまえ、それ素か?)


 『聖神の神託』

 え?いや違うから!誤解だから~ぁぁあぁぁぁぁぁ


 ・・・ブツン・・・


 まじか、今ので神託切りやがったぞ、それにしてもアレで本当に聖神なのか?


 「クロスさん、いまのって・・・」


 背後から女の子の声がする。振り向くと好奇心いっぱいの目をしたナーシャさんだった。

ありがとうございます。

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