表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【創作BL】戦う魔王様!?~魔王様は勇者の仲間に紛れ込みました~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第9章 戻ってきた日常(4)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/214

愛が重い

 先住民族であるのが魔族なので、魔族の使える魔方陣はこの世界の各所に転がっている。

 故に、行こうと思えば何処へでも容易に魔族は行く事が出来たりするのだが……。

「カノン!」

「父様!」

 そうカノンは父であるトリューカースに抱きついた。

 そして、彼はすぐにルカに目をやる。

「彼が、私達に似た……」

「未来から来た僕の孫です」

「はじめまして、曾祖父様、我はルーズカースと言います。一応今はルカと偽名を名乗っています」

 そう挨拶をするルカに、

「そうですか、確かに魔王の気配がしますね。赤い瞳のカノンのそっくりさんがいるといった話を聞いていたので……彼はレイルという私の恋人です……彼が町で聞いてきて、そうですか、曾孫ですか」

 そう大きく頷くトリューカース。さらにカノンが、

「そういえばフーリエの村で聞かれたのはルカの事だったのかな?」

「確かに我達はそういった名前の村に、立ち寄りました」

「もしかして、僕達の行動を先回りする形で移動していた……なんてね」

 そう冗談めかしてカノンが言うと、ルカが少し考え込んでしまう。なのでカノンは、

「ルカ、冗談だから」

「え? あ、はいそうですね。冗談……」

 そう苦笑するルカだが、そこでトリューカースが問いかけた。

「ルーズカース、貴方はなぜ、予知能力を持っているのですか?」

「え?」

 カノンが驚いたようにルカを見た。

 その力は、魔族の、魔王の真の敵である性悪の“光の神”が自分に似せた人の王に与えた力だ。

 その力をいったいなぜルカは持っているのだろう。

 けれどルカはじっと何かを思案するようにトリューカースを見て答えた。

「……ご想像にお任せします」

「“光の神”の策略の一つであると?」

「……そのようなものの一つです」

「よく、そんなものを受け入れましたね……ルーズカース、貴方は、その赤い瞳から察するにとても強いのでしょう?」

「……生まれた時から持っていましたから。それに今は封じられて使えません」

「なるほど、生まれてすぐに呪いをかけられたと? そして今はそれの影響はないと」

「そうですね……そうとも言えるかもしれません」

 そこで二人の間に変な空気が流れて沈黙する。ルカはにこやかに他人行儀に笑って、対するトリューカースも似た表情で、それはいつもの父とはカノンには違って見えた。

 さらに父の瞳がどこか虚ろげに見える気がするが……。

 ちらりとレイルを見やると、真剣な表情でルカを見ている。いつもと変わりが無い。

 となると、父を守るであろうはずのレイルがこういう状態であれば、父に何か異変が起きたとは考えにくいとカノンは判断した。なので、

「父様、ルカは呪われているかもしれませんが僕達魔王一族の……」

「そうですね。家族のようなものです。ルカ、こっちに来てもらえますか?」

 トリューカースがルカを手招きする。

 少し躊躇したように近づくルカは、トリューカースの手の届く範囲にやってきた瞬間、トリューカースにがばっと抱きしめられた。

 服に顔を押し付けられてルカは苦しいのか、むぐむぐ暴れているが、トリューカースは嬉しさのあまりそのことに気付いていない。

「むうんんっ……ふくううう……」

「ああもう、僕の曾孫ですか。可愛い可愛い可愛い!」

「むぐぐぐ、んんぐううう……」

「ちょっと大きく育ってる気がしますが、これくらいなら許容範囲です。変な力が気になりましたが、それでも貴方が僕の曾孫であることには変わりありません!」

「ふうううんん……うぐぐぅ……ぐ……」

「ああ、可愛い可愛い可愛い可愛い」

 可愛いと連呼しながら、とても嬉しそうにトリューカースはルカをぎゅうぎゅうと抱きしめている。

 暴走するトリューカースの腕の中で、ルカの悲鳴は完全に途切れてぐったりしている。

「……トリューカース、それぐらいにしてやったらどうだ?」

 見かねたレイルがトリューカースの肩を叩いて、そこではたとトリューカースが気付いた。

「え? あ、大丈夫ですか、ルーズカース」

 目を回しているルカだが、トリューカースが手を少し緩めるとささっと逃げ出してカノンを盾にするように隠れる。

 ルカの目は涙目だった。

 一方トリューカースは、曾孫のルカに逃げ出されて少し悲しそうだ。

 どっちに味方すればいいのだろうとカノンが迷っていると、トリューカースが、むうっと頬を膨らませた。

「こら、ルーズカース、貴方はカノンよりも強い力を持っているのに、何で隠れるのですか!」

「あ、いえ……我は今魔法が一切使えないので、お祖父様達よりも弱いので良いのではないかと」

「……魔法が使えない? まさか……」

「あ、いえそうではなくて……」

 そこで、以前カノンにした説明をルカは再び、かくかくしかじかとトリューカースに説明した。案の定、

「その首飾りの作り方を教えてください!」

 目をきらきらさせて、トリューカースは油断しているルカに抱きついたのだった。

次回、一時間後。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