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つい☆ブイ! 追放Vtuber、七都巳大竜-配信切り忘れた挙句の異世界転移! 勇者パーティで頑張ってたら追放されたので、愛しの爆乳エロ魔女と一緒に無双しながら地球帰還目指します!-  作者: 蠱毒成長中
Vtuber&便利屋魔女陽元渡航編~陽光の第八天瑞獣は何故身を隠したのか~

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第百十三話「『コメントサブスクで感想来るんだから読者は感想書かなくていい』なんてことはない」

狂人カップルまさかの敗北! かと思いきや……


「――――」

『……』


 不毛の岩山"黒縄岳こくじょうだけ"は、中腹を起点に大体三割七分ぐらいが欠損していた。

 あたかも馬鹿でかいディッシャー

  ――アイスとかの盛り付けに使う丸いアレ――で抉り取ったみたいに、容赦なく……

 完膚なきまでに。


「へっ、はっ、ははっ……!

 どう、だっ……! やって、やったっっ……!

 ィやってやったぞぉぉぉおおおぉぉぉぁぁぁああっはははははああああっ!

 どうだぁ! どうだクソッタレ! 参ったか余所者どもがぁ!」


 山を欠損させた張本人……女学生天使の八剱カナタは、

 異常者の奇声か畜生の雄叫びじみた声を張り上げる。

 よっぽど"螢都で勝手な真似をする余所者"どもを始末できたのが嬉しかったんだろう。

 その気持ちはまあ、分からなくもない……


「所詮てめえらは余所者っ。

 余所者なら観光だけしてりゃ良かったんだァ……!

 何もこんな所でオレの手に掛かって、

 呆気なく墓穴にも骨壺にも入れねーような死に方しなくて済んだんだァ!

 だのにてめえら、カスみてぇな理由で命張りやがってっ……

 そーいうバカは死ねっっ! むしろ消えろっ、この世から永遠にっっ!」


 ……かと思ったら、なんでか唐突にキレ散らかし始める八剱。

 情緒不安定っていうのか何なのか、単純なように見えてどうにも理解が追い付かない。


『……カナタぁ、オメーヨォ〜』


 程なく、分厚い障壁を引っ込めたケイソンズが気怠げに、呆れた様子で口を開く。

 さしもの奴も相方の有り様に辟易したってトコだろうか、と思ってたけど……


『マジに学習しねェーのかァ〜? 私ァも言ってンよなァ?

 「"面"で攻撃する技使う時ァ予め周り見て確認シて、

  同行者居たら事前に通達しトケ」ってよオ!

 したら私、先ン逃げられッカらァ!』

「うるっせぇぇぇぇ!

 別にいいじゃねえか察知して障壁張りゃ何とかなるんだからよぉ!

 てか事前に伝えちまったら敵に避けられっちまうだろ!」


 巨竜の口から飛び出たのは、教え子を叱り飛ばす担任教師みたいな台詞だった。

 対する八剱の台詞は、どっちかっていうと

 『親の小言に口答えするアホな小学生』って感じだけど。


 そしてここから、地獄みたいな時間が始まる……



『バカかオメェ、ソコをどーにか敵へバレねーヨォにすンのが

 戦闘者てモンだろォーがよォ~。

 ったァく、成績学年首位も一年の頃だけ、

 進級してからは平均点よりチッと高ぇ程度ンなっちまって中々ヤベェってのに、

 加えて戦場でも頭ロクに回ンねェってなァ~

 控え目に言っても流石にヤベーぞオイ?』

「ぁあん!? ッンだってめー、好き放題言いやがって!

 第一成績は今関係ねぇだろほっとけや!

 あとその『学校の成績悪い奴は戦闘IQ高い』みてーなガバガバ極論振り翳すのやめろコラ!」

『アホが、ホッとけっかァッ!

 親戚の命よりゃ大切なダチの人生が懸かってんダ、

 この由々しき問題当然軽んじるワケにゃいかねェだろーがヨッ!

 てェかオメー、何なんだよこの黒縄岳こくじょうだけの有り様はよォ~!?

 公共の自然物をこン~な派手に吹っ飛バシちまいヤがってェ!

 螢都マチの治安がドーだコーだ言ってる奴が

 都市屈指の歴史あるランドマークを雑に扱ってンじゃネェーってんだ!』

「っンんだよックムてめぇ、

 華夏家かかげアネさんみてェな小言コト言ってんじゃねーよ鬱陶しいなぁ。

 いいじゃねーか別に。

 道路だろーがビルだろーが山だろーが、

 立方構築キューブ・クラフトで修繕しちまえばどーにでもなるんだしよぉ。

 山が傾いたワケでもねぇし、

 この程度なら灰汁近あくちか建設に三、四十万も積みゃ

 一晩とかからず元通りだろーよ。

 何の問題がある?」

『問題しかネーわァ!

 そーやって何でもかんでも雑に金積んで解決すリャいい、

 金積んで解決できンだから何しよーが構わねェって考え方をやめロやオメーはッ!

 あと華夏家"先生"だろーがッ!

 世話ンなってる担任教師を馴れ馴れしく無礼なあだ名で呼んでンじゃねェーッ!

 全くヨォォ~! オメーはいっつもそうだよなァ!?

 何でもカンでも力技で雑に済まそーとシャアがって!

