【織田信長編】第29章:星間基軸通貨の発行と宇宙貿易の完全独占
超魔導宇宙戦艦『安土』を旗艦とする大艦隊を率い、未知の星系を電撃的に平定した覇王・織田信長。彼は武力による制圧に満足することなく、すぐさま次なる刃を「宇宙の全財宝の掌握」へと向けた。彼が征服した星々のタキオンモニターで凝視したのは、異星の生命体たちが独自の希少鉱石や、不安定な魔導エネルギー結晶を乱雑に交換し合っている、極めて未熟な広域交易の現状であった。「星ごとに異なる石を銭の代わりとし、利を貪るなど、天下の巡りを阻む大罪なり」信長は不敵に笑い、漆黒のマントを星海の無重力の中で激しく払った。「宇宙の価値の基準を他者に委ねるなど、主権を敵に握られているも同じ。余がかつて地上で撰銭を禁じ、経済の骨組みを整えたように、この星海にも唯一無二の『絶対の信用』を鋳造してやる。帝都の巨大ドック直轄の『星間中央銀行』を設立せよ。全宇宙の時空を超えて価値が不変たる統一デジタル貨幣『帝国永楽星貨』を発行し、すべての星系の富をエルサレム=帝都の一点に集中させるのだ」信長は自らの苛烈な経済主権の意志を新たな星間経済法度へと叩き込み、全星系への経済布告を発した。彼が宇宙の旧弊な物々交換システムを解体するために刻んだ近代的な最高概念が、無数の光年を超えて響き渡る。――「通貨」(つうか)――「主権」(しゅけん)この絶対の権能のもと、全宇宙規模での統一通貨の流通が電撃的に開始された。『信長の命により、全星系をネットワークで結ぶ星間中央銀行が創設され、国家がその価値を永久に保証する統一通貨が発行された。さらに、各星系を繋ぐ超光速ワームホール鉄路を拡充するための資金調達として、異星の豪商たちを巻き込んだ『星間国債』の発行制度が確立された。王は全宇宙に宣言した。「我が帝国の貨幣は、星々の神話が語る奇跡よりも正確であり、普遍である。この主権の輪に加わる者は富み、拒む者は星海の荒野に沈むであろう」』信長が改訂を終えた瞬間、全星系の主要宇宙港には整然とした近代的な両替ホログラムが立ち並び、統一貨幣が宇宙の新たな血流となって激しく巡り始めた。古い異星のギルドや宇宙海賊による略奪構造は完全に無力化され、国家の「信用」そのものが大宇宙を統治する、最強の経済覇権がここに誕生した。「フハハ! 宇宙のすべての富は、余の掌の中に集まる!」信長は刀の柄を叩き、豪快に笑った。「古い神域にすがる守旧派どもよ、これが余の、そして人間の新しい宇宙金融の力だ」【伊藤博文編】第31章:星間内閣の組織化と宇宙最高裁判所の設立一方、時空の対極でその強大な宇宙経済の躍動と版図の拡大を眺めていた内閣総理大臣・伊藤博文は、国家が肥大化した「富と武力」によって内側から崩壊するのを防ぐため、次なる不滅の「法の安全装置」の構築に着手していた。信長が世界市場の独占を進めるのに対し、伊藤が目指したのは、宇宙の最高権力者といえども法を破ることは許されないという「星間法治主義」の確立であった。「星海がどれほど広大になり、通貨がどれほど巡ろうとも、それを統制する政府の議論が旧態依然のままであっては、国家は宇宙の闇へと脱線してしまいます」伊藤は眼鏡の奥の目を鋭く光らせ、万年筆を静かに構えた。彼の脳裏には、明治の日本において、それまでの古い行政の仕組みを全廃し、日本初の「内閣総理大臣」として各省の長官を統括する近代的内閣を組織したあの不眠不休の制度改革の日々が、全宇宙の統治機構の設計として蘇っていた。「一部の有力貴族や異星の指導者による独裁を徹底的に排除し、すべての行政権を一つの責任ある組織へと集約せねばならない。ここに、各星系を統括する『星間内閣』の仕組みと、政府の暴走をチェックする独立した『宇宙最高裁判所』を創設します。国家の針路を決めるのは、個人の武勇ではなく、合議と責任の力です」伊藤の筆先から、青く澄んだ理性の光が新たな星間官制大権の条文へと迸った。明治の日本が欧米の近代国家と対等に渡り合うための内政の極致とした最高概念が、今、全宇宙の全星系に発布される。――「内閣」(ないかく)――「司法」(しほう)これらの言葉が、特権階級による密室政治や異星人間の不透明な裁判の歴史を、完全に塗り替えていった。『内閣総理大臣・伊藤博文は、皇帝の勅許を得て「宇宙帝国内閣官制」を発布した。これにより、全ての国務大臣から構成される合議体としての内閣が正式に発足し、憲法に基づいた行政を一元的に司る仕組みが確立された。さらに、行政の干渉を一切受けない独立した『司法』の最高権威として、エルサレムに「星間最高法院」を設置した。伊藤は全星系の代表を前に、静かに宣言した。「我らの政策の正当性は、一個人の武力や権威ではなく、憲法と制度に対する責任によってのみ与えられるものである」』伊藤の万年筆が最後の宇宙最高裁判所の条文を綴ると、帝都の首相官邸において、各星系の専門官僚と閣僚たちが、国家予算と政策を巡って緻密な合議を行う幻影が美しく浮かび上がった。力と独断でしか意思を示せなかった異世界の旧体制は消え去り、高度な行政能力を誇る「宇宙規模のシステム国家」の頭脳がそこに完成していた。「これで、国家の最強のエンジンと、それを制御する確骨たるブレーキの双方が宇宙規模で完成しました」伊藤は万年筆を胸に収め、誇らしげに微笑んだ。「いかなる激動の時代が来ようとも、この内閣の議論が、常に宇宙を正しい夜明けへと導くでしょう」




