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92 クリパ 続きの続き

私、三塚公佳って言います。


桃花女子高校1年生で、演劇部です。


人とおしゃべりするのが大好きなどこにでもいる女子高生です。


ちょっと、悩みなのは人より胸が大きいこと。

走ったりすると、重みを感じて、大変。揺れるの邪魔。


あ、そんなことはどうでもいいです。


今、大変なことがありました。

男子校と女子校のクリスマスパーティーの真っ最中に男子校の一人の生徒、安藤司君から、

突然告白されちゃいました。

衆人環視の中で、「好きだ」って言われちゃったんです。

私、告白したことも、告白されたこともありません。

生まれて初めての経験です。

びっくりして、会場のトイレまで逃げて来ちゃいました。


どうしよう?

超恥ずかしかった。

安藤君のバカ!何で、こんなところで告白なんかするの?

別に安藤君の事は嫌いじゃないけど・・・

女子慣れしていないから、いろいろ気になってたし・・・

でも、恥ずかしいじゃない・・・

どうやって、会場に戻ればいいの。


「公佳、大丈夫?」

「公佳、告白されるってすごいよ!」

「恥ずかしがることも、逃げることもないよ。人に好かれてるっていいことだよ。」


葵、祐希、由奈がやってきました。心配してきてくれたんだ。


「大丈夫・・・

・・・じゃないかな?

生まれて初めて、男の子から告白されて・・・すごく恥ずかしい!

ううう、みんなに聞かれちゃったし。」


「うーん、確かにそうかもしれないけど、もっと恥ずかしいのは安藤君だよ。

安藤君は気に入った子を言うように公佳に言われたから、正直に答えたんだよ。」


「うん、安藤君、すごくかっこよかった。好きな女の子に告白なんて、なかなかできないよ。

その勇気を認めてあげて。」


「告白を受けるか受けないかは自由だけど、ちゃんと安藤君と向き合ってあげて・・・

返事は後日でもいいじゃない。」


「・・・そうだね。

・・・そう言われればそうだった。

私がお節介を焼いて、女の子のところに連れてって、好きな子を言うように促したんだった。

うーん、それが、私だったってことだよね?

となると、原因は結局私なんだ。

そっか、安藤君を悪く言えないね。

うん、・・・ちゃんと安藤君と向き合わなきゃ・・・」


「うん、そうだよ。」

「安藤君、いい人なんだから、向き合ってあげて。」

「勇気ある告白ってことも認めてね。」


「うん、・・・・ちょっと待ってね。」


私は目をつぶって、下を向いて思考をめぐらす。

よく、考えなきゃ。

短い時間でも考えることはできる。


そうだ。

私は、女子校に入ってから、恋愛というところから距離を置いてた。

中学の時は、先輩とか同級生とかを好きになったりしていて、片想いをしてたけど、高校には女子しかいないから、全然恋愛というものを考えていなかった。

そのくせ、他人の恋愛については興味あって、さっきみたいに、お節介をしちゃったり、探りを入れたりしてたんだ。

そっか、自分が人に好かれるってことがあるのを忘れてた。

安藤君、女性が苦手っぽくて、すごく気になってたんだ。

演技うまいのに、お芝居の外では不器用で・・・けっこういい人っぽくて・・・

そうか!浮気しないタイプだから恋人にはいいかも。

容姿はイケメンじゃないけど、まずまずの容姿だし、なによりも演技に才能があるのが魅力。

付き合ってもいいかも。

うん、そうだ。

付き合っちゃおう!!

私の心の中で、高速回転で考えがまとまっていった。


「よし、決めた!!」


目を開けて、大きな声を出した私に、


「公佳、どうしたの?」

「何を決めたの?」

「安藤君を責めないでね。」

と、3人の女の子。

厳密にいうと葵は女の子じゃないけど、私からみれば女の子も同然。


「心配しないでいいよ。これから、クリスマスパーティ、盛り上げちゃうから。」

私はニコッと笑って、3人にウインクする。


戸惑う3人に対して、

「さあ、会場に戻りましょ。みんな心配してるよ。」

と図々しく言って先頭に立ってトイレから出ます。


会場に戻ると、安藤君はまた男子ばかりがいるところにいました。


私は、そこに向かって小走りします。

そして、驚く安藤君の前に立って、

「安藤君、さっきのお誘い、お受けします。つきあってください!」

と答えました。


その瞬間、会場が騒ぎになります。

「えーっ!!うそー!!いいの?」

「嘘だろ!告白が成功したぞ!」

「何だ何だ?!」

「素敵!カップル誕生じゃない!」

会場のざわめきがとまりません。

やったねー。盛り上がるぞー。


「えっ、僕でいいの?うそ?」


「何、言ってるの?あなたが告白してきたんでしょ?

もっと自信もってよ。演技の時みたいに。」

私は、安藤君の腕に自分の腕を巻き付け、自慢?の胸を押し付けます。


「あ・・・うん、よろしく・・・お願いします。」


「うん、それでよろしい。

私が、もっと女性と普通にしゃべれるように鍛えるからね。覚悟して!」



回りでは、

「うわっ、もう尻にしかれてるかも!」

「さすが、公佳、言う事聴く男の子がお似合いかも。」

なんて話をしてるけど、私は気にしません。

告白してくれた安藤君の勇気に応えられたって充実感で心が一杯になってたからです。

彼氏ができちゃった!

これからワクワクするぞ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



葵です。結局私は何もしていないのに、安藤君と公佳はカップルになっちゃいました。

超意外な展開です。


なんか、彼氏、彼女がいない生徒たちは、なんかソワソワしています。


あ、板谷君に女の子が群がってる。どうしよう。

板谷君に彼女が出来たら嫌だなー。

でも、私には妨害する権利ないし。


「大丈夫だよ。小出。」

私の心を見透かしたような声が私の後ろからしました。

振り返るといつの間にか尾崎君がいました。


「板谷は、小出一筋だから、他の女の子には手を出さないよ。

うん、俺が保証する。」


「えっ?私別に、板谷君が好きなわけじゃないよ。板谷君だって、同性の私を好きになるわけないじゃない。」


「でも、卒業までには女の体になるんだろ?20才になったら戸籍も変えるんだろ?だったら、男子を好きになってもいいじゃないか?

俺は板谷が小出を好きって確認したわけじゃないし、板谷自身もわかってないと思うけど、あいつは外の女子を好きになることはないと確信している。

だから、小出も浮気するなよ。」


「そんなこと言われても・・・」


「ま、心配するな!」

尾崎君はそう言いながら、祐希の方に歩いていきました。

そうだ、尾崎君は尾崎君で、祐希への恋心を維持しながらいろいろ悩んでるんだ。


それにしても、私、板谷君に対しての気持ち、複雑だ。

とにかく勝手だけど、板谷君、彼女作らないで!!

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