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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第2章
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金銀財宝も計画的に

 タートルエクスプレス船倉に着いた全員が見たコンテナーは。巨大だった。

「かめちゃん、これがそのコンテナーなの?」

 さよりが、指をさして確認するようにかめちゃんに聞いた。

「そうですよ。船外汎用コンテナーの中では最大級のコンテナーです。」

 そこに有ったのは、高さ15m 奥行き15m 長さ100mの船外汎用コンテナーが鎮座していた。

「デッカーイ!かめちゃん、このコンテナー、普通はなんに使うものなの?」

「通常は、GN型汎用輸送船、通称フィッシュボーン型輸送船の外装に取り付けられて、穀物類を運ぶために使います。現に送って来たもの中身は食費用って書いていますよ」

 かめちゃんは、送り主からの内容物の欄を見ながら答えた。

「なんか、いやな予感がするけど。予定してるものじゃなかったら、どうしよう?とりあえず、かめちゃん、このコンテナ開けてみて。」

「わかりました。」

 かめちゃんは、船倉のクレーンを使い15m×100mの側面を持ちあげて行った。徐々に明らかになるコンテナーの内部。

 まるで土嚢のような感じでなにやら、白い布のような素材で出来た塊が、ぎっしりと積み上げられていた。

 その袋の表面には、何か書かれていた。

「かめちゃん、この袋って?それに、なんて書いてるの?」

「この袋は、通常穀物の運搬用に使われる袋で、書かれてる文字は『食費用30kg』って書かれてますね」

「さより、これがお前さんの言ってたお宝か?」

 幸一がさよりに聞いた。

「これだけの食料が有ると、確かに当面は、食費には困りそうもないなぁ」

 政史が積み上げられた、袋を見上げ感心していた。美由紀が

「さより、なにかっぱらってきているの!向こうには食料が大量に必要だって事、わかってるでしょ!」

 と怒っていた。拓哉と明美は、コンテナの中身を見ながら

「しかし、さよりのやつ、これだけの食料どっから持って来たんだろう?」

「わからないなぁ。だって、バニーニから持ってこようにも、物資がほとんど残っていなかったはずよね?」

 と言って、首をかしげていた。

「おっかしいなぁ?こんなもの(食糧)持ってくる予定にはなかったんだけどねぇ。これ売っても

 大したお金にならないしねぇ。かめちゃん。一番上のロット降ろしてくれる?中身を確認したいから。」

「わかりました」

 といって、巨大なフォークリフトで上に有ったパレットの1つを引き出して、船倉の床に置いた。

 変哲もない袋が縦に3つ横に3つ奥行きに3つ積まれた、パレット。この袋にも、『食費用30kg』と書かれてあった。

「小麦?お米?どっちにせよ、開けたらわかるかな?幸ちゃん、どれか開けてみて。」

 さよりが、幸一に開けてくれるように頼みと

「やれやれ、さよりが自信満々に言うから、どれほどすごいお宝かと思いきや、穀物ですか?さすがにこんだけあれば、売って換金すれば2,3年は困らないだろうけど」

 と言いつつ、一番上の袋を気軽に持ち上げようとしたが、思ったより重いので、真っ赤な顔をして力一杯こめても持ち上がらない

「おいおい、幸一そんな力なかったっけ?」

 と、政史が声をかけると、息を切らしながら幸一が

「なんだこれ?めっちゃめちゃ重い。30Kgって嘘だろう。」

 袋を上から触っていた美由紀が、

「この中身、缶詰かなんかかしら?なんか金属質で固いんだけど」

「じゃ、破いてみるか?缶詰かパッケージに入っているものなら、袋を破いてもこぼれないだろうし」

 と言って幸一は一番上の袋にナイフを当てて、袋を切り裂いた。

 すると中からこぼれ出てきた物は、缶詰や麦や米のような食品とは違い、金色に輝く無数のコイン。

 床に落ちた金貨がチャランチャランと音を立てて、こぼれていく。

 皆の目が点になった

「う、嘘だろう?」

 と言いつつ、別の袋にもナイフを当てて切り裂くと、出てくるのは金貨や金のインゴット

「かめちゃん、あの買い物用って書かれた袋を下してみて。」

「は、はい!」

 かめちゃんが、さよりに言われた『買い物用30kg』と書かれた袋のパレットを降ろして袋を切り裂き中身を出してみた。

