誘惑失敗、どうしてこうなった
レオンがカノンの事を、恋愛感情で好きでいてくれる筈が無い。
そもそも昔からだと言っている。
カノンがレオンとで会ったのはつい最近、きっと記憶の混濁があるのだろう。
確か時間の経過と共にそれは改善されると、以前本で読んだことがある。
ならばしばらくレオンを、カノンは引きとめる必要がある。
そして出来るだけ、レオンには穏やかでいて欲しい。
本当はカノンは怖いのだ。レオンに嫌われるのが。
「……しばらくレオン、お前を僕の部屋に監禁するから」
「監禁か、卑猥な響きだな」
「どうしてレオンはすぐそっちに話を持っていく……」
「でも、好きな子にされるなら本望だな」
と、にこやかにカノンは笑いかけられて、カノンは言葉に詰まる。
レオンの好きな子がカノンであれば、どれ程良かっただろう。
そんな想いが駆け巡るも、カノンは情緒的になるのではなく、確実にレオンを手に入れようと思って誘惑する事に決めた。
「レオン、レオンがここにいて、僕のものになるなら、レオンの欲しいものを何でもあげる」
人には欲がある。
その欲望を満たして相手の気を引くのだ。
そして魔王であるカノンは、その気になれば力づくで、どんなものでも手に入れられる。
もしレオンが王の地位を望むならば人の王に据える事だって、カノンがやろうと思えば出来るのだ。
そんなカノンの自信に溢れた物言いに、レオンは心の中で苦笑する。
本当にカノンは何も分かっていない。
「どうだ、レオン。お前の望むもの、その全てを僕が与えてやる。だから僕のものにならないか?」
「魅力的だな、それは」
「だろう?」
こんな形でも、カノンはレオンを手に入れたいと思ったのだ。
そしてレオンも揺れている。
カノンが魔王だと分かっているのならば、それが真実だと分かるだろう。
さあ、願え。
そうすれば、レオンは僕のものだ!。
「そうだな、じゃあ一つだけ欲しいものがある」
「なんだ?」
カノンが、してやったというように笑みを深くする。
そんなカノンを見てレオンは小さく笑う。
カノンはもうレオンの手の中にいて逃げられない。
それが分っていたから、レオンは魔王と言うべき威厳と魅力を振りまくカノンに言った。
「俺は、カノンが嫁に欲しい」
「……は?」
「だから嫁」
カノンは黙った。
よく見ると顔が真っ赤になっている。
そんなカノンは、レオンにとって押し倒してしまいたいくらい可愛かった。
だがまだ駄目だから、がんばれ俺とレオンは心の中で繰り返す。
一方カノンも、どうしたら良いのか分からなくなっていた。
嫁、レオンの嫁。嬉しい、嬉しいんだけれど、でもそれは記憶の混濁の影響で。
あわあわと慌てるカノンにレオンは追い討ちをかける。
「それ以外俺は何も要らない。カノンが嫁になってくれなければ、カノンのお願いは叶えられない」
「レオン……」
「代わりに力づくでカノンを俺のものにする」
「な!」
「言っただろう? 好きだって。だから……もう、逃がさない」
そうレオンに優しげに笑いかけられて、レオンの手がカノンの頬を愛しげに撫ぜる。
カノンは駄目だと思った。
もう逃げられない、カノンが狩るつもりだったのに、レオンに狩られてしまった。
なんで、どうして……。
不安そうに瞳を揺らすカノンに、レオンは更に優しく囁く。
「それでカノンはどうする? 自分から嫁になるか、俺に力づくで奪われるか」
「……レオンは、僕が嫁で後悔しない?」
「ああ」
「それが魔法の影響だとしても?」
「ああ」
そこまで聞いて、カノンは腹をくくる。
「分かった。僕は、レオンのお嫁さんになる……え?」
そう答えた瞬間、カノンはレオンに押し倒された。
何故か分からずカノンはレオンを見上げると、獲物を前にした猛獣のような獰猛さがレオンの瞳に見えた。
それにカノンは何故だか分からないが、震えてしまう。
いつものレオンと違って、とても……。
そんなカノンにレオンは笑って、
「……雄に支配される喜びを教えてやるよ」
カノンは何かをはやまった気がした。
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と、いうわけであれなシーンが入るので次回は時間が吹っ飛び、朝チュン、のつもりが、ちょっと変えてみました。一般向けならで和の展開にしたいです。
次回は、できるだけ近いうちに公開したいと思います。すみません




