表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第3章
77/144

さて、行こうか

日本政府は、世界的な経済の冷え込みに対して、内需の機運を盛り上げることで、国内の景気回復を図る必要性に迫られていた。

そこで、中東を中心としたヨーロッパ諸国の好景気を参考に、アメリカやヨーロッパ諸国に頼るのではなく、自ら宇宙に新天地を求めることにしたのである。

 現在気象台がある日本最南の島、沖ノ鳥島を埋め立て拡張し、種子島発射場では打ち上げられない大型ロケットの打ち上げ基地を整備し、

将来的に完成したスペースコロニーへの、物資や人材を運ぶための基地にする計画が、今年度国会の予算会議で可決したのである。

日本政府の計画では、沖ノ鳥島発射場から打ち上げられるロケットは、日本宇宙開発機構が独自で開発した第二世代大型ロケットで、ロケット製作には、三菱重工業、新明和工業、日立製作所3社が中心となって造られる予定になっていた。

 来年度より、本格的に沖ノ鳥島の埋め立て拡張工事が始まり、10年後に完成を目指し、今後の宇宙開発の貢献が期待されていた。

このニュースは世界中に駆け巡り、アメリカ、ソビエト連邦を驚かした

なぜなら、アメリカやソビエト連邦が打ち上げた人を乗せた大型ロケットを第一世代として、中東で打ち上げた再使用型宇宙往還機が第二世代となる。

 ソビエト連邦ではまだ研究が始まったばかりで、アメリカではアメリカ航空宇宙局によってようやく基礎研究が終わっており、近々検証機が製作される予定になっていたのである。

 日本も本格的に宇宙開発するため、通常の第一世代大型ロケットの開発から初めていくと思われていたのに、独自の第二世代型のロケットの設計図を完成させてしまったのである。

 しかも近々種子島発射場より、小型無人検証機が打ち上げられる予定になっていた。

 さすがに、プロミスが開発した宇宙往還機のような形状記憶合金を使用した可変機体ではなく、低翼のデルタ翼を採用した小型旅客機のような機体を使い、その機体全面に耐熱性セラミック塗装を何層もコーティングし、使い捨ての大型液体燃料ロケットブースターに取付けて飛ばすので、

プロミスの開発した1段目が宇宙往還機で、2段目もその気になれば同等の宇宙往還機を搭載できる能力はなく、到達高度も静止衛星軌道までで、ペイロードはプロミス製に比べて4分の1程度だが、製作コストは10分の1、運用コストは(計画では最大)20分の1、無人運行も視野に入れていたので、スペースコロニーやスペースステイションまでの物資搬入用往復運航として特化するならば、コストパフォーマンスは日本製帰還型ロケットの方が分があった。

 よって日本政府の発表では、沖ノ鳥島の発射場からは、現在サウジアラビア国際宇宙空港から打ち上げられている生活物資を打ち上げる予定になっていた。


プロミスと中東諸国側は、寝耳に水状態で、誰がそんな事決めた?と言う思いで日本政府に意見書を送ったところ、まだ、打ち上げ成功もしていない状態なので、予定であって決定ではなく、今後打ち上げ実験の成果を見ながら交渉していくと言う返事が帰ってきた。

プロミス側は、物資搬送交渉は当社ではなく、中東諸国連合でお願いします、とだけ政府に伝えて、日本政府との交渉は、一切しないと決めた。

そもそも現在プロミスは、第三世代宇宙帰還機体として、通常の飛行場から水平発着できる宇宙帰還機の開発をしていて、2基の大気圏用ジェットエンジン 加速用パルスラムジェットエンジン2基、個体燃料を使った大気圏離脱用ブースター2基搭載した宇宙帰還機を、飛行場の滑走路に設置した超電導磁力加速機レールガンを使用することによって、宇宙に打ち上げる目処ができ、

第三世代用の宇宙空港を用意しようと、表向きは日本初24時間離着陸できる民間国際空港として、大阪湾の泉州沖に埋め立てて出来る関西国際宇宙空港を、15年後の完成を目指し、建造中だったからである。

