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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.7 嫁を大事に

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第67話 敵か味方か変態か?

ライネが傷ついた。

俺の責任。

俺がミカエルと……

そして、ライネの危機を救ってくれたって奴。

全く、俺ってどうしようもないな。

「申し訳ない!

 ライネを助けてくれた恩人と知らず、ラージャが、あんたにとんでもない事をしでかした、本当に申し訳ない!」

 俺は、ライネの恩人である、黒光り野郎に土下座した。

 この不審者のおかげでライネが助かったのだ、怪しい風貌だが恩人であることにかわりない。

 ライネが助かって良かった。

 でも、ミカエルの奴ったら、ライネが無事だと解るとトラックに引きこもっちゃって、仕方ない奴だ。

 どうせ、バレるんだから堂々としてりゃ良いのに。

 おっと、そんな事より今は謝罪の真っ最中だったな、相手に失礼だから、余計な事は考えない方が良いな。

「カズヤッ! お前が最初にあの男をトラックで轢い」

「黙れラージャ! 今は謝罪中だぞ! 誰が悪いとか言ってる場合かよ!」

 反省の色が見えないラージャが口をはさんできたので、注意しといた。


「……いや、そこの女の子の言う通りだろう?」

 貴重な回復ポーションを使ってやったのに恩知らずにも黒光り野郎! ……まあ、いい。 俺は、心が広いからな、無視しとこう。

 さてと、謝罪も済んだしライネを乗せてさっさと帰ろう。


「そんじゃ、ライネの事ありがとな。 俺達行くから」

 俺は、立ち上がりながら言った。

 ライネさえ見つかれば、こんな所にも黒光り野郎にも用は無い。


「ちょっと待ってくれ! あんた日本人だろう? 俺も日本人だ」

 黒光り野郎に呼び止められた。

 その恰好を見れば、ここの世界の人間じゃないのは解る。

 しかし、そんな特殊な格好って?

「それ、何かのコスプレか?」

 革のズボンにスケスケアミアミの上半身の… シャツ? それ?

「いや、仕事着だけど?」

 ん? 何か? 的に答えられた。

 そんな格好でする仕事って……

「そ、そう。 色んな人がいるからね、ハハハ」

 黒光りの変な恰好の危なそうな男を刺激しないように、愛想笑いを返して俺は立ち去

「だぁーー! ちょっと!

 あんた俺と同じ、日本人なんでしょ?

 助けてくれよ、俺、困ってんだよ、いきなりこんなトコに飛ばされて」

「抱き着くんじゃねぇ! 俺にそんな趣味はねぇ!」

 黒光り野郎を振りほどこうとしたが、コイツも必死に俺にしがみつきやがる!


「コラッ! カズ君が困ってるだろう! なんだ、貴様は?」

 ボリス、来てくれたか!

 助かった。 なんとかしてくれ、この黒光り野郎を。


「あんたは?」

「儂は、カズ君の嫁よ!」

 黒光り野郎に聞かれたボリスが答えると、黒光り野郎が焦った感じで俺から離れた。


「……」

 うん。

 いや、助かるんだけど……

「なんでスケスケ乳首を恥ずかしそうに隠しているんだ、お前」

 さっきまで必死に俺にしがみついてたくせに、なんだよ、その目は?

