40.魔球なんてあるわけがない。
W実業監督 太田の視点。
相手側のベンチまで挨拶しにいった。
高校大学両方の先輩だが20年以上卒業年次が違うので面識はなかった。
調べていて、昨年孫を見てくれ頼んできた人だとわかった。
通常そんな話は断る。強烈なコネと大人の事情で見るだけ見に行った。
170cmあるかな?という子供が投げていた。
体のバネ、柔らかさは高いレベルにあったが、特待生としては無理だった。
当人は吃音のせいと思ったかもしれないが、違うメンタル面の弱さが見え隠れした。
技術は教える事が出来るがメンタルは教える事はできない。
甘ちゃんのお子様な精神が濃厚に感じられた。あれはダメだ。
一般入部で野球部に来たら選手以外の道を行かそうと思っていたら、進学校へ行ったらしい。
彼の為にも良かったと思っていたら、なんと対戦する事になった。
想像もしてなかったよ。
マウスピースを口に入れセットポジションに入るその姿はあの時と変わらないように思える。
いや随分背が伸びたか。 顔はあの時も驚いたが小学生のような童顔だ。
結構厄介な投手になりつつあるが、崩せないほどでもない。
・・・無責任な報道を思い出す。消える魔球だ? ボールが消える訳がない
フォームが悪くて目が離れているだけだ。選抜優勝を誇る我がチームが
打ち崩してみせよう。・・・プレーボールだ。




