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Last Resort  作者: 当廟
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間空いちゃった

長かった、今回も実に長かった。

戦闘終了に伴って現れたリザルト画面を確認しながら床に体を投げ出す。


大丈夫、撃破と共に綺麗になった床だから、流石にそのままだとね。

それじゃあ順番に確認しましょうかね。


初討伐報酬:キャベンデッシュ領権利書及び鍵


そのまんま、領地の開発が出来るっぽい。けどめんどくさいから誰かに売却だな。内政とか開発、生産まで手が回らん。

鍵はこれどこの鍵なんだ。

あとで屋敷の中を家探しせねば。



単独撃破報酬:怨念炉


名前に炉とは付いてるものの見た目は完全に杖だな、金属製の杖。

周囲のエネルギーを取り込み怨嗟と妄執に連なる負を生み出すと。

ネガティブ変換器じゃん。絶対これでしょ無限魔力の元。

負のパワーを吸収して我が糧にとか。知らんけどさ。

とりあえずレイズに投げよう。困ったときも困らないときも丸投げ。これ世界の真理。



次は追加された習得可能スキル。『魔力回復速度上昇』


即断即決即実行。成長速度?知らない子ですね…

これは継戦能力に直結するし確実にレベリングでも効果出る。取得しない理由がない。

よっぽど効果が低いとかじゃなければ、今更だけど。



そしてレベルアップとマップ解放。


レベルが16になりましてそろそろ進化とかないんですかね。それともやっぱり種族イベント踏まないといけないのか。

上位職への転職でもいいけどその辺どうなってんだろな。帰ったら聞こう。


新規マップはまぁあれだ、しばらく放置。NPCの爺ちゃんから聞いた話を信じるなら、明らかにやばいのが眠ってるはずで下手に突くのは避けたい。

とりあえずレベリングと装備更新くらいはしたいね。


しかし改めてこのゲーム嫌がらせの塊みたいだな。まるでクリアさせたくないみたい。

初ボスですら強制夜間戦闘で無限沸湧きで光源に対するカウンターまであるとか。


ジャックさんも道中が足場の悪い山でPT機能不全起こさせといて連戦&連戦じゃん。しかも2マップ分。第一山域と第二山域で出現内容ガラッと変わるのも嫌がらせ。

それを超えてようやくボス戦なったらロール破壊とPT破壊のオンパレード。

行動変化事が所見殺しに尽きる。初見じゃなくても対処厳しいとかね。レベリング進めば楽になるのかねえ。


それでここに来たら急に物量戦で如何にもPT推奨ですってふざけるなと。

そりゃ探索とかで道草を食っていたのは事実だがマスクを3セットフルで使うことになるとは思わなかった。

今使ってるのもあと1時間程度しか残り時間がない。

魔法弾幕、雑魚回復、雑魚無限湧き、メインの守護者、魔力切れなし。

徹底的にこちらを削り押しつぶす構成だよな。

魔法制御でのバースト、ソウルハーベスターとの称号効果、霧での捕捉切りハイドアタック、そして屋内で日中受けるはずのデバフを受けなかったのが大きい。


でもまぁ今だから思うけど、これ順当にある程度動ける前衛がいるPTなら普通に倒せそうだよね。

ヘイト固定して弾幕方向固定から後衛火力で反撃と掃討。前衛も近寄れば騎士は対応を強要される。負荷を押し付けていくことが出来る。


タンクが持てばだけどね、結構痛いし数が多いから。雑魚もまとわりついてくるから。


あんまり残り時間もないから家探ししましょっか。

のそりと体を起こし無理やりやる気を出していく。

じゃあとりあえず一階から順番に。何か面白そうなのあったらいいね。



倉庫に控室、詰所に食堂と来て厨房へ。

今更なんだけれども何でこの館、こんなに幽霊がいるんですかね。正確には使用人たちの幽霊。生前の姿そのままですって見た目のまんまお仕事してるんですよ。何も出来てないけど。


アイコン表示が何もない館に付属するフレーバーテキストみたいな背景の一部だと認識するまでに少し時間がかかった。

いやまぁガン無視決めこまれてずっとお仕事されましたらね?