「お前、男がす」

「黙れ! お前が助けたライネだって、俺の嫁だ! それにな…… あ、いた。

 ボリス、ちょっとライネの傍に行ってやってくれ」

 ボリスみたいなのを好きだっていう勘違いをしている黒光り野郎に言うと、俺は、ライネを介抱しているペトリをみた。

「おーーい、ペトリーー! こっち来て!」

 ペトリが気づいて、こっちに向かってくるのが見えた。

 みてろ、俺の嫁さん綺麗なの自慢してやるからな。


「あっちの女の子は?」

 黒光り野郎がラージャを見ている。

「ん? ラージャか? 俺の、嫁」

 どうでも良いだろう? それよか、早くペトリを自慢したい。 


「嫁って、お前、何人嫁がいるんだよ?」

 もう、うっとおしい。

「4人だよ。 コレで全部。 俺は、誠実だからな、むやみに嫁をとらないんだ」


「え? 誠実って…… そんなんだっけ?」

「そうに決まってるだろう?」

 この野郎、困惑したような顔をするんじゃない。 


「何ですか、カズヤさん?」

 ペトリが来た。

 俺はすかさずペトリに抱きつき、黒光り野郎に見せつける。

「どうだ、ペトリだぞ! えーーと、お前、名前は?」

「サニーだ」

 黒光り野郎……

「お前、濃い顔してるけど、どっからどう見ても日本人じゃねぇか!

 なにが、サニーだ!」

「余計なお世話だ。

 俺はな、海外で仕事する事が多いから、サニーで通してんだよ」

 この変態野郎は妄想癖があるらしい。

 余り深く言わない方がよさそうだ。

 どうせ、この場限りの相手だしな。


「それより、サニー。

 どうだ? すっごい美人だろ? これ、俺の嫁さん」

「そんな、美人だなんて」

 ペトリが照れているが事実だからな。

 照れてるペトリも可愛い。

 うん。

 したくなってくるが、俺は分別のある大人だからな。 夜まで我慢。


「うん、綺麗だとは思うけど別に……」

 ムカッ!

 俺は、サニーの言葉と態度にムカついた。

「何だよ! このペトリが気に入らないとでも言うのか? 正気か?!」

 信じられん……


「ふう、ヤレヤレ。

 まあ、さっきのおっさんは論外だが、その女性も少し歳がな。

 まだ、俺が助けた女の子の方がマシってレベルだ」

 なんじゃ、コイツ!

 サニーの発言を受けた俺は、怒りで顔が真っ赤だ!

「ペトリは綺麗だし、ライネは可愛い! どっちも飛び切りだ!

 それを、お前…… このチリチリ天然パーマの黒光りの癖にこの野郎……」

「おっと、気分を害したなら、謝るよ。

 俺は、若い子が好きなもんでね」

「お前! ライネもペトリも19歳だぞ?! 十分に若いじゃん!」

 もう頭に来た! 単なるクレーマー、いちゃもんつけじゃねぇかコイツ!


「ヤレヤレ。

 女の子は、彼女くらい若くないと」

 サニーがラージャを指差している。

 うん。


「……美しい。 彼女こそ俺の理想の女性だ」

 なんかうっとりしてラージャを見ている変態が。

 油断しているが、ラージャ、お前の事を変態が見ているぞ。

 鼻ほじってる場合じゃないんじゃないか?


「可愛い…… ハァハァ、ツルツルなんだろうな、それで、ハァハァ、胸もぺったんこで……」

 コイツ、自分で言いながら興奮してきてやがる。

 変態だ。 重度の変態だよコイツ。


「な、なあ、一応、アレも俺の嫁だからな、な?」

 ハァハァ言ってる危ない野郎に忠告した。

 ペトリが完全に引いている。


「あ、あの子と、その、してるのか? 入るのか?」

 興奮してこっち来た!

 何が?

 いや、聞かないけど!

「近いよ、バカ!

 お前に関係ないだろう?

 俺の思い過ごしかもしれないけど、勘違いすんなよ、ラージャは俺達よりもな、そうお前が思っているより凄い年上だから」

 もう話をしたくない気持ちで一杯だが、教えてやった。


「……年上」

 あからさまに衝撃だったようだ。


「そう。 だから、お前の趣味じゃないだろう」

 言いながら、ペトリにライネ達のとこに戻る様に促した。


「最高じゃん! 合法ロリ! なにも問題ないじゃん! 異世界最高じゃん!」

 サニーが目を輝かせている。

「……俺の話聞いてる? 俺の嫁だから、普通に問題あるだろう?」

「……」

 うわ。

 すっごい俺の事を見てるよ、コイツ。

 なんなの?


