第二十四話 ミッション3:友軍支援【2】
ボスが現れたのはスタート地点、姿は巨大な猿・・・あれ?生きていたのか?
ミッション2のボスだったゴルドヌマンかと思ったが、よく見てみるとゴルドヌマンとは大きく違う。体色は金色ではなく茶色で、尻尾は機械的で食えそうにない。何より違うのはその大きさ、ゴルドヌマンが身長三十メートル強に対し、この大猿はAQAと同程度の十メートルほどの身長であった。大猿の右脇には大樹をさらに大きくした巨大樹(全長約五十メートルで、おそらく中ボスなのだろう)が奇声をあげている。大猿は巨大樹の枝へ登ると柿色の果実をもぎ取りムシャムシャと頬張っている。そして、こちらに気づいた大猿は巨大樹のまだ熟していないであろう碧い果実をもぎ取るとこちらへ投げつけてきた。
イベントが終わると、かなり遠くの方から碧い果実が飛んできているのが分かる。本当に飛ばしてきているのか・・・
マップの端からスタート地点でもあったボスのいるマップの端へと逆走することになった。遅れて来ていたエース機の三機とも俺たちと似たような位置からのスタートとなった。俺達は再びエース機をぶっちぎってボスの元へと向かう。
道中、次々に巨猿が投げてくる碧い果実を回避していたが、もしかして食べれるのかもと、一個だけ受け止めて食べてみた。
『未熟なグラカキンの実を摂取しました。悪影響を受けますが、素体への栄養としますか?YES/NO』悪影響ならNO。
もしかすると巨猿が登場シーンで食べていた未熟ではなさそうなグラカキンの実なら栄養になるのかもしれないな。チャンスがあれば試してみるか。
【加速】込みの全速力で誰よりも早く大猿の足元までたどり着いた。大猿が投げつけてくるグラカキンの実を双刀で四斬りにし、双刀を太刀に持ち替え体に捻りを加えながら二段ジャンプで飛び上がり、大猿とのすれ違いざまに左下から右上へと斜めに斬り上げ、落下の際には左上から右下に向けて斬り下ろす。
「オリジナルコンボ、二段×斬り。」
大猿は巨大樹の枝から真っ逆さまに落ちて行き、落下の途中で空中爆発し散っていった。
呆気なくボスを倒し漸くミッションクリアかと思ったのだが、まだ終わってはいなかった。
本当のボスは大猿ではなく巨大樹だったのだ。
「殲滅したと思ったらボス登場、ボスを倒したと思ったらコッチがボスでした?ふざけんなー!」
こっちは急いでんだ。時間稼ぎなんかするんじゃねえ。
悪態をつく俺に向けて巨大樹の攻撃が始まる。
巨大樹がその身を震わすと、鉄球と化したグラカキンの実が雨の如く落ちてくる。俺はAWを射出し【サテライトオーブ】を発動、落下してくる鉄の実をAWが自動的に弾いて防いでくれる。次に地中から這い出しリヴァイア・サクトゥを絡め取ろうと蠢く巨大樹の機根を天裂地爆刀で切り落とし、反重力機能を推進力に、【掴爪握脚】で巨大樹の表機皮に脚爪を食い込ませながら巨大樹の口元まで駆け上がる。巨大樹の大口の中は虚になっており降り注ぐグラカキンの実や、木の根の攻撃を凌ぐにはうってつけの場所であった。
巨大樹に対し、龍属性を以てしても斬った殴ったは効果が薄い、液体榴弾もハイドロウェイブも効きが悪く、となると、口内で出来る有効な攻撃は二つだけ。
【千柱天雷】で鉄柱を召喚、巨大樹の表機皮に何本もの鉄柱が突き刺さる。雷エネルギー充填開始、充填の合間に巨大樹を住処とする蜂型ロボットの群れが進入してきた。これをローズレイで迎撃、その後もロックオン無しの赤色破壊光線を四方八方に向け撃ちまくる。エネルギー消費量の多い戦闘スキルを連発している為、AQAの機体エネルギーがグングン減っていく。
