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プロローグ

魔法少女モノを目指すわけで、ホラーになるのはここだけかと…

八月二十五日。夏休みの終わりが足音を立てて近づく、十九時。

「うわぁっ!」

「きゃああっ!……もう、驚かさないでよ」

「ごめんごめん、枝に服が引っかかっちゃって」

真夏ゆえに日は長い。竹藪の入り口を振り返れば、まだうっすらと残光が滲んでいる。だが、一歩踏み込んだ先は、重苦しい湿気と熱気がとぐろを巻く別世界だった。

四人の少女たちは、不気味な静寂を切り裂くように、藪の中をずかずかと進んでいく。

「何か出そうね……」

先頭を歩くのはエリ。恐怖を微塵も感じさせない足取りだ。

その後ろを、不安と興奮が混ざったような顔でついていくのがサナコ。ついさっき悲鳴を上げた張本人である。

エレカは、怖がる妹のレイカの手を引きながら進む。最後尾のレイカは、小学生らしい小さな肩を震わせ、周囲を警戒するようにキョロキョロと視線を彷徨わせていた。

「この藪のこと、みんな知ってるよね」

エレカの言葉に、サナコが「いったいどれのことさ」と肩をすくめる。

八旗やはたの祟り。

この地に古くから伝わる禁足地の伝承は、ネットや噂話を経て、尾ひれがついた都市伝説へと変貌を遂げていた。地元に住む彼女たちですら、どこまでが真実で、どこからが創作なのか判別がつかない。