「ちょうだい!」

「そんなの、無理に決まってんだろ! アホか、お前!」

 完全に頭おかしいぜ、コイツ。


「おい、ラージャ、帰るぞ」

 話にならないので帰る。

 ラージャに声をかけたら、まだ鼻ほじってた。

「!」

 一瞬驚いた顔をしたラージャは、サッと鼻から指を外した。

「ん? どうした、カズヤ? 話は終わったのか? なのじゃ」

 ……バレて無いとでも思っているのだろうか?

 まあ、いい。

「ああ、帰るぞ」

「解ったのじゃ!」

 ラージャが駆けてきた。

 サニーがすっごいラージャを見ている。

 やっぱ、危ない奴だ。


「我に何か用か?」

 流石にラージャも気づいたようで、サニーに言った。

 いや、話しかけない方がいいんじゃないか?


「僕、サニーって言います! ラージャさん!」

 僕? お前、さっき俺って……

「……なんじゃ、コイツ?

 おい、カズヤ、何があったのじゃ?」

「ああ、気にするな。

 ロリコンで、ラージャにいたずらしたいだけだから、コイツ」

「ちょ、ちょっと!

 君ね、変な言いがかりは、やめてくれたまえ!

 君なんて、二人も女性を伴侶にしておきながら、あんなおっさんを嫁にする変態じゃないか!」

 変態に変態と言われた。

「お前な、全国の同性愛者に喧嘩売る発言をするんじゃねぇ!

 俺は、貴様と違って人のつながり、性よりも個人を尊重し愛しているから伴侶にしただけだ!」

「おい、サニー、あそこにいる三人は全員男なのじゃ」

 ラージャの言う通りだ。

 それがどうした?

 してるよ。

 やりまくってますよ。

 愛してるんだもん。

 それが、何か?


「そ、それじゃぁ、ラージャさんも……」

 ん? サニーがラージャをみて……

「なっ! 我は、おん…… うぐぐ」

 俺は、咄嗟にラージャの口を手で覆った。

 今は黙っておけ!

「まあな!」

 ニヤリとしてサニーに言ってやった。


 ほう……


 サニーがよほどショックだったらしく、呆然としている。

 そう、今だ!


ダッ!


 俺は、そのままラージャを掴んでトラックに向かって走り出す。

 ロリコン変態野郎に絡まれる前にさっさと帰ろう!


「勘違いされたのじゃ! 我は、女の子なのじゃ!」

「うるせえ! ロリコンから助けてやったんだから静かにしろ!」

 暴れるラージャに言って、俺は走った。


「ライネ! ペトリ! ボリス! 早く、トラックに乗れーー!」

 前にいる三人に言って走る。



「カズヤ! サニーが!」

「なにぃ?」

 振り向くと、サニーがこっちに向かってきていた!

 呆然としていたのに、気づきやがったか!

 てか速いな!

 でも、遅い!


バタンッ!


 トラックのドアを閉め鍵をかけた!

 全員乗車済み!


「そんじゃ、みんな! 家に帰るぞ!」

 俺は、素早くエンジンをかけてトラックを走らせた!

 もうこれで一安心。

 さあ、後は帰るだけだ。


 ……そうカズヤは安心したのだが……


「うおおお! でぇりゃあああああ!」


ダッ!


 シュタッ!

「フフフ、甘いぜ、俺を舐めてもらっちゃ困るぜ…… コッ!」

 サニーが走るトラックの荷台へと飛び乗った。

 そして、その事に気づいている者はいない……

ライネを救ってくれたのは感謝してるが、とんだ変態野郎だった。

俺のようにごく普通の人間なら仲良くしようって気もするんだろうが、アレはダメだ。

ラージャを襲いかねないしなアレ。

まぁ、二度と会う事も無いだろう。

って事で、次回も、乞うご期待!

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