32.それぞれの想い。
ある病院にて
「結局オスグッドなの?」義妹が問う。
「ほぼ、ね。断言できるほど私は自信家じゃない。」義姉が答える。
「父には何と?」
「無理をさせるなと釘をさしたわ。成長痛と言っておいた。」
「実際どうなの?」
「どこが、ではなく全身無理してる感じ。関節の可動域とかも影響出てる。
理学療養士も同じ意見。」
「野球やめてトレーニング絞ってた時は痛いって言わなくなっえたんだけどな。」義妹が答える。
「実の母の私より、あなたに相談するのよね、あの子」義姉がため息をつく。
「お母さんが一番好きだから心配かけたくない、相談にのって、てあの子いつも言うわよ。」
「本当~。」
おい、義姉さん。お母さんが一番好き、の部分聞きたくて似たような話私に何万回振った?
いつか必ず言ってやる。「あんたバカぁ~」
その少し前 高校野球部部室にて 他の部員は帰った後 3人が話し合っている。
「監督の話は成長痛だが、情報をまとめるとオスグット症である可能性が高いだろう。
短期的に痛みがでているが、骨格の成長が止まれば完治する。」主将が話す。
「休ませたいですが、二年生の丸山を使ったら相手の打撃練習になりますよ。」副将が考えを言う。
しばらく間をおいて女子マネージャーが言った。
「可能な限りショータに投げてもらいましょう。」
「打たれても、まだ一年生なのにここまで一人で投げたという同情をもらえるし、
痛みを我慢して投げても壊れる訳じゃないんでしょ?」
それを我慢するのは、君ではないけどね。というセリフは恐ろしくて主将も副将も言えなかった。
「とりあえず、明日の結果は二の次よ。」女子マネ―ジャーの声は可愛らしい。
「野球部のファンをなるべく沢山獲得する。そのためには同情をもらうのも一つの手段だわ。
キーパーソンを釣り上げる餌のクラゲの仕込みはした。
計画が大きくなって、大変だけど楽しみも増えたわ。」
最年少の女の子がリーダーシップをとる会議は終わった。