その中で一人気になる幽霊が。ただ食器を拭いているだけのメイド。見た目が気に入ったとかそんなのではない、誓って。

ただその動作に目を惹かれた。



「如何にもって感じだなぁ、便利そう」



思わず口から出た言葉。宙に浮かぶ食器と布巾が独立して動き手早く拭き取られていく。

念力、ポルターガイスト。そう呼ばれる類の現象。

カチャリ、カチャリと食器が重ねられていく。その流れ作業のようなよどみない動作は美しくさえあった。


どれくらいそれを眺めてたのか、食器を拭き終えた彼女と視線が合う。

穏やかな笑みと共に会釈をし消えた。

空気に溶けるように、自然と、違和感などなく、それが当然なのだと思わせる程に。

食器と電子音によるお知らせを残して。



『ポルターガイスト』


習得可能スキルに追加されていた。迷わず取得。

MPを消費し周囲の実体へ干渉できる。消費は対象に生じるエネルギーに比例する。重ければ、速く動かそうとすればそれだけ消費が増える。

あと細かい動作がかなり難しい。要練習。

でもいいスキルだね、これでまた手数が増える、DPSが上がる。

手札は多いほうが良い。成長速度が落ちるならその分だけ稼げばいいだけなんだよ。

PSに関わるリアル経験値を積むほうが大切。


じゃあガサ入れの続きしましょうか。



何やらドワーフの幽霊が居まして。屋敷では他に見たこともないしこれは当たりか?

まぁ先行特権という奴で、取りつくされても怒らないでね。

バレないように付いていきましょう。幽霊の知覚基準分からないけどね。



屋敷の本館を出て渡り廊下を通り離れへ。

領主邸敷地内に研究所か工房か知らないがそんなモノ建てる事があるのか?

明らかに後付けした感じで周りから浮いてるのは確かだけど。


街の根幹産業が危ないとなれば直々に施設を用意することもあるか?

まぁ当時のことなんて誰も知らないわけで、そういうことにしときましょう。


採光窓から中を除けば見るからに素材の山って感じで。

ドワーフゴースト居ないな?どこ行ったのやら。見つかったところでだしいいか。



「お邪魔します。素材出せ、手を上げろ、このインベントリに全素材を詰めるんだ」



なんちゃって、独り言虚しい。

人はこれを泥棒という。死後三桁なら所有権も無効でしょ。よって無罪、ノットギルティ、イノセント。

ガサガサと積まれている素材をインベントリに放り込みながら目ぼしいものを探す。

汎用素材もいいけど出来れば一点ものとかあると嬉しいね。

ちなみに道具は不思議パワーで弾かれる。ドワーフゴーストの所有権が生きてるのかな。

粗方盗り尽くしたところで奥の部屋へ。美味し過ぎてやめられないし止まらない。

採取するのがあほらしくなる。やったことないけど。


ガチャっと扉を開ければ何やら頭を捻っているドワーフが。

鈍い光沢を放つ銀色の金属と文字が書き込まれた紙の山。インゴットに平板、丸棒と様々な形状に整えられたそれら。

しばし眺めドワーフが悩み唸る様な動作をしながら部屋から出て行ったところで回収。

トリガーなって戦闘発生したりは…しなかった。よかった。

ゾンビに幽霊と普通にホラーテイストだからいきなり展開在りそうで怖いよホント。


インベントリに収納しアイテム名を確認。聖浄風銀ですってよ奥さん。

名前からして如何にも坑道での件の対策用だな。レイズに投げて研究させましょう。

ドワーフに出来ないことでもエルフならできるかもね。何に悩んでたのかは分からないけども。


あとは領主の執務室的なとこで領内地図と食糧庫で酒。

幾らか割れずに残っていたし回収して表記が問題ないものだけね。

100年物だしNPC相手に考えれば悪くないアイテムでは?