 そこから出てきたのは、鈍く銀色に光るコインとインゴットが出てきた。かめちゃんがぼそっと

「これは、銀貨と純銀のインゴットですね。」

「じゃ、じゃ、あの『冠婚葬祭用30kg』ってなにがはいってるんだろう?」

 さよりは興奮したように、別のパレットを指さして、かめちゃんに降ろしてもらった。

 その中から出てきたのは、またしても銀色のコインとインゴットが多数と色のついた大きめの石だった。

「綺麗な色の付いた石と、これも、銀?」

 さよりがそのコインを手に取り、かめちゃんに渡した。その金属を見てかめちゃんは

「いえ、これはプラチナです。そして、この緑色の石は、エメラルドの原石で、赤いのはルビーの原石、ダイヤの原石もありますね。」

 どう見ても、100カラットを越えていそうな大きさのエメラルドの原石を持ちながら、感情の抜け落ちた顔で説明してくれた。

 サファイヤは、落ちてた金貨と白金貨を手に取り見比べて、

「まさか、そんなはずは。」

 と言いながら、コインの縁に書かれてているリレーフと刻印を注意深く観察して、驚きのあまり大声で一言

「こ、これ!!古サナトリア金貨です!!それに古サナトリア白金貨!!どちらも本物です!! でもどうしてこれだけの量がここに?」

 困惑の声を上げていた。それを聞いて

「どっかの金庫にでも入ってたと思うよ。」

 さよりが、答えると、サファイアは、

「それはあり得ないのです。この金貨も白金貨も我が国が星間交易のために、今から200年ほど前に作られた当時の技術の粋を集めた硬貨といわれ、金、白金の純度が、ほぼ100%とも言われるほど高く星間流通に使われてた硬貨なのですが、残存数があまりに少なく、我が王家の金庫にも数十枚しか残っていない幻の硬貨と呼ばれるのです。

 考古学的に見て希少な価値を含んでおり、その価値は額面の100倍?いえ1万倍にも匹敵する価値なのです!

 この硬貨をどこから持ってこられたのですか!!」

 サファイヤは手にした硬貨の価値に気付き、興奮していた。

「すごい価値が有るコインなんだ。サファイヤちゃん、お土産に一袋づつ持って帰る?地球じゃ、グラムいくらの価値しかなくなっちゃうからね。」

 と、さよりは普通に言った。

「そう言う問題ではありません!!考古学検知、歴史的価値からこれだけの量が見つかった事の方が重大な事なのです!」

「さより!!このお宝はどこから持ってきた!!!」

 幸一が最初に放心状態から復帰し、諸悪の根源(?)さよりに詰め寄った。

「う~ん、わかんない」

 さよりは目をそらし、うっすらと額に冷や汗をかきながら、幸一に答えると、

「ブンどりくんが持ってきた物だから、解析に時間をかけると、わかると思うけど?」

 さよりの話によると、バニーニ国家の経済破綻作戦で使ったソフト(ウィルス)は2種類あり

 1つはオンライン上で電子経済や仮想領域経済の破壊を主に起こすソフト(ウィルス)で電子決済関係を主に混乱に陥れたものだった。

 もう1つのソフト(ウィルス)は、実経済の破壊を重きに置いたもので、紙幣や貴金属の隠匿する為に、金庫内から現物を秘かに移動させるものだった

 そのせいで、バニーニ国の流通貨幣が破棄された為に、市場から極端に流通貨幣量が減り、銀行に取り付け騒ぎが起こったのだから。

 それ以外に、金庫内の貴金属を別の場所に移送する措置をとる手続きをして、密やかに実行して行く機能も備えてあった。

 集められた貴金属は戦争停止後すぐに、さよりが用意してあった倉庫に送られてこのコンテナーに詰められて、発送されたというのだった。

 問題なのは、どこの金庫から持ってきたのかは、よくわからないことだった。理由は、さよりの考えた『ミツバチは花の蜜を選り好みしない理論』に基づいて、『()()()()()()()()に保管されてた物』『相場価格が高い』という優先順位の検索順で金属を集めるプログラムにしているため、金属反応を元に片っ端から集めてきた金属だったからである。宝石も元素は金属だからついでに運んできたのだろうと思われた。


「はぁ~。どんだけ持って来たのよ。これ」

 明美が、いろいろの袋を破き取り出して積んだ、金のインゴットやプラチナのインゴットが積まれている、宝の山を見てため息をついた。

 手持ちのタブレットを操作していたさよりが、

「そのコインの出所はまだわかんないけど、総数なら、金、約4500トン、銀、約8670トン、プラチナ約3097トン。宝石の原石は、種類がいっぱいあるから、まとめて約300トンだよ。」

