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87 胸が成長しました。姉から指導。

葵です。

ホルモンをはじめて4カ月。12月13日のことです。

なんか、ブラジャーがきついってはっきりわかるようになりました。

太ったかな?と心配になります。


やだ、デブになっちゃったかも。食事に気を使ってるのに!


「お姉ちゃん、ブラがきついんだ。もしかして太ったかな?」

早速、姉に相談。


「どれどれ、ちゃんと測ってみないと。」


姉にメジャーで測ってもらうと、

「あ、バスト大きくなってる。アンダーは変わってないから、太ったんじゃないよ。

もうAカップじゃ無理だねー。

Bカップにしないと。

へーっ、着実におっぱい大きくなってる!

こりゃ、新しいブラを買わないとダメ。

よかったね!」


がーん、太っていないことには安心しましたけど、私はショックでした。

おっぱいが大きくなったのはいいけど、お気に入りの下着を付けられなくなります。


「お姉ちゃん、Aカップのブラ付け続けちゃだめ?デザイン気に入ってるんだ。」


「ダメだよ。ブラが体に食い込んじゃうし、おっぱいの形崩れちゃうよ。ちゃんとおっぱいの形を保つために、サイズのぴったりしたものをつけないと。

あのね。ブラのサイズが合わないと、身体を左右にひねるとブラが浮いたりするし、両腕をふるとブラから胸の肉がはみ出たり、バンザイするとブラが上にずれたり、両腕を動かしているうちにストラップが肩からずれ落ちたり、ちょっと動いただけで胸が揺れすぎたり、前かがみになるとブラの後ろ側が上がったり、

いろいろ不快な思いをするよ。」


「あ、わかる。胸が小さい時、よく上にずれて嫌だった。

そうだね。ちゃんとしたもの付けないとせっかくの育った胸が変になっちゃうね。」


「わかった?

じゃあ、今度の休みの日に一緒に買いに行こうよ。いろいろアドバイスしてあげる。

試着もしたほうがいいよ。

したことないでしょ?」


「そういえば、ない。

試着しなきゃダメ?」


「ダメってことはないよ。

店員さんに下着姿見られる可能性あるから絶対イヤって女の子もいる。

でもね。下着専門店でキチッとサイズを測って、ちゃんと試着して、正しい付け方を教わって買うのはいい経験になると思う。

2、3ヶ月前だったら、葵、男っぽい体型が残ってたから不安だったけど、今の体型と肌質ならば、男性ってバレないよ。」


「うう、説得力あるね。

じゃあ、試着しよ!」


毎日付ける下着だから、やっぱりサイズの合ったものを付けたい。

早く買いに行きたい!と思う私です。



ところで、クラスメイトにカミングアウトして以来、胸とかお尻に視線を感じるようになってしまいました。

それまでは、偽物のバストと思って興味なかったんでしょうが、本物と分かるとどうしても気になっちゃうみたいです。

お尻も丸みがあることがわかってきたみたいで、何となく観察したくなるみたい。

私も元は普通の男子?でした。

女子の性的な部分に関心を持つという男子の本能を理解できます。

だから、見られてるって気づいても常に気づかないふりをします。

むしろ見られることは女性と同等に扱われていると考え、誇りです。

うん、全然気にしません。

触ってくるような生徒はいませんしね。


でも、答えにくい質問は時々されます。

「胸が膨れるってどんな感じ?」


そんな質問には、

「自分らしくなった気がする。

服を着るのが楽しくなる。女性の服は胸があることを前提としてるから。」

というきれいなことばで返します。


でも、それだけだとつまらなそうなので


「まだまだ小さな胸だと思うから、みんなとそんなに変わらないよ。谷間もそんなにできないし…。

大きくなったら教えるね。ごめんね。」

と答えます。

本当は乳首が敏感になったりとか、胸の張りとかあるんですが、それは話しません。



さて、休みの日に、私と姉の柚はターミナル駅の駅ビルに入っている若い女性向けの下着専門店に行きます。

女装を始めた当初は、こういう店に来ると恥ずかしくて、じっくり商品を見る余裕は無かったし、店員さんに声をかけられるのが怖かったのをはっきり覚えています。。

とにかく、男性だとバレるのが怖かったんです。

女装した変態少年と思われたらどうしよう?って思いました。

実際、身体は普通に男性だったんですから。

近くで身体を観察されれば100%ばれる自信がありました。


今はどうかというと…

まだホルモン治療開始して4ヶ月ですから体型や顔が全く変わったわけではないけど…

おっぱいはあります!

しかもBカップに成長してます。

見られても触られても大丈夫!

この自信は大きい!


「いらっしゃいませ!」


モデルのような美人店員に声をかけられましたが、私はそんなに動揺しません。

今日は、本気で下着を買いに来ているし、店員さんにはフィッティングで協力してもらいたいと思っているくらいですから。

しかもおばちゃん店員ではなく、美人さんの店員なら、身体を触られるのもちょっといいかな?なんて思っちゃいます。


まずは、姉と二人で店内をぐるっと回ります。


いろいろデザイン、色があるため迷いそうになりますが、私は好みのデザインを見つけます。


「あ、これ可愛い!これ、いいな!」


「うん、私も思った。リボンとかレース、カップのデザイン、いいよねー!

それ、試着してみたら?」


最初は、ちょっと離れて見ていた美人店員さん、ここぞとばかり近づいてきます。


「それ、人気あるんですよー!

試着してみますか?」


「はい!」


私は初めての試着にワクワクします。


店員さんと一緒にフィッティングルームに入り、羽織っていたコートを脱ぎます。


「採寸は服の上からしますね。

薄手のタイトなニットを着てらっしゃるから

大丈夫です。

えーえ、ふだんはサイズは?」


「70のAです。

でも一緒に来ている姉がBじゃないかって。」


「わかりました。じゃあ、測ってみましょう。

うーん、そうですね、

Bが良さそうですね。


じゃあ、70のBをお持ちしますのでつけてみてください。」


やったー、

店員さんのお墨付きだ!


私は女性としてステップアップした気になりました。

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