尚も充電を続けていると巨大樹が大きく揺れ、怒りのこもった咆吼を上げる。怒りの原因はどうやらナックの攻撃に依るものの様だ。
ナック「やっと追いついた。エンテイケンプの機動力はかなり高い筈なんだがな。リヴァイア・サクトゥと比べるとまだまだだな。」
トウマ「いや、皆が来る前に倒せたらと思っていたんだが間に合わなかったな、俺の方こそエースとしてはまだまだだ。」
虚の中から地上を見るとエンテイケンプの炎を纏った連続回し蹴りが炸裂し、木の根が次々に燃やされていく。それだけでなく、落ちてきた鉄球を巨大樹目掛けて蹴り飛ばしダメージを重ねている。
ナックの繰り出す技に感心していると、巨大樹の枝が大きくしなりラリアットの様な薙ぎ払い攻撃がエンテイケンプを襲う。
トウマ「ナック、後ろだ!」
エンテイケンプは振り返りざまに回し蹴りを放つ、枝と蹴りとがぶつかり合うが力負けしたのはエンテイケンプの方だった。
大きく吹き飛ばされるが、ちゃんと受身は取れたようでエンテイケンプはすくっと立ち上がる。
仲間がダメージを負うのを初めて見た。なんとも形容し難い感情が俺の中から湧き上がる。すると第三モニターの機体表示に変化が起こった。白いオーラの様なモノを纏っているのだ。この機体反応が何なのかは分からないが今は仲間の危機だ。充填率は八割だが天雷を放たなければ・・・。
俺の心配をよそにエンテイケンプは紫の炎を纏った掌を合わせる。合掌から徐々に手の平を開いて行くと【刀】大炎刀がその姿を現す。
取り出した大炎刀をクルクル回しながら跳躍し、着地と同時にピタッと動きを止めてポーズを決める。
そこへ再度巨大樹からエンテイケンプへ向けてしなりの効いた枝の振り払いが迫る。先ほどの回し蹴りでは打ち負けたが、今度は大炎刀が打ち勝ち枝を叩き折った。折れた枝の部分から紫の炎が吹き上がり、巨大樹の幹へと燃え広がっていく。
そこへ雷エネルギーの充電が完了し、燃え盛る巨大樹へと荒れ狂う雷龍を解き放つ。駆け巡る雷撃、ピシピシバキバキと音をたて木片と鉄片がそこかしこに弾け飛ぶ。後は内に外にやりたい放題で、他の仲間が駆けつけた頃には、大炎上した巨大樹が黒い煙を巻き上げ崩れ落ちていた。
キタ「なんや、間に合わんかったか、これがR4やR5との性能差ちゅうわけやな。」
サーシャ「遅れて来ておいて悪いけど美味しい物だけ回収させてもらうわ。」
【250ソウル獲得】
【グラカキンの回転輪】を入手。
【グラカキンの闇灯篭】を入手。
【グラカキンのパーツ】を入手×8
今回はレアパーツは誰も手に入れられなかった。まあ、仕方がないな、こういう時もあるだろう。
― 達成条件を満たしました。ミッションクリアです。 ―
最後にエースパイロットの皆様から金言をいただきました。
『なかなかやるじゃないか、見直したぜ。次会う時は、お前もエースと呼ばれているかもな。』
『またな。』
『ふん、認めてあげるわよ。まだまだ私には及ばないけどね。』
そっくりそのままの台詞をお返しするぜ。
・・・
・・・
・・・リミットブレイク改編作業開始
ピピ、ピッピピ。
『ミッション3裏面クリア』
ピピピッ。
『黒軍の勢力が1増加しました。』
ピピッ。
『各勢力再計算、白軍37、赤軍32、青軍30、緑軍29、黄軍34、黒軍25』
ピピッ。
『パイロットネーム:トウマ、エース機に戦闘行動をさせずにミッションクリア、リミットブレイクを達成しました。』
『隠しスキル13、【開発増員】を入手しました。』
ピピ。
『難易度★7のミッションまで参加可能になりました。』