 もう呆れかえるしかなかった。

「宝石の重さを、トンで聞くとは思わなかった。」

 政史が幸一の肩を叩き

「幸一、喜べ。資金の面で苦労はなくなったぞ。一生遊んで暮らしてもお釣りがくる。」

 と、政史が疲れたように、言葉をこぼした。幸一も頷くしかなかった。


 後の世で、都市伝説のように取り出される、『S資金』と呼ばれる基になるモノだった。



「さて、そうしたら、残る問題は戸籍関係の身分証明か。」

 気分を変えるために船倉から食堂に移動して、これからの課題を話し合うことにしたメンバー。

 当面の資金問題が解決したので、次なる問題として身分証明のために、この時代の戸籍を入手することだった。

「お金があるんだし、その筋の方にコンタクトを取って作ってもらうってことはできないかな?」

 政史が提案したが

「問題はその筋って、誰?ってことだよなぁ。そんな人が、見知らぬ俺らにすぐに会いに来てくれるって思わないよなぁ」

 幸一がコーヒーを飲みながら、無理だなって思い否定する

「最悪、夜中に役所に押し入って、金庫から出して勝手に書きこんじゃうしかないわね。」

 ポテトチップスをつまみながら明美がそう言ってみたものの、実行には無理があるように思える。

 そもそもどうやって書くっていうのか?

「うんとね、戸籍が無いので作ってください。って正直に言ってみたらどうかな?」

 さよりがクリームソーダのアイスをつつきながら、言ってみると、拓哉が

「おいおい、戸籍って普通生まれたら、両親か保護者がその子の生まれを役所に届けて作るだろう?無いから作ってっておかしいって」

「そうよ、それでできるんだったら、いくらでも戸籍ってできちゃうじゃない。現代でも無戸籍の人がいたけど、その人達は親や、親戚の不備ということを家庭裁判所で裁判して認められたら戸籍が作られたんじゃないんだっけ?この時代に私達を証明してくれる人っていないのよ。」

 美由紀がそう言ったが、政史が閃いたように

「いや、その考えいけるかも?ただし、こちらから言うのではなくて、役所のほうから来てもらって調べて戸籍がないことを確認してもらって、作ってもらえればいいんだ。」

 その言葉に一同

「「「「「??????????」」」」」」」

「なんだそれ?わかるように言ってもらえないか?」

 代表で幸一が政史に問うと

「日本の戸籍って何度も作り直して、最終的に俺たちの時代で電子戸籍になって、マイナンバーでかなり正確な人口の管理もできるようになっているんだけど、この時代の戸籍ってまだ正確に実人口を把握していないんだ。戸籍人口数と実人口数の乖離が大きいはずなんだ。」

「どうゆうこと?」

「俺も詳しくは知らないんだけど、確か戸籍の元って、江戸時代に作られた神社やお寺の檀家が書かれた家系図のような物が元になっているはず。

これもキリシタンの管理や年貢の管理のために作られたらしいけど、それを元に利用して明冶政府が作ったのが始まりなんだけど、これって結構抜けてたんだよね、

当時、農村部で年貢が収められないことで口減らしや、人売りに出した娘さんがいたり、年貢を少なくするために、あえて生まれたことを報告しなかったとかなんだかんだで、

戸籍人口と実際の人口に大きなズレができてしまって、数年後調べ直して再度作成しているんだよ。それがこの時代だから、どっかに家でも買って住んでりゃ、お役所のほうから

戸籍の確認が来るから、その時に適当な地方の土地の名前を言って調べてもらって、戸籍が存在しないのだからとりあえず作ってもらえると思うよ。

その時に注意しないといけないのが、身分を新平民にされないことぐらいじゃないかな?」

「新平民?」

「そう、この時代差別がひどいからね。」

 みんなは、わかったようなわかってないような顔をしていたが

「何とかなりそうなことが解った。その為にも、陸に上陸しないと、何ができるかもわからないだろう?」

 と、幸一が結論を出すと

「上陸するだけでしたら、何も私が接岸する必要性はないですよね。上陸艇か何かに乗り換えてからどこかの浜に上陸すればいいですよね」

 美由紀が

「出発の時に使った、あのステーションワゴン?」

「ムリムリ、あれじゃ定員オーバーで、全員乗れないわよ。それに、あんな形の車はこの時代に存在しないから」

 明美が否定した

「あれ以外有るの?かめちゃん」

「有ります。強襲上陸艇が。最大50人乗員することができますよ。」

「すご~い!!かめちゃんって、軍艦みたい。」

「さよりさん。私は、軍艦です。今までなんだと思っていました?」

「うーん。マスコット?」


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