 その上ノリや勢いで突発的に騒ぎ起こしチャ

 周り巻き込んで被害拡大させてバッカじゃねェか!』

「ンだとコラァ!? オレがいつ力技で雑に何を済ませようとしたぁ!?

 いつ何に対してノリ任せ勢い任せに動いて被害拡大させたんだよ!?

 フワっとした言い方してねーで

 具体的に明確な証拠や根拠を出してみろよゴラァ!」

『オウヨいいとも! 出してやるヨッ証拠でも根拠でも何でもなア!

 こちとら大人数から信用に足る証言色々集めてンだぜッ!

 オメーのガッツや行動力、責任感はガチで重宝してっけど、

 反面脳味噌ん中まで筋肉詰まってるよーな行動パターンにゃ頭抱えるしかネーってみんな言ってンだ!

 そこんトコ気合入れて丁寧に説明してやっから精々覚悟して腹括っとけよオラァッ!?』

「おうよ上等だ説明してみろっ!

 誰から何言われよーが真正面から捻じ伏せてぶっ潰してやっからよ!

 高校の討論ディベート大会で学科学年代表に選ばれて校内六位になったオレだぜ!?

 腕っ節と火力だけの女じゃねーってトコを見せつけてやら――」


「喋り過ぎだバカ!」「一先ず黙れいッ!」



 いい加減、八剱とケイソンズ(バカども二頭)痴話喧嘩(漫才)が長引き過ぎて鬱陶しいのでツッコミ序でに死角から一発ずつ叩き込んでおく。


「ぼげばぁっ!?」『ぐぶげっ!?』


 あたしに腹を殴られた八剱は

  ――拳に纏わせた攻撃魔術"炸裂鉄拳ブラスト・ナックル"の効果もあってか――

 間抜け面のまま盛大に吹っ飛び、

 下顎へダイちゃんの蹴りを喰らったケイソンズも

 目を回しながら仰向けに転倒、腹を曝け出した無防備な姿のまま倒れ伏す。


「――ぅぐ、ぁっ、が……ん、なっ……ぁあっ!

 よ、余所者どもっ、何故そこに居やがるっ!?」


 程なく、吹き飛ばされて()()()()()()()()()八剱が意識を取り戻す。

 ……気絶して尚空中に浮いていられたのは

 『背中の翼と頭の光輪ニンブスが無事な限り

  状況を問わず自動的に在る程度身を守り続ける』

 っていう天使系種族が共通して持つ特性のお陰だろう。


(加えて気絶からの復帰も早いし、

 肉体に目立った外傷がないどころか衣類にもダメージがない……

 天使系が第五位"力天使デュナメイス"の肩書きは出鱈目でも何でもなく事実ってか~)


 こりゃ面倒なことになったなと、あたしは内心頭を抱えるけれど……

 そんなのお構いなしと言わんばかりに八剱は喚き散らす。


「てめぇらオレのエンジェリックナパームを食らい、

 塵も残さず木っ端微塵に吹き飛んだハズっ!

 これがホーリーグレネードで負った傷から復帰したってのは百億万歩譲ってまだわかる!

 ありゃ単なる破壊技だからなぁ!

 だがエンジェリックナパームを食らって無事とはどーゆーことだぁ!?

 ありゃ四ヶ月に一発、年三発しか撃てねえ代わりに

 範囲内のあらゆる物体を分子レベルで崩壊させ実質消し去るってェオレの最強技なんだぞっ!

 耐えるとか耐えねえとかそういう次元ですらねぇんだよ!

 なんなんだよてめぇらはよっ!」


 なるほど、あの技ってそんなヤバい代物だったのか。

 なんとなく『食らったら面倒臭そうだし避けといた方がいいかな〜』ぐらいのノリで

 ダイちゃん連れて即席の異空間へ逃げてたんだけど、

 実態を聞くにあたしの判断は間違ってなかったらしい。


(幾ら不可殺者アンキラブルでも

 身体を分子レベルで崩壊させたらどうなるかわかんないからね……)


 しかもエンジェリックナパームに二発目は実質ないらしいってのは僥倖だった。

 ただでさえ特定変異体絡みでバタついてる最中

 こんな連中にまで付き合わなきゃいけないってのに、

 加えてアホみたいに強い大技を警戒しなきゃいけないとなると

 流石に骨折れるし頭抱えるからね……。


「……さ、て。どうしようかねダイちゃん、随分と尺取っちゃったケド……

 もうなんか無理してでも巻きで終わらせないとヤバいよね?」

「ええ、流石に読者の皆様もそろそろ飽きて来られた頃合いでしょうからなァ。

 愚図ってしまわれる前に片付けなければなりますまい……」


「ンだぁ、てめーらっ!

 この状況下でメタ発言たぁヨユーかましてくれんじゃねぇか!

 ナメ腐りやがって気に食わねえぜ!

 なぁクム、こいつぁメッチャ許せんよなァァァ〜!?」

『――ぐっ、ぅぅ、ぉおおっ……オぅ、ヨォッ!

 どーやらこいつら、オメーがナパームが使えなくなって弱体化してンだから余裕

 トデも思ってンだろーがッ!

 その認識がそもそも間違イだってのを教育してヤンネェとなァァァッ!』


 さぁ~て、存分に暴れさせて貰おうかね……。

次回、激闘開幕!

感想・レビューお待ちしております! いや冗談抜きにマジで!

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