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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.4 挨拶回り

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第41話 初めまして、お兄様!

いざ! ライネの実家に突撃だ!

いや普通に玄関から挨拶して入るんだけどね。

「ライネ様、お元気そうで何よりです」

「ああ、なんとかやってるよ。

 こちらは、カズヤさんとラージャちゃん。

 二人とも僕の大切な人だから丁重にね」

「了解いたしました。

 では、皆様、こちらへ」

「うむ、頼むぞ、執事さん!」

 ライネの家に到着した俺達は、出迎えた執事さんに連れられ颯爽と廊下を歩く。

 見よ! この貴族のような出で立ちを!


 ゴブ太郎は、トランシーバーを持って外で待機。

 一緒に入ろうと思っていたのだが、玄関で使用人の人がゴブ太郎を見て大騒ぎしそうになったので、申し訳ないが外で待ってもらう事にしたのだ。


 応接間だろうか、部屋に通された。


「旦那様方が来られるまで少々お待ちください」

 そう言って執事さんが部屋を出ていく。

 旦那様ってのは、当主のオスモ・オールストレーム男爵つまりライネのお父さんだ。

 とりあえず部屋の応接セットのソファーに腰かけるが、落ち着かない。

 

「ゴブ太郎、せっかくついてきてもらったのにゴメンな。

 こっちは現在待機中、この家の主を待っているとこだ、どうぞ」

 トランシーバーでゴブ太郎に連絡する。

『気にしないでください、慣れてます。

 カズヤ様、誰かを暗殺したくなったら直ぐに連絡くださいね! どうぞ』

「ゴブ太郎この家の人を傷つけるの禁止! 暗殺とか物騒な事を軽々しく言うんじゃない! どうぞ」

『了解です!

 こっちは、ラージャ様の自転車をお借りしてるので、帰られるまでに運転出来るように練習してますから、ゆっくりしてきてください。 どうぞ』

「ゴブ太郎、帰りはお前に運転任せるから頼んだぞなのじゃ! どうぞ」

『ラージャ様? ハイ! このゴブ太郎にお任せください! どうぞ』

「ゴブ太郎、ラージャがワガママですまん。

 それじゃ、通信終了、自転車に乗れるようになる事を祈ってるからな、どうぞ」

『カズヤ様のご期待に添えるよう、頑張ります、どうぞ』

 トランシーバーをポケットに仕舞った。

 外で待機のゴブ太郎も、自転車で遊んでたら退屈しないだろう。

 

「緊張するな、おい」

 ラージャを見ると、凄いリラックスしているように見えた。

 人んちで凄いな、お前。

「カズヤ、間違っても歓迎されると思わない方が良いのじゃ」

「もう、解ってるよ! ペトリの家で体験済みだよ」

 忠告してくれたラーじゃに答えた俺は、ライネに視線を移す……

 ん?

 凄く緊張してるみたいだ。


「ライネ、実家に帰って来たんだから緊張しなくても良いんじゃないか?」

「だって、勝手に騎士団を辞めちゃったし…… カズヤさんと僕は、その… 付き合ってるし」

 赤くなって、ライネ可愛い!

 キスしちゃおう。


ガチャッ!


 ノーノックで扉が開いた!

「うおっ!」

 キスしようとしていた俺は、咄嗟にライネから離れた!

 もう少しでキス出来たのにとか思ったけど、挨拶しなきゃ。 

 ソファーに座っていた俺とライネが挨拶の為立ち上がる。

 そして扉の方を見たのだが、

「あれ?」

 入って来たのはライネに少しだけ似ている美形の青年。

 若いし、お父さんじゃないだろう?


『誰?』

 小声でライネに聞いた。

『ミカエル兄さん』

 ああ、次男の… 20歳だっけ?

 俺より年下だけど、ライネの兄さんだから、俺のお兄様になるんだよな?

 後、ライネの兄弟って…… 確か長男がエルモ 25歳と妹 ユリアナ 14歳だったな。

 そんで、お父さんがオスモで、お母さんがヒルダ。

 名前を覚えるのが苦手な俺だが、ライネの為に覚えたのだ!


「ライネ! お前、騎士団を辞めたって?

 王都から連絡がきてたぞ! どういう事だ?」

 ミカエルがライネを責めるように言ったが、俺達の到着前に連絡が来ていたのか?

 人に出会わないように山道を進んでたからな結構時間がかかった。

 山の中では野生動物が襲い掛かったり大変だったけど、皆でワイワイ楽しい道中だったな…… って、そんな事より、説明だ!

