44.打つ手なし。
五十嵐周平(多摩近 副将)視点
ヤバいぞ相手投手、あれで背番号15かよ。速さだけならショータとどっこいなんじゃないか。
おまけに変化球を、それも二種類投げだした。
手も足も出ない感じじゃない。でも打たされている。全然球数が稼げない。
しかも相手守備上手すぎる。レベル差を見せつけられる思いだ。
もう3アウトか、ショータ休めてないぞ! ヤバ杉うち。
この試合勝負になったのは3回までだった。
4回は満塁と追い詰められながら何とか無失点のだったが、続く5回に2失点
6回にも同じく2失点と失点を重ねた。
対するに我が多摩近 打線は4回先頭のショータが初安打したが後が続かなかった。
ショータにダッシュさせたくないので作戦が立てにくかったのだ。
そして7回表ショータは3ランホーマを食らってしまう。
逃げたかったがコントロールがダメで真向勝負になってしまったのだ。
実はその前からフォームが崩れて必至に修正しようとしたのだが。
この状況で失点7はむしろ立派かもしれない。
サードの荒井がタイムを取りショータの方へ行く内野全員マウンドに集まった。
「これでコールドか。ホームランは初めてじゃね。?」荒井がどこかおチャラケタ感じでいう。
「ごめん。」ショータが下を向く。
「それだよ。俺たちがお前を嫌いな所は。
俺たちが持ってない物全部持って、一生懸命努力して、俺たちのやれない事やって
それで謝られたら、俺たちどうしたら良いんだ?」見るとワンダー3の他2名がうなずいている。
奴ら何時もつるんでるからな。
「胸張れよ、自信持てよ。俺たちゃ1,2年だけのポット出チームだぞ、出がらしだ。
それが選抜優勝チームとやってるんだ。
俺はここにいる事を誇りに思ってるし、その機会をくれたお前に本当に感謝してる。
だから俺たちに謝るな。」
良い言葉だけど、副将でキャッチャーの俺の立場は?
「それとな、海野は多分脈ありだけど、もう少し自身持って攻略した方が良いぞ。」荒井が続ける。
「&%#%%%」ショータ―、顔真っ赤だぞ。
「顔に出過ぎだよ、海野にもバレてるから心配するな。」
長くなり過ぎた、主審がこちらに来る、解散だ。
ショータは落ち着いた顔をしてる。
何か悪くなって言ってしまった。
「朝の海野の甲子園の話な、俺が大分盛った。」急に悲しそうになった
ショータを残し、ホームベースへ戻る。
7点で止めておけば、裏の攻撃でコールドを回避できるかも知れない。
決着はまだ付いていない。これまでショータと荒井の2安打でも次は打つ!
W実業 000 022 3|7
多摩近 000 000 0|0
規定により7回コールド