 日本政府は陸上交通調整法に則り、沖ノ鳥島宇宙空港計画をバックアップするために、急遽各企業に招集をかけ、今後の物流に関して、業種や企業間の垣根を越えた、民間物流企業の物流改革を推し進めることを決めた。


 大阪府摂津三島市にある西日本最大のトラック集積場にある第一会議室は、各運送会社に船舶会社、私鉄、国鉄、航空会社からの運行関係者が総勢300名以上集まって、三日間に渡り熱気に満ちた議論を交わしていた。

その壇上に山崎経済界会長 と立山運輸振興会会長、中央には、オブザーバーとして政史の姿が。

「政史さん、今までありがとうございました。」

「どうしたんですか?山崎さん。」

「もうすぐ旅立たれるようですけど、日にちは決まりましたか?」

「まだですねぇ、他との調整中で、それが終わりましたら出発する予定です。」

「そうですか。政史さんがいなければ、ここにはこれ程の企業から集まっての、意見交換会は出来なかったでしょう。政史さんのおかげで、この日本の物流は変わります。国内だけではなく、国外への物流も有機的効率的に廻せると思います。」

と言って頭を下げる

「そんな、頭を上げてください。私達はただロケットを打ち上げたかっただけですから。それがこんな大事になるなんて思ってもいなかったんですよ。きっかけは私達かも知れませんが、ここに集まった皆さんが、手を取り合い頑張ったからの結果ですよ」

「それでも、政史さんのお力ですよ。」

「立山さんまで」

「見てください。民間運送会社大手8社だけでなく船舶会社に航空会社、それに国鉄までも巻き込んでの一大プロジェクトですよ。それもこれも、政史さんが提案した規格を各社が順守したおかげで、異種企業間でも、貨物が滞ることなく迅速に受け渡すことが出来るようになったおかげで、国内だけでも、北は北海道樺太から、南は沖ノ鳥島までの物流ネットワークの構築するなんて、誰が思い付くでしょうか?しかも次は宇宙ですよ。スケールが大きすぎます。」

と、興奮気味に述べた。それに対して政史は、

「政府も協力してくれたのが大きいですけど。」

疲れた声を出していたが

「この改革が一段落したら政史さんの壮行会を開きますので、ぜひお越しください」

「ありがとうございます。楽しみにしておきます。」


銀河社の1階会議室に内勤者を集め、美由紀が集中講座を開き業務の引き継ぎの会議を行っていた。

参加者は、入社35年以上の専務から今年入社した新入社員まで営業職を除く総勢25人が真剣に向き合っていた。

「これで、私からの引き継ぎ事項は全て終了だけど、何か質問がありますか?」

「美由紀さんは、どうしても会社を離れなければいけないのですか?」

「相楽さん、何度も話したでしょ?私達のようなのが、長い間会社経営に携わってはいけないって。もっと早く決断すべきだったって。」

「でも、しかし。」

「それに、明日から来なくなるわけじゃないし。しばらくは、いるわよ。」

と言って、美由紀は笑顔で社員一同を見渡した。

「それに、この会社の2階が自宅だし、少し長い旅行に出掛けるだけだし、また、帰って来るからね。」

「出発の日が決まりましたら、お知らせください。事務方一同で、送別、いや、壮行会を行いますから。」

「舛田専務、ありがとうね。楽しみにしてるわ。じゃ、今日はもう遅いから帰り支度してね。あと、2時間残業付けていいからね。」


 大阪北新地の高級料亭に、銀河社の営業関係者が、幸一と集まって酒を酌み交わしていた。

「幸一相談役、本当に行かれるんですか?」

「初代社長との、約束だからな。」

「寂しくなりますね。」

「もう会えないわけじゃないし。そんなしみったれた顔をするんじゃない。だいたい、お前社長だろうが。社長たるもの。」

「わかっています!社長たるもの、常に余裕を見せろ!でしょ?」

「わかっているならば大丈夫。全員で行う引き継ぎは今日で終わるが、出発の日まで個人的には多少は受付てやるから」

「ありがとうございます。出発の日が決まりましたら、お知らせください。壮行会を行いますから。」

「わかった、わかった。忘れずに伝えるから。」


「明美姫に、正さん。長い間ありがとうございました。ここまでお膳立てしていただきましたら、もう大丈夫です。我々プロミス及び関係各員は、一団となって宇宙開発に邁進していく所存です。姫のお留守をしっかり守っていきます。そして、皆様のご出立が素晴らしい旅と成りますよう、祈りを込めて、乾杯!!」

