賑わう夜の違和
賑わう夜。
だが、どこか騒がしすぎる。
「これ、3番テーブル」
「注文入ったよー」
忙しない3人を横目に、なゆたはグラスを片手に上の空でいる。
「なゆたー?ごめん、ちょっとこれ運んで」
グラスを離すことなく、チーズのおつまみをテーブルに運ぶと、
━こいつもか
言葉にはしなかったもののそこには人ではないなにかも混じる。
「はー…ちょっと休憩。酒どう?」
「美味しい」
そりゃよかった。と笑うヤマトの隣に腰をおろす。
「賑やかだね」
「そーだな。人じゃないなにかも混じってるけど」
視線をまわし、ひとつのグループが気になる。
「あれは、たぬきか?人に化けるのが上手い」
━だが。
なゆたは眉をひそめた。
(…匂いが違う)
「…祢々切丸のこと何か知ってるかな」
「タヌキだろ?たいした連中じゃない」
━それもそうか。いや、でも…
グラスの中の酒はいつの間にか空になる。
「気になるならカラスを追わせるか?」
人も落ち着き椅子に腰をかけるサクヤは、ジッとタヌキを見つめる。
「…そーだなぁ…念の為ってやつ?」
「カラスにそう伝えておこう」
その言葉のあと、窓の外で影が揺れた。
「サクヤのそれ、便利だね。やっぱ同じカラスだから?」
「それもある」
━カラスがたくさん集まったら空でも飛べるのかな
「…変なこと考えてんだろ」
何かを思い出したかのようにヤマトはニヤニヤとサクヤを見た。
「そーいや、お前…カラスに求愛されてなかったか?」
「…まじで忘れろ」
一方でニコは客の心を掴んだかのように視線を集めていた。
だが、その目は笑っていなかった。
━あの目は、情報を集めてる目だ
その時。
ニコの笑みが、一瞬だけ止まった。
(まさか…)
カラスの求愛って見たことあります?可愛いんですよ




