第46話 結婚報告の宴会
俺達の拠点が少しずつ環境が整いつつある。
そして、ついさっき嫁が4人出来た。
ラージャ、ライネ、ペトリ、ボリスにプロポーズしたら嫁になってくれたのだ。
華麗にプロポーズをし、受け入れてもらえた俺。
なんと一気に4人の嫁が出来た。
ラージャだろ、ライネにペトリ、後はボリスだ。
まぁ、ラージャ以外は男だが俺は細かい事は気にしないから!
「みんなに報告がてら、宴会しよう!」
「なんでも良いから酒が飲めるのは嬉しいのじゃ!」
「それじゃ、料理も沢山作りましょう!」
「ライネの言う通りだ! ペトリもボリスも手伝ってくれよ」
「勿論だよ、カズヤ様」
「さっき弥助達が獲ってきた獲物を提供してもらうように言ってくるね!」
ボリスが嬉しそうに駆けていった。
楽しくなってきた!
ネット通販で酒やつまみを大量購入し、夜の宴会の為に俺達は慌ただしく用意していると、女達が手伝いに来てくれた。
みんな自分の仕事があるのに、ありがたい事だ。
俺の結婚相手が男だが、気にしている者などいない。
俺達がつき合ってのをみんな知ってるからな。
夜――
俺達の結婚報告の宴が始まろうとしている。
魔物達は勿論、大工と農家の人も参加だ。
俺達は、彼等の前に長テーブルに白のテーブルクロスをしいた席に着席している。
並びとしては、俺が真ん中で右隣にラージャ、ボリスで、左隣にライネ、ペトリ。
恰好から入る俺なので、ライネとペトリにウエディングドレスを着てもらう。
ラージャはサイズがなかったので、白の子供用ドレスを着させといた。
俺とボリスは白のタキシードだ。
その事で、ボリスが嫁なのにドレスを着せてもらえないのかと抗議を受けたが、俺とおそろいだと言ったら喜んで納得してもらえた。
各テーブルに料理と酒が行き渡ったようだな。
よし!
「みんな、仕事で疲れているのに、集まってもらって申し訳ない」
俺達夫婦は立ち上がり、集まってくれた皆に頭を下げる。
私事の報告に集まってもらったんだ、当然の事。
「今日みんなに集まってもらったのは、俺がここにいるラージャ、ライネ、ペトリ、ボリスと結婚したからだ。
この4人は俺の奥さんになったから宜しく」
俺は、もう一度頭を下げて着席。
忙しく大変なこの時期に俺なんかの為に集まってくれた皆への恩返しに、俺達が一生懸命用意した料理を楽しんでもらえたらと思った。
「王様! それに王妃様達の祝いの席に我々が集まるのは当然です!」
弥助の声が響いた。
「ん?」
王様って俺の事か?
何を言い出すんだコイツ?
「皆の者! 本日は、我がフジノ王国 国王カズヤ様の婚姻の宴だ! 大いに楽しもうぞ!」
盃を掲げて弥助が住民達に言っている。
「王国?」
「おい、ラージャ、弥助は何を言っているんだ?」
ラージャを見たら飯にがっついていた。
「モシャモシャ、ん? なんじゃ? お前の分は目の前にあるのじゃ! コレは我の分なのじゃ」
料理の皿を俺から隠すようにしながらラージャが答えた。
ラージャが残念なのは、今に始まった事じゃないし、聞いた俺が馬鹿だった。
「あの、カズヤさんフジノ国ってどういう事ですか?」
ライネが俺に聞いたけど、俺が聞きたいよ。
「知らない、俺も何が何だか……」
「馬鹿だなライネ。
カズヤ様は独立国家をこの地に作ろうとしているんだよ」
得意げにペトリがライネに説明しているが、何言ってるのお前。
「いや、ペトリ、俺は一言もそんな事を言った覚えなどない」
「そうか…… そんな野望をもっていたのね、カズ君」
何が、そうか… なのか知らんが納得するんじゃないボリス。
「だから野望も何も、知らないって!」
取返しのつかない事になる前に注意しとかんと!
「おいっ! 弥助! ちょっと来い! 直ぐに! 急いで!」
手招きして弥助を呼びつける。
弥助が俺? みたいな顔してムカついたが、一応来てくれた。
「何でございましょう、陛下?」
イラッ!
「おい、ソレはどういう意味だ?」
「それとは?」
「いや、だから、そのフジノ国だっけ? それと俺が王様とかなんとか言ってたろ?」
弥助が、あっ! と言う顔をして、俺に跪いた。
俺が王様だって設定だから臣下の礼をとったのか?
けっこうあやふやな設定だな。
「カズヤ様、いえ、陛下は我々を導いてくださる王にございます!」
「いや、俺は何も大した事してないぞ?」
弥助が変な事を言い出した。
なんだコレ? ドッキリか? 新手のイジメなのか?
「陛下の懐刀としてこの弥助、陛下の覇道を支える所存でございます!」
そんな者に任命した覚えなど1mmも無いが……
ん? アキナ?
「陛下! 我ら親子そして、ここにいるオーガは、陛下に永遠の忠誠を誓いまする!」
アキナもきて、おかしな事を言い出した。
「ちょっと待てよ、弥助様!」
金髪豚野郎が立ち上がってこっちに来る。
「金髪豚野郎、お前からもこの親子に言ってくれよ」
弥助とアキナの暴走を止めてくれ。
「何か俺に意見があるのか? 金髪豚野郎よ」
目の前にきた金髪豚野郎に弥助が高圧的に言ったのだが、金髪豚野郎は俺の方を向くと跪いた。
「お、おい、お前まで何を」
「陛下、我らオークも忠誠を誓うぜ!」
爽やかに言いやがった豚野郎。
なんの嫌がらせなのだろうか?