特殊法人プロミスの社長杵継が、ビールが入ったグラスを高々に掲げた。

 木津重工業大阪本社工場の第一ドッグは、巨大な宴会場と姿を変えていた。

普段は、100万トンタンカーが造船されるドッグに床が張られ巨大な宴会場と化し、この日は人で溢れかえっていた。

そこには、プロミスの関係者や中小企業の社長に工作機器メーカー、工具製作会社の社長に重役達が、明美と正とのしばらくの別れを惜しむために集まり、壮行会を開催していた。

明美と正は会場を笑顔で回り、参加してくれた1人1人に声をかけ、今までの感謝を伝えていた。

明美に話しかけられた人は、

決意を新たに最高のスペースコロニーを建造する事を誓い

正が声をかけた人は、

新たな製品創りに意欲を語り、今まで指導してくれた感謝を述べた。

そう、この会場に集まった人達は、明美が頭を下げ協力して頂いた企業、その企業に惜しみ無く、技術革新を伝授した正、二人を慕う人達だった。

企業家と技術集団が一つになった結果生まれた絆で結ばれた人達だった。


有限会社銀河社から、歩いて10分の所にある小料理屋『昴』

この日、銀河社が貸し切りにして、2階の宴会場に全社員が集まり、幸一と美由紀の壮行会が行われていた。

「幸一相談役に美由紀相談役の勇退及び外遊を祝し壮行会を行います。まずは、幸一相談役のお言葉、お願いします。」

銀河社現社長山越が、音頭をとって、幸一の挨拶

「今日は、集まってくれてありがとう。しかし山越、その紹介の仕方じゃ俺と美由紀が結婚するような感じじゃないか。残念ながら、俺は美由紀と結婚は、しないからな、そこは間違うな、わかったな。改めて、銀河社の創立以来の悲願、宇宙進出が実現するのは、もう間違いないでしょう。ここまで来たら前々から話あっていた通り、我々相談役は、銀河社から、離れることにした。今まで我々の無茶振りに耐えてくれてありがとう。今後会社の経営に口出しすることはない。のんびり外からみんなの活躍を見せてもらうことにする。だからな、倒産しそうになっても、俺の所に頼って来るなよ。じゃ、グラスを持って。乾杯!」

こうして、賑やか壮行会が始まった。

「幸一さん、明美さんと拓哉さんは?」

「あいつらと正は今頃、木津川重工業で宴会しているだろ。政史は名古屋で、宴会しているはず。みんな、関係の深い企業が企画して今頃飲んでいるんじゃないか?」

「幸一相談役。そうするとさよりさんは?」

山越社長の言葉に、幸一はなぜか遠い目をして

「さよりなら、東京のホテルを貸し切りにして大宴会だぁって言ってたけど。」

「さよりさんの関係者って?」

「山越さん、詮索しない方がいいわよ。頼まれてセッティングした私でも、今回の参加者とは、あまりお近づきになりたくないから。」

「人徳溢れる、美由紀相談役でもですか!」

驚く山越に苦笑で答える美由紀。

「俺も行きたくない。だから俺の役所関係の知人も、さよりに丸投げした。」

「えぇ!幸一相談役も!」

「当たり前だろ。あんな混沌カオスな所に行けるか!」

と言って、ビールの入ったグラスを空けた。



その日、東京で超一流ホテルと言われている帝都ホテル周辺は、騒然としていた。

ホテルの周りの道路には、屈強な身体の警視庁機動隊が、ヘルメット、防弾防刀チョッキにジュラルミンの盾と言う完全装備で警戒にあたり、周辺のビルの屋上には、国防陸軍の特殊部隊が展開していた。