「ああ、お兄様、それはですね」

 ライネ、安心しろ、俺からちゃんとミカエルに説明を…

「俺達は、お前が王都の騎士になれた事が嬉しかったし、安心していたんだぞ。

 三男で家を継ぐ事が出来ないお前が自分で生きる道を見つけたんだってな!」

 俺が話してる最中なのに…… 無視された。


 いやっ! めげないぞ!


「お兄様、落ち着いてください!」

 家族の事を心配するのは解るけど、ライネの人生だからアンタにとやかく言われる筋合い無いだろう?

 それなのに、なんだ? 可哀想だろ!


「何だ? お前?」

 ミカエルが俺をやっと認識してくれたか、さっきは無視しやがって。

 イヤイヤ、この人は、ライネのお兄様だ、丁寧に接しよう。


「俺の名は、カズヤ・フジノ!

 実業家です! 宜しく、お兄さん!」

 第一印象が大切! だから笑顔で右手を差し出した。


「……おい、ライネ、この成金趣味丸出しの恰好をしたコイツは誰だ?」

 ほう…… 喧嘩売ってるのかな?

 コイツ俺を指さしてライネに聞きやがった!


「ミカエル兄さん、カズヤさんは、僕の大切な人だよ。

 僕は、カズヤさんと行動を共にする為に騎士団を辞めたんだ」

「ライネは、俺と一緒が良いんだよ、ミカエル」

 ライネの言葉に俺は、大いに頷いた。


 ミカエルに睨まれた。


「貴様がライネを唆したのか?

 ライネの人生を狂わせて、貴様! 責任が取れるのか!」

 俺を指さしミカエルに言われた。

 凄い俺に突っかかってくるな。

 心配すんじゃないよ、馬鹿が。

「勿論! 俺は、ライネと結婚しますから!

 嫁を大切にするのは当たり前だろう?」

 どうだ、まいったか!

 へへんだ。


「……」

 ミカエルが固まっている。

 弟が幸せになるので感動しているのかな?


「フフフ、驚いて声もでないか?」

 腕組して聞いてあげた。


「おい、本当にコイツ大丈夫か?」

 ミカエルがライネに聞いてる。

 大丈夫ってどういう事だ?


「おい、俺に失礼だろ!

 何が大丈夫か? だ。

 大丈夫に決まってるだろ? 馬鹿かお前は?

 ドッからどう見ても俺は正常だよ! これ以上ないくらいにな!」 

「いや、おかしいだろ?! ライネは男だぞ!」

 即答。

「可愛いから関係ない」

 俺がプイっとしたら、ミカエルが俺に掴みかかってきやがった!

 なんじゃコイツ!

「弟を変な道に! 殺してやる!」

「変な道だと?

 あのな、俺は優しいからバカなお前に教えてやるけど、ライネは女の子になりたいんだよ!

 俺は理解があるから、ちゃーーんと、普段は女の子の恰好させてる!」

 ちゃんと説明したらミカエルの動きが止まった。

 落ち着いたのかな? やっぱ話するって大切だね。

 人と人とは分かり合えるのだ!


「……」

「……」

 なぜ、黙っているの?



「お前! 女装って! 俺の弟になにしてんだよーー!」

 凄い剣幕で怒ってきた!

 意味が解んない???


「俺は奥さんの意志を尊重する夫だ!」

 兎に角、俺も負けずに言い返してやった!


「ああ、ミカエル兄さんもカズヤさんもやめて」

「面白いから、ほっとくのじゃ」

「もう、ラージャちゃんったら!

 ホントにやめて、喧嘩しないでよ二人とも!」


 ライネが掴み合いをしてる俺とミカエルの間に割り込んできた!

「わわわ、危ないから、ライネ離れてろ」

 驚いた俺はライネに注意を…

「ライネ! この変態クズ野郎に騙されるんじゃない!」

 何だと?!

「誰が、変態クズ野郎だ? お前、初対面の人間によくそんな酷い事を言えるな!」

 ミカエルの髪の毛を引っ張ってやる!

「だから、二人ともやめてって!」

「喰らえ、この野郎!」


ボコッ!


 ミカエルに殴られた!


「手を出したらダメだろうお前! ライネのお兄さんだから下手に出てたらつけあがりやがって!」

「どこが下手に出てる?! 俺の髪の毛を離せよ変態が!」

「お前も俺の胸倉掴むのやめろよ!」

 俺とミカエルがライネを挟んでワチャワチャやっていると、突然ドアが開いた!

いくらライネのお兄様でも、暴力はいけない!

俺は、暴力が嫌いだからな、一発殴らせてくれるだけで許してあげても良いと思った。

さてと、ドアが開いたって事は、親御さんの登場か?

って事で、次回も、乞うご期待!

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