「……てんてん」

レイカがぽつりと呟いた。

数ある噂の中でも、最も有名なのが『てんてん』だ。

森で死んだ者の怨念、土地の守護神、あるいは封印された祟り神――。

正体については諸説あるが、その姿の描写だけは一致している。

巨大な六本足のサンショウウオのような体に、無数の「人面」がまだらに生え、蠢いているという。

「なんで『てんてん』って呼ぶか、知ってる?」

エリの問いに、サナコが即座に答える。

「人面がまだらについてるからでしょ?」

 四人は境内の中心へと足を踏み入れた。

そこは、周囲の鬱蒼とした竹藪が嘘のようにぽっかりと開けた空間だった。真ん中には、天を突くような巨躯を誇る御神木が鎮座している。

その奥、月明かりに照らされて浮かび上がっているのが本殿だ。

「休憩!……ふぅ、みんな揃ってるよね?」

エリの声が、湿った夜の空気に鋭く響く。

三人が口々に短く返事をした。

「なんだ、案外たいしたことないじゃない。ぜんぜん怖くないわ」

「本当。明るい場所に出るとホッとするね……」

エレカに続いてサナコも安堵の息を漏らす。先ほどまでの、何かに追いかけられているような焦燥感は、月光の下で少しずつ霧散していった。

「じゃあ、さっさと写真撮って帰ろっか」

エリが懐からスマートフォンを取り出した。

本殿の奥、闇に沈んでいる「御神体」の写真を撮ること。それが、今回の肝試しの最終目的であり、この場から立ち去るための免罪符でもあった。

一同が本殿の階段に足をかけた、

 ガタン、何か大きな音が鳴った気がした。

床はボロボロで一歩進むたびに足に凹凸が伝わってくる。

3人の中学生はズカズカと前に進んでいく。

「これね」

エリはそう言って、すスマートフォンを取り出す。

シャッター音が森全体を貫くように響いた。

「これで帰れるわ」

もう慣れてきたのか、3人はため息すらつかない、ただ一人レイカはまだ怯えた様子だ。

4人はもと来た道をなぞるように歩き始めた。

レイカは何かに吸い込まれるかのように振り向いた。

「どうしたの?」

突然立ち止まったレイカにエレカが問いかける。

「…ううん?なんでもない」

レイカはハッとしたように、再び姉の手を握った。

ポツンっ

「ひゃっ」

サナコが叫ぶ。

「雨だね、傘でも持ってきたらよかったかな」エレカが言った。

ポツポツと小さな粒が落ちてくる。

風も強くなったような気がする。

「傘はダメだよ」

「なんで?」

「引っかかるじゃない」あたりを指差してエリが言った。

「急ごう」

3人は少し駆け足になった。雨は徐々に強くなり、あたりは泥濘む、森はより大きな声で鳴く。

レイカはそれに振り回されるようについていく。

 半分ぐらいきたところで、レイカはまた体を突き刺されるような感覚を覚える。

バシャン

後ろに気を取られ、木の根に躓いてしまった。

泥濘んでいたおかげで、そこまで痛みは感じなかった。

立ち上がると3人が少し遠くに見える。

「あっ…お姉ちゃん」

3人は気づかない。

ここで、追いつかないと

待って…レイカは立ち上がり足に力を込めたが、滑ってまた転んでしまう。

次に顔を挙げた時、3人の姿は見えなかった。

「どうしよう…」

レイカはもと来た道を沿うように進む。

木々はレイカを嗤うかのように煩く鳴いている。

レイカはキッズ携帯を取り出す。

泥は被っているがちゃんと機能するようだ。

レイカは周りに怯えつつ、ゆっくりと一歩一歩を歩んでいく。

レイカは時折感じる寒気に怯えつつ前を目指した


どれくらい歩いたのだろう、もうすぐ帰れる。

そう思った、電灯が付いた道があり、屋根のついたバス停がある。

見ると壁の内側に見慣れた4つの靴。

「お姉ちゃん!」

レイカ、走る

壁の後ろにみえる姉の服を掴み、その勢いで抱きつく。

目には大粒の涙。安堵の涙。

たった数分前まで姉だったものが、レイカに覆い被さる。

レイカの顔に生暖かい液体が付着する。

レイカは上を見上げる。

天井がある、雨漏りをしているわけでもない。

じゃあこれは…

レイカは顔についた液体を顔の前に近づける。

そして、レイカはそこに来て初めて。

エレカとサナコだったものに顔がついていないことに気がついた。

 あぁ…ああああ

嘆く余裕もなかった。

背筋が凍りつくような感覚。

これまでとは違う。はっきりとした感覚。

首元に刃物を突き立てられるような、そんな感覚。

 レイカはバッと振り返る。

まだ何もいない。

目から涙が溢れる。また違う涙が。

逃げるように走る、走って逃げる。

街の灯火を目指して。


 街についた、レイカは真っ直ぐ家に向かう。

えっ…あっ…町は明るい

でも生きている気がしない。どこにも暖かさがない。

レイカは本能的に家に入ることを拒む。

「いやだ…帰りたい」

ここじゃない、レイカは思った。

ここは自分たちが住んでいた町とは違うものだと

希望の灯火にも見えた灯りは、無機質に光り

むしろレイカを苦しめた。

そうだ…エリちゃんは

他人のことを考えでもしないとやっていけなかった。

突然、肩に強い衝撃を感じる。

「レイカ…」

レイカはバッとそれを払う。

もう聞くことができなはずの声がしたからだ。

でも…

夢だったのかもしれない。

レイカはそんな希望を胸に振り向いた。

「あっ…」

知っていた、感じていた。

何度も感じた。

その存在を。

黒い泥のようなもので構成されたトカゲのような体。

無数に並ぶ人面。

その中で姉だったものが少し浮き出ていた。

今度は顔があった。

顔しかなかった。

レイカは恐怖と絶望から動けなくなった。

あぁ…

黒い泥は爪のように変形して、最後には刀のように変形した。

次にレイカの視界に映ったには刀じゃなくて金属バットだった。

 エリはレイカの腕を引いて大急ぎで逃げ出した。

幸い、それは足が速くなかった。

「生きてる…?」エリが聞いた

エレカは何も答えられない、でも確かに頷いた。

「よかった…」

エリは何も言わずただレイカの手を引く。

二人はエリの家のブロック塀の前に来た。

「大丈夫だよ。」

 少し間をおいて続ける。

「きっとなんとかしてくれる。」

 エリは何故か笑っていた。でも不思議とその笑顔を見ていると安心できた。

玲花にはその言葉の意味も理解できなかった。

当然、その言葉の意味を理解できたら、それほど幸福だったかも。

「どうして逃げるのぉおおおぉ?」

 今度はサナコの声だ。

あぁ…また動けなくなる。

エリはバットを構えた。

「大丈夫だから…」

エリはレイカに笑顔を向けた。

上を見ると化け物がそしてそれに立ち向かうにはあまりにも小さい、エリの姿が。

化け物は大きな爪を振り下ろす。

それは徐々に1箇所に集まり、刀になる。

カァッという大きな音と共に金属バットが宙をまう。

エリは衝撃で吹き飛ばされる。

化け物はエリに近づいて、体から黒い粘液のようなものを出した。

粘液は自在に動き、徐々に形をなして、やがて、エリと拘束する固定器具となった。

「うぅ…いたい…」エリの朦朧とする意識が回復すると、自分がもう逃げられないことに気づいた。

エリは悶絶し体をくねらせるが。

意味はなかった。

エリはレイカの目の前で首を落とされた。

ゴロン…

生首がボールのように玲花の下へ転がってくる。

もはや声も出ない。

ドサ…

遅れて体が倒れる。

その音は最初に見た姉の死体を思い出させた。

 (自分もああなるの?)

 嫌だ。

てんてん、そう呼ばれた化け物はレイカの目の前で

 エリの首に食らいついた。

化け物の体から、新しい顔が生える。

もちろん、エリだった顔だ。

 (あそこに並びたい?)

 嫌だ。

化け物はエリ同様にレイカを拘束する。

嫌だああああああ!!化け物が腕を振り下ろすと同時に心の中で叫んだ

最後にレイカは体に強い衝撃を感じた。

身体中が熱い…そんな感覚と共に

そこから、記憶は途切れる。



 


 




 


 


 






初投稿になるわけですけども、妄想を文字に起こすって難しいんですね

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