ホテル上空は、周囲3kmを限定的に飛行禁止空域に指定され、国防海軍の哨戒機に国防陸軍の攻撃ヘリが警備体制を取っていた。

府中にある国防空軍基地では、最新鋭ジェット戦闘機『颯天』4機がいつでもスクランブル発進できる状態にあった。

ホテルを中心に200m以内の道路では、制服警官が二人一組で絶えず巡回警備し、警官が巡回しない所には、堅気に見えない目付きの鋭い男達が周囲を警戒していた。

昼過ぎから続々と、高級国産車に高級外車、高級リムジンがホテルの駐車場へと消えていく。中には国旗をはためかせた大使館ナンバーや領事館ナンバーの車も混じっていた。

道いく人々は、ホテルで何が行われているのか、興味津々だが、ホテルに近づくことも

カメラで撮影することもできなかった。


帝都ホテルは、明治12年創業以来初めて3日間全館貸し切りにしていた。

「支配人、こんなお客様に我々は、対応できるのですか?」

接客一筋25年の接客係のベテランチーフである堀越が、チェックインしていくお客様に緊張していた。

「君が動揺してどうする。我々は、一流ホテルと言われている帝都ホテルのスタッフだ。全てのお客様に最高のサービスを提供できる力を持っている。何時も通りに対応すればいいだけだ。宴会場スタッフにも、それを徹底させてくれ。」

田沼支配人は、そう自分に言い聞かせるように言葉を紡いだ 。

接客係のベテランチーフや支配人も緊張するのは仕方がない。彼らの前を通りすぎて行くのは、

各国の大臣クラスの要人だけでなく、高級官僚に高級将校、警視庁長官、どう見ても堅気に見えない関係者、得たいの知れない外国人

はっきり言って、一触即発状態のピリピリした空気がロビーに溢れていた。

しかも、今夜宴会するホテル最大の宴会場 鳳凰の間に通じる通路には、金属探知機のゲートが設けられ、入念な身体確認も行われていた。

宴会場には招待状を持った者しか入れず、従卒していた者は、入り口の前のロビーに集まってお互いを監視するように警戒していた。


 宴会場内の舞台前にテーブルが整然と並べられ、招待客は招待状に書かれている席に案内されていく。

各国の要人や地位の高官、将校等が舞台に近い席へと案内されていくが、それは、ある意味悪意に満ちた座席割だった。


「関根警視総監殿ではないですか。貴殿がお隣ですか?」

「これは、これは、勝山組の橘組長さんじゃないですか。あなたも参加しているとは。」

「お嬢の門出だ。出席せねばいかん。そう言うお宅は何しにここへ?」

「招待状を頂いたのでね。国内のヤクザが崇めるお嬢さんを一目見に来たのですよ。」

と言ってお互い殺気が満ち溢れる笑顔だった。

「二人とも、止めないか。さよりさんの前で恥ずかしくないのかね。」

と言って注意するのは、国防軍総合幕僚長官曽根元帥。

「ほう、曽根さんは、さよりさんと顔見知りとは知りませんでしたな。」

「そう言う種村さんこそ、ここに何故いらしゃるんで?」

「少し借りがありましてね。」

と舞台の方を見つめる検察庁公安部部長の種村。

その隣のテーブルでは、ソビエト連邦から通産貿易省大臣とアメリカ産業省の大臣にアラブ首脳連邦議会の貿易省大臣が座って営業スマイルで歓談していた。

このような犬猿の仲の取り合わせのテーブル席が舞台の近くに多数あった。


招待客が全て着席したのを確認した宴会場スタッフが、合図を送ると、舞台袖から清楚なサーモンピンクのワンピースを着た眼鏡をかけた少女が現れた。

舞台の中心に来ると、マイクを左手に持ち笑顔で

「今日は、忙しい中、さよりの送別会パーティーに参加してくれて、ありがとう!!いろいろな思いが有るでしょうけど、このさよりに免じてこの場だけ楽しくやりましょう。」

と言って、さよりは会場を見渡した。

「この場所の約束をさせてちょうだい。ケンカはしないこと。席はトイレか、あたしが許可しない限り決して立たないでくださいね。約束を守れない悪い子には、あたしがお仕置きしますからね‼️。」