「ふぉふぉふぉ、オーガにオークそのようにカズヤ様を困らせるものではないわ!」
ゴブリンのゴーブがゆらゆらしながら立ちあがった。
流石年長者、このアホ共にガツンと言ってやってくださいよ。
「陛下、お喜び下され、周辺の地域に派遣していたゴブリン偵察隊より陛下に帰順する者達がいるとの報告を受けておりますじゃ!」
気が遠くなりそうだ。
この忙しい時期に何をしているんだクソジジィ。
「……やるな、ゴーブよ。
流石はフジノ国の知恵袋と呼ばれる男よ……」
弥助が感心した様子で呟いている。
もう好きにしてくれ。
「なぁ、弥助。
その国ゴッコの事は、どうでも良いからさ、兎に角、人に言いふらすなよ。
エルヴァスティ王国に知れたら、こんな集落すぐに潰されるから。
大体、ここは、オールストレーム家の領地だ。
そんな噂がたつ事自体、お父様に迷惑がかかる」
「はっ! ご安心ください、心得ております!
勢力が整うまで、国の件は秘匿いたしますので!」
何か違うなと思ったが、黙っててくれるならいいか。
「絶対に揉め事は起こすなよ! 俺は争い事は嫌いだ」
「承知いたしました」
弥助とアキナが深く頭をさげて言った。
折角、俺達の結婚の祝いなのに…… 兎に角、気を取り直して宴会を楽しもう。
心を落ちつかせようとワインを口にした。
「これより、組織の連絡をする!
まずは、神聖不可侵であられる王! カズヤ様には絶対服従は当然として、こちらのお妃方にも絶対服従するのだ!」
「ブーーーッ!」
口にしたワインを噴き出した。
大きな声で弥助が変な事を言うから!
全然解ってないだろ、お前!
「カズヤさん、どうなってるの?」
「いや、だから俺も知らないよ!」
ライネに再度知らないと断っておく。
「冗談かと思ってさっき言ったけど、本気だったの?」
「本気な訳あるか!」
ペトリがマジか? みたいな感じで聞いてきたから注意した。
「でも、絶対服従とかいってるなら、ヤメロってカズ君が言えばやめるんじゃない?」
「……そうか、そうだよな! ありがと、ボリス」
ボリスに言われて、納得。
「おい、弥助、それからみんな! 王として命令する。
今後、その、なんだ、フジノ国とかみだりに発言しない事!
あと、王様と言うの無し!
敬称が必要なら、……村長でお願いします。
今日は、宴会を楽しむ、それでいいじゃない。
いいね? いや、いいな! 命令だよ!」
会場がザワザワしている。
弥助もアキナも金髪豚野郎もゴーブも呆気にとられた顔をしてキョトーーンとしていた。
「おい、弥助。
陛下の言葉だぞ!」
ボリスの言葉に弥助がハッとした。
「皆の者! 陛下のお言葉である!
そ、村長のご厚意である祝宴を楽しもうではないか!」
弥助が皆に向かって大声で言うと、宴会が再開した。
一時はどうなる事かと思ったが……
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「弥助様、どうして陛下は?」
弥助の席にきた金髪豚野郎が酒を注ぎながら聞いた。
「……」
弥助はただ黙って腕組をしている。
「そうよ、折角の祝いの席で陛下に喜んで貰おうと思ったのに……」
アキナは、父である弥助を不憫に思った。
「二人とも、陛下の御心を疑うべからずじゃ、不敬じゃぞ」
金髪豚野郎とアキナを諫めるゴーブ。
「あの陛下の事じゃ、何かきっと深いお考えがあるに決まっておるわ」
敬愛する王を見るゴーブ。
カズヤは、ライネとペトリにイチャイチャして相手にされないボリスが泣き出したので一所懸命慰めていた。
「お前達にも困ったものだ…… フジノ国、四天王筆頭にしてカズヤ様の懐刀のこの弥助がお前達に教えてやろう」
口を開いた弥助に自称四天王のアキナ、金髪豚野郎、ゴーブが注目する。
弥助は注がれた酒を一気に呷る。
そして、
「今は、国力を増強すべき時。
独立の動きを知られる訳には行かない。
俺が動くと敵にバレてしまうから、秘密裡に動いてくれ四天王!
……そうカズヤ様は言いたかったのよ!
オールストレーム領の人間がいる前では本心が言える訳がない。 察しろバカ共め!」
キリッとして言った。
「なるほど!」
アホ四天王は弥助の言葉に納得したようだ。
兎に角、明日からも国力増強の為、仕事を頑張ってくれそうなのでカズヤにとって良かったのかもしれない。
弥助がイカれた事を言い出して困ったが、何とか納得してもらえたようだ。
全く、エルヴァスティ王国へ喧嘩売る気なのかしら?
よっしゃ! 嫁さん出来たし俺も頑張らないと!
……頑張ってるんだから、女の子と仲良くなっても良いんじゃないか?
いや、ライネ達に不満がある訳じゃないが、ほら、俺って博愛主義者だから!
って事で、次回も、乞うご期待!




