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【創作BL】戦う魔王様!?~魔王様は勇者の仲間に紛れ込みました~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第3章 戻ってきた日常(1)

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誤解ですか、うふふ

「カノンちゃん、レオンをそんなにロープでぐるぐる巻きにしてどうするの?」

「寝たふりをして様子を見ていたら、早起きして逃げようとしやがりましたので」

「うーん、縄抜けされたら終わりなんじゃない?」

「……レオン、縄抜けとか出来たりする?」

「ふ、俺の辞書に不可能という文字は無い」

「欠陥品の辞書の話は良いとして、出来るの?」

「見よ!この華麗なる技!」

 しゅるんと縄から抜け出るレオンを見て、そしてそんな自慢げなレオンを見て、カノンはレオンの手を握った。

「え?」

「この前服を掴んでいたら逃げられたから、手を握る事にした。こうしていれば逃げられないでしょ?」

「え、あ、うん。ソウデスネ」

「レオン、良かったね」

 まったくレオンには困ったものだ。やっぱり僕が付いていないといけないらしいと、カノンは嘆息する。

 そんな二人の様子を、イオがにまにまと笑ってみていたのだった。


「じゃあ、僕達も手を繋ごうか、トラン」

「うむ」

 そんなイオとトランと別れて、防具屋へ。

「えーとこれとかこれは? これぐらいで……」

 店員と交渉していると、ちらちらと客がカノン達の方を見てくる。なんだろうと思っていると、小さい声で誰かが舌打ちして、

「ち、アベックで買い物に来るなよ」

 え?、誰がアベッグ?、いや、そういえば恋人同士は手を繋ぐもので、今カノンはレオンと手を繋いでいて、いや、だって逃げないようにしているだけだから。

 これでお願いしますと、防具を買って、慌てて外に出る。

「カノン、どうしたんだ?」

「防具を買ったから、もう手を離してもいいよね。レオンも好きにしていいよ」

「じゃあ、俺はもう少しカノンと手を繋いでる」

「何故!」

 だって、それでは本当に恋人同士みたいではないか。カノンとレオンが恋人同士。カノンはそう考えると胸の鼓動が速くなり、頬が熱くなる。

「カノン、顔が赤いぞ?」

「だ、だって手を繋ぐなんて……」

「昔は繋いでいたじゃないか。子供の時。"幼馴染"なんだからおかしくないだろう?」

 言われて、そうかもとカノンは思った。友達と手を繋ぐ事は良くある事だ。

「そ、そう言われてみれば、そうかも」

「何だカノン、恋人同士に見られるかもって思ったのか?」

「う、それは」

「言わせたい奴には言わせておけばいいさ。それに手を繋いでいれば、はぐれる心配も無いだろう?」

 レオンのくせに、もっともな事を言うとカノンは少しむくれる。

 そんなカノンをレオンが引っ張る。

「せっかくだから名所を見に行こう。それくらいは良いだろう?」

「……帰りにギルドによって、依頼を探すから、それを忘れなければ別に……」

「ようし、そうと決まれば俺、がんばる!」

「何をだ!」

 そんな事を話しながら、カノンはレオンに手を惹かれて走り出したったのだった。


 綺麗な花畑が広がっている。確かに美しいし、それを見るのはカノンも好きだ。だが、

「何でそこら中でいちゃいちゃと……」

 カノンは彼らを見て、頭が痛くなる。あと人前でキスをするな。もっと慎み深さを持て。

 そんなカノンを見てレオンが、 

「いや、名所ってそういうものだから」

「……二人っきりになれる所が良い」

「え?」

「あいつら目障りだから、静かな所に行きたい」

 仕方が無いなと、レオンに手を引かれたその場所は本当に人は居なくて、花畑が一望できる場所だった。

「カノン」

 名前を呼ばれて振り返ると、レオンの手に一輪の花があって、その花をカノンの髪にさした。

「綺麗だよ、カノン」

「な!」

 そんな事を言ってレオンが優しく微笑むから、カノンは顔を真っ赤にしてしまう。

 そのままカノンの髪にレオンが触れて、カノンは急いで逃げ出した。

 けれど手を握ったままだから、すぐ引き寄せられて、カノンは何にが何だか分からなくなる。

 顔が熱くて頭がぐるぐるして、まともにレオンの顔が見られない。

「どこにも行くなよ?」

「え?」

「消え入りそうに綺麗だったから、不安になった」

「……もう、ギルドに行こう。やっぱり早めのほうがいい依頼が有ると思うから」

「カノンがそういうならそうかもな」

 レオンがすぐに納得したように頷く。だからカノンはほっとした。

 自分は魔王だから、いずれレオンの前に敵として現れるだろう。

 けれどそのとき自分は本当に……カノンは、小さく溜息をついたのだった。


「以前来られませんでしたか? あ、その人は赤い目でしたね」

 カノンを見た受付の人が、そんな事を言うのでカノンは心の中で思った。

 自分みたいな者は、引きこもりになっている父様くらいだろう。失礼な。

 そして依頼が一つ。

「泉の水を汲んでくるだけで、1500リン?」

 破格の値段だが、この程度ならば大丈夫だろうと受けることにした。そして、

「そういえばレオン、新しい技、どうする気だ?」

「もう決めた」

「……聞いていい?」

「見てのお楽しみだ」

 即座にその技を忘れさせようとするカノンとレオンの攻防は、宿に着くまで続けられたのだった。

お気に入り、評価ありがとうございます。とても励みになります。


次回更新は未定ですが、よろしくお願いいたします

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