と言って会場を見渡し宴会場スタッフに合図を送りと、料理がはこばれてきた。

「あたしがこれからみんなのテーブルに廻るので、それまで料理をお楽しみください。」

と言って、舞台から降りてテーブルを廻っていく。

しばらくして、舞台から遠いテーブルに座っていた1人の男性が、ビール瓶を持って舞台近くの席に座っていた大蔵大臣に近づくと、

「新沼大蔵大臣、ご挨拶に伺いました。自由党の南部と言います。」

と言って、ビールをグラスに注ごうとしたが、テーブルにはワイングラスしかなく、近くにいたさよりに

「おい、お前。新しいグラスを持って来い!」

と言った。

その瞬間、そのテーブルの空気が凍り付いた。

「あたしのことかな?」

さよりは右の人差し指を自分に向けて、微笑んだ

「そうだ。ウェイトレスならちゃんと仕事しろ。このホテルも質が落ちたな。」

「新沼さん?このおっさんの知り合いだったのぉ?」

さよりは、楽しそうに微笑みながら新沼大蔵大臣に声をかけた。新沼大蔵大臣は、表情を変えず、汚物を見るような目をして、南部を見ると

「いえ。知らないですね。こんな常識はずれな御仁とは。」

「そうなんだ。じゃ、金角さんは、知っているの?同じ党員でしょう?」

同じテーブルにいた、政界のドンと呼ばれる金角自由党衆議院議員に、さよりが振ると金角はその男性議員を一瞥して

「さぁ?存じませんなぁ。この用の者が、我が党にいましたかねぇ。」

その両名の態度に、南部は、この少女はどなたかの孫娘と思ったらしく

「ごめんね、お嬢さん。おじさんがなんか間違ってしまったようだね。大人の話をするので、ホテルの人から、ビールを入れるグラスをもらってきてほしいんだが。あとでおこずかいでもあげるよ。」

と笑顔を向けるが、さよりがニッコッと笑って

「guilty」

の一言を呟いた

すると、黒いスーツを着た屈強な身体の男二人が現れて拘束すると、南部が声を上げる前に

首に手刀を当てて大人しくさせて、会場の外へ連れ出していく。

その光景を見た舞台から遠くの席で、同じように酒を注ぎに行こうとしていた人が慌てて着席する。

だが、その席にホテルのウェイターが近づき、退出を促した。従わない人は先ほどと同じように連れて行かれた。

そうしたハプニングがあったが、さよりが一通りテーブルを廻り終わるころには、デザートも終わり

さよりが中締めのあいさつをすると、ほとんどの人が会場をから出て行った。

15分ほどして、宴会場の扉が閉められると、舞台の側のテーブルにいた招待客は、ほとんどが残っており、さよりの満足そうに残ったメンバーを眺めて

「さて、最後のさより夜会を始めましょうか。」

ここから、翌朝まで続く、各国各界の熾烈な情報戦が幕が切って落とされた。



 銀河社の首脳陣が壮行会、送別会の宴会スケジュールを全て終えた3日後

全員が乗ったクルーザーが、のんびりと紀伊水道を南に向かって航海していた。

周囲を見渡しても、陸が見えない、航行する他の船舶の姿も無いところまで来たとき

海中から浮上してきた巨大な物が航行していたクルーザーごとメンバーを飲み込み、そのまま海中へと潜航していった。


後部格納庫にクルーザーごと収容された7人は、勝手知ったる艦内を歩き、艦橋司令室へ

「久しぶりだなぁ。この船に乗るのは」

「だよね。かめちゃん。準備はいい?」

そこでなぜかメイド姿のかめちゃんに、準備のほどを聞くと

「はい皆さん。艦内改修は完了していますし、補給物資、お土産、娯楽品を全て滞りなく満載しています。当船はこれより、サファイヤさんが待つ、サナトリア王国へと出航いたします」

それを聞き幸一が、艦長席に座り一言

「それじゃ、行こうか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