家宅捜索を終了し再び街をぶらぶらと歩く。

すっかり日も暮れて元気な元住民の方々とお会いできるアットホームな街ですね。とか予想していたにも関わらず、人っ子一人見当たらない。


権利書も確保したし復興、開発モードなったって事なのかな。現状じゃただの廃墟だけどさ。

この手の新規実装コンテンツって基本先行有利でやった者勝ちなんだけど、いまいちやる気が出ない。

あくまでも漠然としたイメージでしかないけど軌道に乗るまでが遠すぎる。

STGとか箱庭ゲーとかで手探りながら少しずつ資源を増産し施設を増やす。

これが楽しいのってある程度簡略化されて短縮されたスパンで行ってリターンが確定してるから何だと個人的には思う。

それが時間短縮や加速なしでリターンを数値として目視出来ない、それを手間暇かけて先の見えない中やるのって結構苦行だと思うんですよ。

だってやるのは全部自分、リアルと遜色ない五感で自分が実際に動いてやる。

確実に残る人は多くない。一方でプレイヤーの立場を考えるならやらない選択肢はない。 

土地を持って住み着けるってのはあまりにも大きいし。現状の根無し草生活は精神に負荷がかかりすぎる。

やっぱり誰しも安住の地が欲しいと思ってしまうわけで。

最終的にはプレイヤーの管理組織と商人ロールプレイ勢とただの住民に成り下がるプレイヤーの集まる街とかになるんじゃないかな。


自分がやることはないからいい加減で偏った視点でしかないけどね。

という訳で一回戻りましょうか。素材投げたりしたいし。











「くらえ、素材ラッシュ」


「知ってた、こうなるのは分かってた」


「話が早いじゃん、とりあえず色々検証とか確認よろしく。それから装備更新も」


「そらS1道中素材でE2ボスとか先はきついでしょ。部位は?」


「マスクと胴装備と何かよさそうなもの」


「とりあえず外套とかかな?あとアクセサリーとして指輪やネックレスとかブレスレットとか」


「あー外套良いね、暗めの色にしといて。アクセサリーは任せるよ。好みはない」


「了解、新素材確認してからだなとりあえずは。次は何処蹂躙すんの?」


「戦闘ばっかしないよ、元々観光目的でのんびりしようかと思ってたくらいだから。」


「戦闘狂が言いおる。気が付いたらどっかソロで解放してくる人間の言う言葉じゃない。自称攻略組の二線級にそれ言ったら燃やされるぞ」


「炎上じゃん、やる気燃やして結果燃えカスと火の粉だけとか」


「出来て当たり前だと本当に思ってるなら態々口に出さないからね。ゲームだけが取り柄だったのに上がいて自己顕示欲が暴走しちゃってるんだろうね」


「まぁなんでもいいけどさ、関わったことないし。何かいい情報ない?」


「転職と上位職の話とかくっそ不味い謎の野菜の話とかあるけど。ってか自分で掲示板見たら?そっちのが早いと思うけど」


「あーいや何というか、こうさ、皆が一斉に始めだしたときに斜に構えてやらなかったりするとさ、始め時逃してもういいやってなるときない?」


「それはある、ゲームなんか特に。オンライン要素あると今からじゃ追い付けないとかイベ未所持出るとか思うとやる気なくす」


「結局始めたらそんな気にならなかったりするんだけどね。それでジョブチェンの話詳しく」


「まずハローなワークに行きます」


「おいやめろ、あいつら仕事紹介してくるぞ」


「現実戻ったら通うことなりそう」


「笑うでしょ、笑い事じゃないけど」


「まぁゲーム内での職業は上位職とか二次職相当の存在が確認されたってだけだから。条件なんか何一つ確定してないよ」


「なる、じゃあ適当に街うろついてくる。完成したらよろしく」


「おっけー、百年後くらいに連絡するわ」


「墓から連絡するのか、テクノロジーは進化してんな」


「ホラーの皮を被ったコメディでしょそれ」



工房を出てフラフラと宛もなく。何かこの世界でもできる趣味でも見つけようかね。出来ればスキル必要ないようなのを。

趣味スキルでこれ以上スキル圧迫するにはきついもんなぁ。


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